前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
■パソナG <2168> 2,200円 (-500円、-18.5%) ストップ安
東証プライムの下落率トップ。パソナグループ <2168> [東証P]がストップ安。前週末12日の取引終了後、24年5月期第3四半期累計(23年6月-24年2月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比4.2%減の2655億5800万円、経常利益は同59.6%減の46億2200万円だった。直近3ヵ月間となる12~2月期では、経常利益は前年同期比で84%の減少となった。同社は2月にベネフィット・ワン <2412> [東証P]の株式売却に伴う利益を計上する見通しとなったと発表。今期の最終利益は1000億円(前期比16倍)を見込む。これを踏まえ、4月12日の取引終了後には今期の配当予想の修正も公表し、特別配当60円を実施する方針を示した。しかしながら直近の業況を受けて、普通配当の見通しを年間35円から15円に引き下げており、減益決算と配当水準に対する失望感が広がり、売りが膨らんだようだ。地方創生ソリューション部門では前期に一部子会社で決算期変更を行っており、第3四半期はテクニカルな要因から減収幅が拡大したという。
■JINSHD <3046> 3,480円 (-700円、-16.8%) ストップ安
東証プライムの下落率2位。ジンズホールディングス <3046> [東証P]がストップ安。前週末12日の取引終了後、24年8月期の連結業績予想の修正を発表。今期の売上高を10億9100万円減額して796億3800万円(前期比8.7%増)、最終利益を2億円減額して29億円(同64.6%増)にそれぞれ見通しを引き下げた。海外事業において中国における景気停滞の影響が継続すると見込み、業績予想に反映させた。同社の事業環境に対する慎重な見方が広がり、売り圧力が高まったようだ。
■アステラス <4503> 1,446円 (-125円、-8.0%)
東証プライムの下落率6位。アステラス製薬 <4503> [東証P]が続急落。前週末12日の取引終了後、24年3月期の連結業績に関し、最終利益がこれまでの計画の580億円を大きく下回る30億円(前の期比97.0%減)で着地したようだと発表し、嫌気されたようだ。フリードライヒ運動失調症患者を対象とした遺伝子治療プログラム「AT808」や、腎性貧血治療薬「エベレンゾ」に関して減損損失を計上。ゾルベツキシマブの膵臓腺がんでの開発計画の更新及び為替レートの変動に伴う条件付き対価に関わる公正価値変動額についても、その他の費用として計上し、利益を押し下げる要因となる。一方、前期の売上収益は計画と同水準で着地する格好となるという。
■高島屋 <8233> 2,354.5円 (-168円、-6.7%)
東証プライムの下落率10位。高島屋 <8233> [東証P]が6日ぶり急反落。前週末12日の取引終了後、24年2月期の連結決算発表にあわせ、25年2月期の業績予想を開示した。今期の営業収益は前期比6.6%増の4970億円、最終利益は同7.5%増の340億円を見込む。前期に続き最高益の更新を計画する。あわせて8月31日を基準日とし、9月1日付で1株を2株に分割すると発表した。また、前期の期末配当を従来の予想から3円増額の20円としたうえで、株式分割前の水準で今期の年間配当予想は前期比3円増配の40円とした。ただ同社株は直近で大きく水準を切り上げていたこともあって、目先の利益を確定する目的の売りに押されたようだ。
■レーザーテク <6920> 42,180円 (-1,120円、-2.6%)
レーザーテック <6920> [東証P]が反落。そのほか、東京エレクトロン <8035> [東証P]など半導体製造装置の主力銘柄をはじめ、ソシオネクスト <6526> [東証P]など幅広く半導体関連株に売りが目立った。前週末の米国株市場では、中東情勢の一段の緊迫化を背景にNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅安に売られた。特に半導体関連株への売り圧力が強く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.3%安とダウやナスダック指数の下落率を大幅に上回った。これを受けて東京市場でも同関連株にはリスク回避目的の売りが優勢となった。ただ、外国為替市場では1ドル=153円台前半の推移と円安水準がキープされていることで、これは株価の下支え材料として意識されやすい。
※15日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋
株探ニュース