話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、千代建、アドテスト
■三菱UFJ <8306> 1,553.5円 +1.5 円 (+0.1%) 本日終値
全体相場が軟調な地合いとなるなか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>がプラス圏で推移するなど、銀行株の一角が底堅く推移。日銀の早期利上げ観測がくすぶるなかで、新発10年債利回り(長期金利)は上昇基調が続き、22日の朝方に0.985%に上昇するなど、1%のフシ目に接近している。この日は財務省が40年債入札を実施する予定だが、入札結果に対しては一定の警戒感が広がっているもよう。低調な結果となった場合に、超長期債の売り圧力が波及する形で長期債価格の下落(長期金利の上昇)につながるシナリオが意識されている。国内金利の上昇基調そのものは、銀行株に対しては運用環境の好転を見込んだ投資家による買いを誘う要因となっているようだ。地銀株ではふくおかフィナンシャルグループ<8354>やちゅうぎんフィナンシャルグループ<5832>、コンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>が高い。
■千代田化工建設 <6366> 306円 -42 円 (-12.1%) 本日終値
千代田化工建設<6366>は大幅安で年初来安値を更新。この日朝方、米テキサス州のLNGプロジェクトを共同遂行している米Zachry Industrialが米連邦破産法11条を申し立て法的再建手続きに入ることになったと発表した。Zachry社はプロジェクトから今後離脱する可能性があるという。これを受け、先行き不透明感から売られた。同プロジェクトはテキサス州にあるLNG基地に、年産1560万トンのLNG液化設備の設計・調達・建設工事と試運転を行うもの。千代建の米国子会社、Zachry社、米CB&I社が2019年にジョイントベンチャーを組成し、業務を遂行してきた。プロジェクト全体の進捗率はきょう現在で約75%としている。
■アドバンテスト <6857> 5,555円 -45 円 (-0.8%) 本日終値
アドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>が軟調推移。21日の米株式市場でナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新し、エヌビディア<NVDA>も上昇したが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は下落した。日本時間23日未明にエヌビディアの決算発表を控えていることから、日本の半導体関連株に対しては全般にポジション調整目的の売り圧力が加わっているようだ。ソシオネクスト<6526>やKOKUSAI ELECTRIC<6525>なども冴えない展開となっている。
■マツモト <7901> 2,012円 +400 円 (+24.8%) ストップ高 本日終値
マツモト<7901>が急伸。午前9時45分ごろ、公式X(旧ツイッター)で同人誌印刷への再参入の検討を進めていると発表しており、好材料視されたようだ。同社は18年まで約10年間にわたり同人誌印刷を手掛けていたが、市況の変化などにより撤退していた。公式Xによると、デジタル印刷・ホログラム技術などを活用した24年現在の新しい形での再参入を検討しているという。
■ランシステム <3326> 497円 +80 円 (+19.2%) ストップ高 本日終値
ランシステム<3326>が続急伸。同社は21日、いつでもどこでも安定的なモバイルデータ通信を実現するRun-マルチキャリアコネクト「RMC100」の販売を開始したと発表しており、好材料視されたようだ。「RMC100」は、データ通信プラットフォーム技術「Cloud SIMテクノロジー」を採用したモバイルデータ通信機器ソリューションで、クラウド上に構築されたSIMバンク(複数の通信キャリアのSIMカードを搭載したサーバー)から、利用場所に応じて最適なSIM情報を取得することで、国や地域、通信キャリアに縛られないデータ通信を実現するという。既にアクティオ(東京都中央区)のオフグリッドオフィスカーソリューションに採用されており、5月22~24日に開催される「CSPI-EXPO」アクティオブースに展示される予定としている。
■YE DIGITAL <2354> 756円 +100 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
YE DIGITAL<2354>がストップ高。21日取引終了後に豊田自動織機<6201>との業務提携を発表しており、これを好感した買いが膨らんだ。倉庫自動化システムを提供するYEデジタルとマテリアルハンドリング(マテハン)機器を提供する豊田織が強固な関係を構築し、物流業界の更なるデジタルトランスフォーメーション(DX)化を目指す。会社側では今後も新会社設立など、より一層の関係強化に向けた方策を進める可能性について豊田織と協議していくという。
■コマースワン <4496> 788円 +42 円 (+5.6%) 本日終値
コマースOneホールディングス<4496>が後場動意。この日正午ごろ、LINEヤフー<4689>が提供するマーケティングソリューションの導入や支援など各領域に特化したパートナーを認定する「LINEヤフー Partner Program」で、コマースワングループのフューチャーショップが2024年度の「Technology Partner」におけるコミュニケーション部門「Advanced」の認定を取得したと発表。これが材料視されたようだ。
■アイデミー <5577> 1,788円 +95 円 (+5.6%) 本日終値
アイデミー<5577>が急反発。21日、米エヌビディア<NVDA>のAIスタートアップ支援プログラム「NVIDIA Inception Program」のパートナー企業に認定されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。アイデミーは今後、同プログラムを活用することで、生成AI関連コンテンツの制作や、生成AIを活用した新規プロダクトの開発など、生成AI領域に更に注力していくとしている。
■ERIホールディングス <6083> 2,364円 +115 円 (+5.1%) 本日終値
ERIホールディングス<6083>が大幅高で5日ぶりに反発。21日の取引終了後、北海道・東北を地盤とする水文・水資源の総合コンサルタント会社である福田水文センター(札幌市北区)の全株式を取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。取得価額は22億8800万円で、6月5日に取得する。北海道における5社目の建設コンサルタント会社のM&Aになる。また、大阪を拠点とする建設コンサルタント会社である国土工営コンサルタンツ(大阪市東淀川区)と、全株式を取得し子会社化することで基本合意したとあわせて発表しており、これも好材料視されたようだ。
株探ニュース