話題株ピックアップ【夕刊】(1):FPG、北海電、京急

注目
2024年3月25日 15時14分

■CIJ <4826>  1,103円  +150 円 (+15.7%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位

CIJ<4826>が強烈人気、連日でストップ高に買われた。前週末時点で上場来高値を更新しており、時価は青空圏を突き進む状態。システムインテグレーターとしてその技術力の高さに定評があり、日立製作所<6501>やNTTデータグループ<9613>からの開発受託を原動力に収益拡大路線を走る。日立が米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>とサーバーやメタバース領域などAIシステムの開発で協業を発表したが、これに先立ってハイスペック人材の育成などAI分野に傾注する方針を打ち出しているCIJにとっても商機が巡る可能性がある。なお、同社は今月末の株主を対象に1株を1.5株にする株式分割を発表しており、この駆け込み権利取りの買いも物色人気を助長しているもようだ。

■アイザワ証券グループ <8708>  1,270円  +96 円 (+8.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

アイザワ証券グループ<8708>が大幅高。前週末22日の取引終了後、これまで非開示としていた24年3月期の期末配当予想を26円にすると発表した。中間配当13円とあわせ、年39円(前期26円)と増配となる見通しにあり、これが好感された。

■FPG <7148>  2,171円  +151 円 (+7.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

FPG<7148>の物色人気加速、7連騰と異彩の上げ足で新値街道を邁進している。同社は独立系の金融サービス企業で、投資家から資金を集めてリース案件を組成する事業(オペレーティング・リース)などを展開する。業績は足もと会社側の想定を上回る好調で、リースファンド事業が堅調に推移するほか、国内不動産ファンド事業が好調で収益を牽引、前週末22日取引終了後に24年9月期通期業績予想の上方修正を発表した。営業利益は従来予想の190億円から208億円(前期比14%増)に増額し、2ケタの利益成長を見込む。好業績を背景に株主還元も強化し、今期年間配当を従来計画の77円50銭から88円(前期は73円)に大幅増額、これもポジティブサプライズとなった。配当利回りは前週末終値換算で4.3%台と高水準だ。

■北海道電力 <9509>  833円  +56.3 円 (+7.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

北海道電力<9509>は昨年来高値更新。前週末22日取引終了後に24年3月期連結業績予想の修正を発表し、純利益を550億円から660億円(前期221億9300万円の赤字)へ上方修正した。あわせて配当予想を10円から20円(前期無配)に増額しており、これを好感した買いが入った。売上高予想については9530億円から9480億円(前期比6.7%増)へ下方修正した。卸電力市場価格の低下に伴い他社販売収入が減少するため。一方、利益面では同市場価格の低下に伴う電力調達費の減少や工事費用支出時期のずれ、加えて水力発電増による燃料費減少が寄与する見込み。

■TPR <6463>  2,400円  +140 円 (+6.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

TPR<6463>が後場プラス圏に急浮上。午後0時5分ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1894億円から1935億円(前期比8.3%増)へ、営業利益を96億円から123億円(同79.4%増)へ、純利益を68億円から75億円(同95.2%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を30円から40円へ引き上げたことが好感された。原材料・エネルギー費用の価格反映の進展に加えて、原価低減努力をはじめとした効率経営の推進、更に為替相場の円安推移などが寄与する。なお、年間配当予想は70円(前期58円)となる。

■京浜急行電鉄 <9006>  1,420円  +72 円 (+5.3%)  本日終値

京浜急行電鉄<9006>が大幅続伸し、昨年来高値を更新した。前週末22日の取引終了後、「(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画」の開発に伴い、土地および建設予定の建物の一部を取得すると発表した。2025年度に着工し、29年度に開業する計画。これに関連し、トヨタ自動車<7203>は京急と共同で建物を建設・運営する新たな契約を締結するとともに、29年度に新たな建物に新東京本社を開業すると公表した。京急に対しては、中期的な事業への好影響を期待した買いが入ったようだ。京急の取得額は約2200億円を予定。品川駅西口地区の高輪3丁目地区における土地の持ち分の一部をトヨタに売却することに伴う土地譲渡金に加え、負債調達による資金を充当する。京急は24年3月期において、固定資産売却益805億円を特別利益として計上する見込み。今期の最終利益予想は620億円増額し840億円(前期比5.3倍)に上方修正した。政策保有株式の売却による影響も織り込んだ。営業収益と営業利益の見通しは据え置いている。

■不二製油グループ本社 <2607>  2,621.5円  +126 円 (+5.1%)  本日終値

不二製油グループ本社<2607>が続伸し昨年来高値を更新。同社は22日取引終了後、収益性が低下している子会社の米ブラマー・チョコレート・カンパニーの構造改革を実施すると発表。構造改革の骨子は、「シカゴ工場の閉鎖」「カカオ加工事業の適正化」「差別化戦略の推進」など。改革を果たすことでグループシナジーの創出をより一層進め、ブラマーをグループの価値創造の中核を担う企業に成長させるとしている。

■西武ホールディングス <9024>  2,396円  +111.5 円 (+4.9%)  本日終値

西武ホールディングス<9024>が続急伸し、昨年来高値を更新した。前週末22日の取引終了後、ロイター通信は「西武ホールディングスが、赤坂プリンスホテル跡地に建設した旗艦ビル『東京ガーデンテラス紀尾井町』(東京・千代田)の売却を検討していることが分かった」と報じた。売却額は3000億円を超えるとみられ、品川などで進める再開発に資金を充てるとしている。これを受け、西武HDはコメントを開示。「2024年5月の売却・流動化対象物件の選定完了および発表に向け検討を進めている」としたうえで、報道内容に関しては、「現時点で決定した事実はない」とした。株式市場では報道を受け、ビル売却を原資とした西武HDの不動産関連事業の成長シナリオが意識される形となり、買いを誘う要因となったようだ。

■セルシス <3663>  893円  +32 円 (+3.7%)  本日終値

セルシス<3663>が3日続伸し昨年来高値を更新。前週末22日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を160万株(発行済み株数の4.93%)、または10億円としており、取得期間は3月25日から6月30日まで。資本効率の一層の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行することが目的という。

■湖池屋 <2226>  9,320円  +300 円 (+3.3%)  本日終値

湖池屋<2226>が5日続伸。前週末22日の取引終了後、岐阜県海津市の駒野工業団地に中部地方初の工場を建設すると発表しており、好材料視された。新工場は同社第5の生産拠点となり、既存商品だけでなく、新素材・新容器商品の生産を目的とした設備の導入も計画しているという。投資額は約100億円で25年8月に竣工を予定。なお、同件による24年3月期業績への影響は軽微としている。

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