富田隆弥の【CHART CLUB】 「アヤ戻し局面が続く日本株」

市況
2024年5月11日 10時00分

◆世界の株式市場は4月の調整から出直り歩調にあるが、米国株が3月高値に接近し、欧州株が最高値を更新するのに対して、日本株の勢いはいま一つだ。大型連休明けの5月7日に日経平均株価は3万8863円の高値を付けたが、その後8日、9日と続落して、日足チャートは25日移動平均線(9日時点3万8623円)と75日線(同3万8417円)を抜けずにいる。

◆日本株が冴えない要因としては、当局の介入で乱高下した為替相場に対する懸念や、25年3月期の業績見通しを減益とする主力株が目立つこと、10日のオプションSQ(特別清算指数算出日)を控えた需給要因などが考えられるが、理由はともあれチャートは4月に「陰転」した後の「アヤ戻し」の状況にある。

◆チャートが好転の兆しを見せるには、少なくとも25日、75日の両移動平均線を上抜き、4月12日に付けた戻り高値3万9774円を突破することが必須であり、それを確認するまで楽観は控えねばならない。ただし、日経平均株価が「4万円」に乗せるなら、世界同時株高の仲間入りで上昇に弾みが期待される日本株も「GO」サイン点灯となる。

◆堅調な米国株だが、NYダウが3月高値の3万9889ドルを抜けずにもたつくようだと、チャートからは「ダブルトップ」示現の懸念が台頭してくる。米国では15日に発表が予定される消費者物価指数(CPI)と小売売上高が目先のポイントになる。「セルインメイ(5月に株は売れ)」の格言がある5月相場だけに、米国株の動向にも注視しておきたい。

(5月9日 記、次回更新は5月18日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

→→(※)著名人になりすまして投資などを呼びかける詐欺的広告・投稿が現在インターネット上で広がっております。本サイトの執筆者の名前・肖像を無断で利用した事例も報告されていますが、本サイトの執筆者は一切関わりがございませんので、これら広告・投稿を目にした場合、十分にご注意ください(編集部)

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.