後場に注目すべき3つのポイント~半導体関連が下落し前日の上昇分がはく落
8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅反落、半導体関連が下落し前日の上昇分がはく落
・ドル・円はしっかり、155円台に浮上
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は大幅反落、半導体関連が下落し前日の上昇分がはく落
日経平均は大幅反落。前日比531.71円安(-1.37%)の38303.39円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。
7日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は31.99ドル高(+0.08%)の38884.26ドル、ナスダックは16.70ポイント安(-0.10%)の16332.55、S&P500は6.96ポイント高(+0.13%)の5187.70で取引を終了した。利下げ期待を受けた買いが続き、寄り付き後、小幅上昇。長期金利の低下や企業決算への期待で堅調に推移していたが、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がインフレ抑制において政策金利が十分に景気抑制的でない可能性に言及し、利上げも除外しない姿勢を示したため利上げへの懸念が再燃し、終盤にかけて失速。ハイテクは下落に転じまちまちで終了した。
米国株は高安まちまちだったが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が前日比0.74%下落したことが嫌気されて、東京株式市場は売り優勢で取引を開始。東京エレクトロン<8035>が前日比プラスからマイナス圏に突入したほか、アドバンテスト<6857>、信越化<4063>が寄付きから下げ幅を広げたことで、日経平均もじりじりと下げ幅を広げる展開となった。
日経平均採用銘柄では、今期ガイダンスが市場コンセンサスを下振れたことでリコー<7752>が売り優勢となったほか、日本電気<6701>、野村<8604>、第一生命ホールディングス<8750>、三菱重<7011>がさえない。また、大型買収計画に伴う財務懸念が引き続きネガティブ視されてソニーグループ<6758>が年初来安値を更新した。
一方、前期営業利益が大幅に上振れた横河電<6841>が上場来高値を更新したほか、アナ雪の新エリア6月開業が引き続き材料視されてオリエンタルランド<4661>もしっかり。このほか、ソシオネクスト<6526>、住友ファーマ<4506>、アルプスアルパイン<6770>が買われた。
全業種が下落するなか、その他製品、保険業、電気機器、証券・商品先物取引業、海運業の下げが目立った。
為替は1ドル155円20銭台で推移している。3日の米雇用統計発表直後の151円台からじりじりと反発。政府・日本銀行による円買い介入観測は引き続き残るなか、あっさりと155円台を回復した。取引量が多い東京市場での介入は資金を多く使うため、日中は介入実施しないといった思惑も影響しているもよう。後場は為替を睨みつつ、決算発表銘柄に注目が集まる。12時台には、日本郵船<9101>、13時台には、三菱重、三菱ロジスネクスト<7105>、システムサポート<4396>、AGC<5201>、アイホン<6718>、リンテック<7966>、伊藤忠<8001>、日伝<9902>、トヨタ自<7203>、14時台は、タキロンシーアイ<4215>、ホーチキ<6745>、芙蓉リース<8424>などが予定されている。
■ドル・円はしっかり、155円台に浮上
8日午前の東京市場でドル・円はしっかりの値動きとなり、154円59銭から155円26銭まで上値を伸ばした。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は年内に引き締め的な現行の政策を維持するべきとの見解を示し、米10年債利回りの上昇でドル高に振れた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は154円59銭から155円26銭、ユーロ・円は166円30銭から166円74銭、ユーロ・ドルは1.0738ドルから1.0755ドル。
■後場のチェック銘柄
・インソース<6200>、河西工業<7256>など、4銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・米・3月消費者信用残高:+62.74億ドル(予想:+150.00億ドル、2月:+150.19億ドル←+141.25億ドル)
【要人発言】
・鈴木財務相
「米国の動意がどうのこうのもコメントできない」
「為替、日米金利差のみで決まるべきではない」
・植田日銀総裁
「これまでのところ基調的な物価上昇率に影響はなかったが、今後影響のリスク」
「金融政策運営は物価安定が目標」
「日銀財務への配慮から必要な遂行が妨げられることはない」
<国内>
・特になし
<海外>
・15:00 独・3月鉱工業生産(前月比予想:-0.7%、2月:+2.1%)
《CS》