39000円割れでは押し目狙いのスタンス/オープニングコメント
16日の日本株市場は、売り優勢ながら押し目狙いの買いが意識されそうだ。15日の米国市場は、NYダウが248ドル安、ナスダックは290ポイント安だった。イランによる対イスラエル攻撃の影響が最小限に抑制されたほか、いったん終了が示唆されたため、自律反発狙いの買いが先行した。しかし、米小売売上高が予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待が後退するなか、売りに転じた。米長期金利上昇でハイテクも軟調。シカゴ日経225先物は大阪比525円安の38705円。円相場は1ドル154円10銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まろう。米国市場では決算を発表したゴールドマン・サックスが買われたことは安心感につながるだろう。米小売売上高の結果を受け、FRBによる利下げ開始時期の後ずれするとの見方から米長期金利が上昇したことが売りにつながった。ただし、足もとでは予想を上回る経済指標の発表が相次ぐなか、ある程度は想定されていただろう。経済指標や金利動向に敏感に反応しやすい需給状況であるが、米国の流れを受けて売りが先行するものの、売り一巡後は自律反発狙いの動きもありそうだ。
昨日の日経平均株価は、ギャップダウンから始まったものの、その後は下落幅を縮めており、日中の高値で終えていた。節目の39000円を割り込んだとしても、前日の安値水準で下げ渋る動きとなれば、自律反発狙いの動きが意識されやすい。米国では利下げ開始時期が後ずれするとの見方が強まり、米長期金利が上昇、為替市場では1ドル=154円台の円安に振れるなか、日米金利差を狙った資金流入への思惑から底堅さが意識されやすいだろう。
地政学リスクへの警戒から内需系にシフトしやすいほか、円安の流れから輸出関連には資金が向かいやすく、全体としてはバリュー株にシフトしやすいと考えられ、相対的にTOPIX型優位の展開が見込まれよう。その他は、決算を手掛かりとした個別対応の流れに向かいやすく、昨夕に発表したところでは、Y’s<2798>、TKP<3479>、東京産<8070>、スマートドライブ<5137>、串カツ田中<3547>、エーアイ<4388>、カナデン<8081>、いちご<2337>、住石HD<1514>、リテールP<8167>辺りが注目される。
《AK》