後場に注目すべき3つのポイント~売られすぎ感が意識されて切り返す展開に

市況
2024年4月18日 12時35分

18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は4日ぶりに反発、売られすぎ感が意識されて切り返す展開に

・ドル・円はやや軟調、円安けん制で下押し

・値上り寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位はファーストリテ<9983>

■日経平均は4日ぶりに反発、売られすぎ感が意識されて切り返す展開に

日経平均は4日ぶりに反発。前日比129.07円高(+0.34%)の38090.87円(出来高概算7億6000万株)で前場の取引を終えている。

17日の米国市場は下落。ダウ平均は45.66ドル安(-0.12%)の37753.31ドル、ナスダックは181.88ポイント安(-1.15%)の15683.37、S&P500は29.20ポイント安(-0.58%)の5022.21で取引を終了した。金利の低下に連れて買われ、寄り付き後、上昇。その後、半導体メーカーのエヌビディアをはじめハイテクの売りに押され、相場は下落に転じた。ナスダックは終盤にかけて下げ幅を拡大。相場の重しとなり、ダウもプラス圏を維持できず下落で終了した。

米国株下落を受けて、東京市場は引き続き売り優勢で取引を開始した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅安となったことから、値がさ半導体株が売られ、日経平均は37644.91円まで下げ幅を拡大する場面がみられた。ただ、売り一巡後は、25日移動平均線との下方乖離率が5%近くまで広がったことなどから「短期的な売られすぎ感」が意識されて下げ幅を縮小。アドバンテスト<6857>、スクリーンHD<7735>など半導体株の一部が切り返したことから、日経平均も切り返し38000円台を回復する展開となった。

日経平均採用銘柄では、住信SBIネット銀行<7163>が短期プライムレートを引き上げたことが刺激材料となり、コンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>、千葉銀行<8331>、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>など地銀株の上昇が目立つ。また、米ユナイテッド航空が急騰したことでJAL<9201>も買われた。このほか、住友ファーマ<4506>、資生堂<4911>、クレディセゾン<8253>が上昇。

一方、前期営業利益下方修正や今期予想の市場予想下振れなどが影響して富士フイルム<4901>が売られたほか、ソフトバンクグループ<9984>、レゾナック・ホールディングス<4004>、東京エレクトロン<8035>が売られた。このほか、伊藤忠<8001>、豊田通商<8015>など商社株が小安い。

セクター別では、保険業、空運業、繊維製品、非鉄金属、銀行業、証券・商品先物取引業などが上昇した一方、鉱業、情報・通信業の2セクターのみ下落した。

為替市場では、ドルが153円台を付けるなどやや円高ドル安が進行している。朝方、鈴木財務大臣が「日米韓の財務相会合にて、為替について意見交換し、日米での意思疎通を確認した」と発言したほか、神田財務官が、「G7(主要国首脳会議)の間で為替に関するコミットメントを確認」とコメントした後に円高ドル安が進んだ。主要国への根回しを行ったことで、政府・日銀による円買い介入への警戒が高まったと考える。円買い介入実施に伴う為替の乱高下懸念が後退したことは日本株へのポジティブ材料となろう。後場の日経平均は堅調推移を想定する。

■ドル・円はやや軟調、円安けん制で下押し

18日午前の東京市場でドル・円はやや軟調地合いとなり、154円41銭から153円95銭まで値を下げた。日米韓の共同声明や日本の円安けん制を受け円売りは縮小し、ドルを下押し。ただ、米10年債利回りは底堅く推移し、ドルは下値の堅さも意識される。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は153円95銭から154円41銭、ユーロ・円は164円36銭から164円73銭、ユーロ・ドルは1.0664ドルから1.0678ドル。

■後場のチェック銘柄

・MITホールディングス<4016>の、1銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上り寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位はファーストリテ<9983>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・豪・3月失業率:3.8%(予想:3.9%、2月:3.7%)

・豪・3月雇用者数増減:-0.66万人(予想:+1.00万人、2月:+11.76万人←+11.65万人)

【要人発言】

・神田財務官

「為替の具体的な水準についてはコメントしない」

「G7声明、日本の主張を踏まえて為替のコミットメントを再確認」

「過度な変動や無秩序な動きは経済金融に悪影響」

・野口日銀審議委員

「賃金から物価への波及は不十分。基調的な物価上昇率もまだ2%に達していない」

「緩和的な政策を通じ労働需給の適切なバランスを保ち続けることが必須」

<国内>

特になし

<海外>

特になし

《CS》

提供:フィスコ

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