話題株ピックアップ【夕刊】(1):住石HD、ヨシムラHD、ニデック

注目
2024年4月16日 15時10分

■住石ホールディングス <1514>  1,412円  +300 円 (+27.0%) ストップ高   本日終値

住石ホールディングス<1514>がストップ高。15日の取引終了後、集計中の24年3月期連結業績について、売上高が196億円から225億円(前の期比43.6%減)へ、営業利益が58億円から80億円(同2.1倍)へ、純利益が57億円から75億円(同2.0倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これを好感した買いが流入した。主力事業部門の石炭販売取引に関して、上期同様エネルギー需要の緩みにより石炭市況の軟化が見られたものの、石炭販売量が堅調に推移し、また豪州ワンボ炭鉱からの配当金が予想を上回ったことが要因としている。同時に、従来20円としていた期末一括配当予想を60円にすると発表した。配当性向40%を目安に安定的な配当を継続して行うことを基本とする配当方針に変更したことが要因としており、これも好材料視されたようだ。

■ヨシムラHD <2884>  1,402円  +170 円 (+13.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は15日取引終了後、24年2月期通期の連結決算を発表。営業利益は前の期比3.6倍の24億2900万円となり、従来予想の15億7400万円から上振れたことが好感されたようだ。売上高は同42.5%増の497億8100万円で、従来予想の466億7900万円を上回って着地。M&Aでグループ化した企業が貢献したことに加え、国内企業の価格改定、継続的な生産効率化を実施したことが主な押し上げ要因だとしている。また、あわせて公表した25年2月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比16.9%増の582億1500万円、営業利益が同12.9%増の27億4400万円となっている。

■フルマルHD <7128>  2,213円  +181 円 (+8.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

フルサト・マルカホールディングス<7128>は急反発。15日の取引終了後、24年12月期の配当予想を中間10円・期末50円50銭の年60円50銭から、中間30円・期末45円の年75円に増額修正した。29年12月期を最終年度とする次期中期経営計画の期間内にDOE(株主資本配当率)3.5%以上を目指し、継続的に増配を行うことへ配当方針を変更したことが要因としている。

■東宝 <9602>  5,339円  +368 円 (+7.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

東宝<9602>が急伸し、年初来高値を更新した。同社が24日の取引終了後に発表した24年2月期の連結決算は、営業収入が前の期比16.0%増の2833億4700万円、最終利益が同35.5%増の452億8300万円となった。従来の計画(営業収入で2700億円、最終利益で360億円)を大幅に上回って着地した。25年2月期の営業収入は前期比1.2%減の2800億円、最終利益は同13.9%減の390億円を計画するものの、従来の前期計画に対して売上高と最終利益は増加する見込み。前期の期末配当を従来の予想から25円増額して65円(前期の年間配当は85円)としたうえで、今期の年間配当は70円を予定する。更に、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT─3)により取得総数400万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.29%)を上限とする自社株買いを実施すると開示。前期の業績の上振れと今期の業績・配当水準、資本効率の向上に向けた取り組みを評価した買いが集まったようだ。前期は映画「ゴジラ-1.0」や「名探偵コナン 黒鉄の魚影」のヒットが業績を押し上げ、過去最高益を更新した。映画事業全体では、今期の営業収入は前期比7.4%減の1785億円を計画。一方、不動産事業全体では同14.3%増の790億円を見込む。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、東宝は16日、352万4100株について1株4971円で買い付けを実施した。

■ニデック <6594>  6,787円  +436 円 (+6.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

ニデック<6594>が急騰し、年初来高値を更新。15日の取引終了後、サーバー用水冷モジュールを生産するタイの拠点において生産ラインを増強すると発表した。米国のAIサーバーメーカーであるスーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>への採用を受け、同社と共同開発した製品をタイのアユタヤ工場で生産する予定。今後の業績押し上げ効果を期待した買いが集まった。CDU(クーラント・ディストリビューション・ユニット)の生産ラインを増強し、現在の月産200台から今年6月までに同2000台に拡大する。これまで演算用サーバーは空冷方式が主流だったが、AIサーバーは従来よりも高い熱を発することから、冷却能力の高い水冷方式が今後は必須になるという。ニデックは将来的には月産3000台以上に拡大することを視野に入れる。

■アークス <9948>  3,275円  +180 円 (+5.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

アークス<9948>が反発し、年初来高値を更新した。15日の取引終了後に発表した24年2月期の連結決算は、売上高が前の期比4.5%増の5915億5700万円、経常利益が同12.1%増の184億3900万円だった。これまでの計画を上回って着地し、経常利益は減益計画から一転して増益で着地した。今期の売上高は前期比3.6%増の6130億円、経常利益は同2.0%増の188億円を計画するほか、前期の期末配当を2円増額したうえで、今期の年間配当予想は前期と同水準の68円としており、これらをポジティブ視した買いが入ったようだ。北海道を中心に食品スーパーを展開する同社は今期、26店舗の改装を実施する予定。新規出店は現在1店舗を計画するが、費用対効果を見極めながら機会をとらえて更に検討を進めるとしている。

■カナデン <8081>  1,561円  +69 円 (+4.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位

カナデン<8081>が大幅反発。15日の取引終了後、集計中の24年3月期連結業績について、純利益が32億円から34億8000万円(前の期比20.2%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。23年12月に実施したM&Aの効果に加えて、FAシステムにおける部材不足の改善や製造業における設備投資が順調に推移したこと、更に円安による為替影響などが寄与した。また最終利益の上振れに伴い、期末配当予想も24円から29円へ引き上げられた。年間配当予想は53円(前の期39円)となる。

■いちご <2337>  436円  +12 円 (+2.8%)  本日終値

いちご<2337>が反発。15日取引終了後に25年2月期連結業績予想を発表し、純利益を前期比15.6%増の140億円と前期に続き増益となる見通しを示した。配当予想も前期比1円増の10円としており、これらが好感され買われた。同時に発表した24年2月期決算は、売上高が前の期比21.5%増の827億4700万円、純利益が同28.7%増の121億800万円だった。宿泊需要の継続的な力強い回復により、ホテル売り上げが好調だった。あわせて自社株消却を発表。4月30日付で6000万株(発行済み株数の11.87%)を消却する。

■MonotaRO <3064>  2,011円  +47.5 円 (+2.4%)  本日終値

MonotaRO<3064>が反発。SMBC日興証券が15日付で、投資評価「1」を継続し、目標株価を1800円から2200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。単体月次売上高(前年同月比)は1月13.6%増、2月14.6%増、3月6.6%増で、前年水準低下の恩恵があるとはいえ増収率はボトムアウトし、会社計画超過の可能性が出てきたと評価。期末需要の可能性もあるが、製造業、設備投資需要などの回復といった外部環境の追い風の気配が出てきたのかもしれないと指摘している。また、従来は物流費値上げの継続の可能性などから粗利率低下を想定も、注文単価上昇で相殺可能と想定し直したことで、営業利益予想を24年12月期351億円から370億円へ、25年12月期410億円から450億円へ増額修正している。

■コニカミノルタ <4902>  547円  +9.5 円 (+1.8%)  本日終値

コニカミノルタ<4902>が全体下落相場のなか逆行高。同社は15日、富士フイルムホールディングス<4901>傘下の富士フイルムビジネスイノベーションとの間で、複合機・オフィス向けプリンター・プロダクションプリンター事業での業務提携に向けた協議を開始する基本合意書を締結したと発表した。原材料や部材調達の連携を図るための合弁会社設立やトナーの開発・生産などに関して協議するという。これが買い手掛かりとなっている。

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