話題株ピックアップ【夕刊】(2):モリト、菱鉛筆、ニトリHD
■モリト <9837> 1,455円 +57 円 (+4.1%) 本日終値
モリト<9837>が続伸し昨年来高値を更新した。28日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を50万株(発行済み株数の1.84%)、または8億円としており、取得期間は3月1日から来年1月14日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環として取得するとしている。
■三菱鉛筆 <7976> 2,375円 +49 円 (+2.1%) 本日終値
三菱鉛筆<7976>が3日ぶりに反発した。29日午前8時半、ドイツの高級筆記具メーカーのLamy(ラミー)社の全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。日本でも人気の高い「LAMY」のブランド力を傘下に収めることとなり、海外展開の加速と事業拡大を期待した買いが集まったようだ。取得価額は非公表。株式譲渡日は3月15日を予定する。欧州市場でのシェア拡大を重要な事業戦略の一つとしてきた菱鉛筆にとって、Lamy社の製品は重複が少なく、相乗効果を発揮できると判断した。連結業績予想への影響については現在精査中で、公表すべき事項が生じた際は速やかに公表するとした。
■UTグループ <2146> 3,510円 +65 円 (+1.9%) 本日終値
UTグループ<2146>が連日の新高値となったほか、NISSOホールディングス<9332>も2月22日の戻り高値にツラ合わせする場面があった。このほか、アルトナー<2163>や株価低位のジェイテック<2479>、nms ホールディングス<2162>といった銘柄も揃って強調展開をみせており、半導体業界などを中心にIT人材派遣や製造請負などを手掛ける人材サービス関連株に上値指向をみせる銘柄が目立つ。台湾の半導体受託生産最大手のTSMC<TSM>は熊本に半導体の第2工場を建設することを決定したが、これにより第1工場と合わせて3400人あまりが働く一大拠点となることが伝わっている。更に、日の丸半導体新会社のラピダスが北海道・千歳市に最先端半導体の量産を目指す大規模な生産工場を建設し2027年から2ナノ品の生産を開始する見通しにあることで、ここでも人材確保が大きな課題となりそうだ。IT人材サービスを手掛ける企業の商機が高まるとの見方が継続的な買いを引き寄せる背景となっている。
■アイチコーポレーション <6345> 1,086円 +19 円 (+1.8%) 本日終値
アイチコーポレーション<6345>が4日ぶりに反発。28日の取引終了後、自社株64万1400株(発行済み株数の0.85%)を3月22日付で消却すると発表しており、好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は7457万株となる予定だ。
■昭和産業 <2004> 3,470円 +45 円 (+1.3%) 本日終値
昭和産業<2004>が続伸。29日、家庭用と業務用のオリーブオイル製品の価格改定を発表した。値上げ幅は1キログラム当たり950円以上とする。株式市場では、収益面でのプラス効果を期待した買いが入ったようだ。値上げは5月1日納品分から。スペインを中心とした地中海沿岸地域が干ばつに見舞われ、2年連続でオリーブは歴史的な不作となった。更に、紅海・スエズ運河の航路停止で海上運賃も上昇しており、コスト上昇分を企業努力で吸収することが極めて困難と判断した。
■スターゼン <8043> 2,820円 +30 円 (+1.1%) 本日終値
スターゼン<8043>が3日続伸。午後0時30分ごろ、子会社スターゼンロジスティクスが保有する東京都港区の土地・建物固定資産を譲渡するのに伴い、25年3月期に固定資産売却益約75億円を計上すると発表したことが好感された。また同時に、川崎市川崎区と兵庫県伊丹市に物流・営業を担う新たな拠点を新設するとした。物流の2024年問題へ的確に対処しつつ効率化を図ることが目的で、2拠点の冷凍・冷蔵商品の保管能力は、現状の1万2000公称トンから3万2000公称トンに増加する。
■ニトリホールディングス <9843> 21,980円 +225 円 (+1.0%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>が朝安後にプラス圏に浮上。コーナン商事<7516>が上げ幅を拡大し、神戸物産<3038>が強含みの展開となっている。日銀の高田創審議委員が29日、滋賀県の金融経済懇談会で講演し、2%の物価目標について、実現がようやく見通せる状況になってきたとの認識を示した。(物価と賃金の関係を示す)フィリップスカーブが上方にシフトしており、持続的な物価上昇の実現につながりはじめたとしたうえで、オーバーシュート型コミットメントのあり方なども検討が必要とも述べた。一連の発言を受け、日銀の金融政策の正常化が想定よりも早く進むとの観測が市場に広がり、ドル円相場は朝方の1ドル=150円台半ばから149円台後半へと円高方向に振れた。こうした為替相場の動きが、円高が輸入コスト負担の低減につながるとみられている銘柄群への買いを誘う要因となったようだ。ワークマン<7564>が下げ渋り、セリア<2782>やワッツ<2735>、マルハニチロ<1333>が底堅く推移している。
■横河電機 <6841> 3,164円 +15 円 (+0.5%) 本日終値
横河電機<6841>がしっかり。28日の取引終了後、インドの電磁流量計市場における大手の一角であるアデプト・フルイダイン社(マハーラーシュトラ州)を買収する契約を締結したと発表しており、好材料視された。今回の買収は、高性能な電磁流量計のインド製造拠点を獲得すると同時に、アデプト社の製品をラインアップに加えることで、急成長するインド市場向けによりタイムリーに幅広い流量計製品を提供できるようにするのが狙い。同社は今後、プネ市にあるアデプト社の製造設備と流量校正設備を強化し、横河電の電磁流量計ラインアップをグローバル品質基準に沿って現地生産できるようにするほか、アデプト社の流量計を両社の販売ネットワークを通じて提供するという。なお、買収手続きは3月末までに完了する予定としている。
■イビデン <4062> 6,901円 -173 円 (-2.5%) 本日終値
イビデン<4062>が大幅に3日続落。28日の取引終了後、ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行し700億円を調達すると発表しており、CBの株式転換による1株当たり利益の希薄化を警戒する売りが出た。同債は満期償還日が31年3月の7年債。転換価格は前日終値を26.99%上回る8983円で決まった。潜在株式による希薄化率は5.58%となる。調達資金は、高機能ICパッケージ基板の需要拡大に対応するための設備投資資金に充てる。
■スギホールディングス <7649> 2,349.5円 -19.5 円 (-0.8%) 本日終値
スギホールディングス<7649>が軟調。この日、国内メディアが相次いで、同社が展開するドラッグストア「スギ薬局」でのシステム障害を報じている。花粉症対策商品の書き入れ時となるだけに、買い持ち高を圧縮する目的の売りを促す要因となり、株価の重荷となったようだ。共同通信によると、うるう年の影響により処方箋管理システムで障害が発生し、全国のスギ薬局で処方薬の会計ができなくなった。
株探ニュース