富田隆弥の【CHART CLUB】 「アヤ戻し局面が続く日本株」
◆世界の株式市場は4月の調整から出直り歩調にあるが、米国株が3月高値に接近し、欧州株が最高値を更新するのに対して、日本株の勢いはいま一つだ。大型連休明けの5月7日に日経平均株価は3万8863円の高値を付けたが、その後8日、9日と続落して、日足チャートは25日移動平均線(9日時点3万8623円)と75日線(同3万8417円)を抜けずにいる。
◆日本株が冴えない要因としては、当局の介入で乱高下した為替相場に対する懸念や、25年3月期の業績見通しを減益とする主力株が目立つこと、10日のオプションSQ(特別清算指数算出日)を控えた需給要因などが考えられるが、理由はともあれチャートは4月に「陰転」した後の「アヤ戻し」の状況にある。
◆チャートが好転の兆しを見せるには、少なくとも25日、75日の両移動平均線を上抜き、4月12日に付けた戻り高値3万9774円を突破することが必須であり、それを確認するまで楽観は控えねばならない。ただし、日経平均株価が「4万円」に乗せるなら、世界同時株高の仲間入りで上昇に弾みが期待される日本株も「GO」サイン点灯となる。
◆堅調な米国株だが、NYダウが3月高値の3万9889ドルを抜けずにもたつくようだと、チャートからは「ダブルトップ」示現の懸念が台頭してくる。米国では15日に発表が予定される消費者物価指数(CPI)と小売売上高が目先のポイントになる。「セルインメイ(5月に株は売れ)」の格言がある5月相場だけに、米国株の動向にも注視しておきたい。
(5月9日 記、次回更新は5月18日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
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