今週の【早わかり株式市況】続落、米ハイテク株安と日銀政策正常化観測が重荷

市況
2024年3月16日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週続落、一時3万8000円台前半に

2.週明けから大荒れ、米ハイテク株安受け急落

3.日銀正常化観測が浮上、為替市場で円高進む

4.来週に日銀会合・FOMC控え様子見ムード漂う

5.日産自とホンダ、EV・車載ソフトで提携検討

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比981円(2.5%)安の3万8707円と、2週連続で下落した。

今週は週明け早々大荒れの相場となった。前週末の米ハイテク株安、日銀正常化観測を背景とした円高のダブルパンチで全体相場は急落。日経平均は一時3万8000円台前半まで下落し、直近高値(4万109円)から2000円近く水準を切り下げた。

週明け11日(月)の東京株式市場は前週末から急反落。日経平均は下げ幅が一時1100円を超える波乱展開となった。前週末の米国株市場でハイテク株中心に売り込まれた流れを引き継ぎ、半導体関連をはじめ主力銘柄が全面安に。日銀が金融政策正常化を前倒しするとの観測が浮上し、為替市場で円高が進んだことも輸出セクター中心に嫌気された。12日(火)も小幅に下落。前日からのリスクオフの流れが続き、日経平均は一時500円安と下値を探った。売り一巡後は下げ渋ったものの、この日夜の2月米消費者物価指数(CPI)発表を控え、積極的な買いは手控えられた。13日(水)は朝高後に反落。日経平均はこれで3日続落となった。前日の米株市場ではCPIが予想を上回ったが、これを嫌気する動きとはならず全体相場は上昇。東京市場もリスク選好ムードで始まったが、この日は春闘の集中回答日で大企業の賃上げが思いのほか活発となり、翌週の日銀金融政策決定会合でマイナス金利が解除されるとの見方が強まり相場の上値を抑えた。14日(木)は朝安後に切り返した。引き続きマイナス金利解除への警戒感が相場を重くしたが、売りが一巡すると徐々に押し目買いが入り日経平均は上昇に転じた。15日(金)は反落。翌週に日銀会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見ムードが漂った。個別では電気自動車(EV)や車載ソフトの分野で提携検討を始めた日産自動車 <7201> [東証P]とホンダ <7267> [東証P]が注目された。

■来週のポイント

来週は18~19日の日銀金融政策決定会合、19~20日の米FOMCの結果が相場を左右するだろう。両会合を通過するまでは様子見となり、本格的な動きは週後半からとなりそうだ。日銀がマイナス金利を解除すれば円高からの株安が想定されるが、そこは押し目とみる向きも多い。実際の下げ幅は限定的ではなかろうか。

重要イベントとしては、国内では前述した日銀政策決定会合のほか、18日朝に発表される1月機械受注、22日朝に発表される2月全国消費者物価指数が注目される。海外ではFOMCのほか、18日に発表される中国2月の鉱工業生産指数と小売売上高、中国1-2月固定資産投資、19日に発表される米国2月住宅着工件数、21日に発表される米国10-12月経常収支と米国2月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だ。

■日々の動き(3月11日~3月15日)

【↓】   3月11日(月)―― 急反落、米ハイテク安と円高で3万9000円割れ

日経平均 38820.49( -868.45)  売買高20億2854万株 売買代金 5兆2687億円

【↓】   3月12日(火)―― 続落、一時大幅安も買い戻しで下げ渋る

日経平均 38797.51(  -22.98)  売買高18億2973万株 売買代金 4兆7860億円

【↓】   3月13日(水)―― 3日続落、日銀の政策変更前倒し思惑で売り優勢

日経平均 38695.97( -101.54)  売買高16億4871万株 売買代金 4兆4428億円

【↑】   3月14日(木)―― 4日ぶり反発、売り一巡後は押し目買いが優勢

日経平均 38807.38( +111.41)  売買高16億6028万株 売買代金 4兆3374億円

【↓】   3月15日(金)―― 反落、米株安を受け半導体関連株を中心に売り優勢

日経平均 38707.64(  -99.74)  売買高23億6898万株 売買代金 5兆7934億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、20業種が値下がり

(2)値下がり率トップの三菱UFJ <8306> など銀行を始め、

T&D <8795> など保険、日本取引所 <8697> などその他金融といった金融株が全面安

(3)ディスコ <6146> など機械、東エレク <8035> など電機、HOYA <7741> など精密機器といった輸出株も大幅安

(4)内需株はKDDI <9433> など情報通信、積水ハウス <1928> など建設が安いが、

三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、住友不 <8830> など不動産は堅調

(5)景気敏感株は郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼が大きく売られたが、住友鉱 <5713> など非鉄は買われた

(6)値上がり率トップはENEOS <5020> など石油。東電HD <9501> など電気・ガスも大幅高

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(2) 人工知能

2(7) 円高メリット

3(1) 半導体

4(3) 生成AI

5(5) 地方銀行 ── 日銀の政策正常化観測高まり関心が向かう

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.