話題株ピックアップ【夕刊】(2):日触媒、INPEX、ディスコ
■日本触媒 <4114> 1,606.5円 +17.5 円 (+1.1%) 本日終値
日本触媒<4114>が続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「植物などバイオマスを使った紙おむつ原料の生産をインドネシアで始めた」と報じられており、好材料視された。高吸水性樹脂(SAP)には従来、石油系の粗原料を使っていたが、アジアでも環境意識が高まっていることから、脱炭素につながる素材として日用品メーカーに売り込むという。なお、植物由来のSAPを手掛けるのはベルギー、日本に次いで3カ所目としている。
■INPEX <1605> 2,433.5円 +19 円 (+0.8%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が高い。28日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前週末比2.11ドル高の1バレル=79.83ドルと上昇した。中東情勢の緊迫状態が続いており、原油相場は底堅く推移している。また、6月2日に開催が予定されている石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国から構成される「OPECプラス」の閣僚級会合では、現行の自主減産量が維持されるとの見方が強まっている。
■ディスコ <6146> 62,730円 +490 円 (+0.8%) 本日終値
ディスコ<6146>が3連騰で上場来高値更新。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が最高値圏を快走したほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値を更新するなど半導体セクターに追い風が強い。ただ、東京市場では半導体主力株には跛行色がみられ、買い一巡後に軟化する銘柄も目立つ状況にある。そのなか、ディスコは他社と一線を画し上値追い態勢に陰りがみられない。AI用半導体でGPUとともに需要が急増しているHBM(広帯域メモリー)が注目されているが、HBMはTSVといわれるシリコンウエハーを貫通させてその内側に電極を作製する技術が使われており、市場では「ディスコはこの工程における付加価値の高い精密加工装置(切断装置や研削・研磨装置)で圧倒的シェアを有することが、実需筋の買い攻勢の根拠となっている」(中堅証券アナリスト)と指摘されている。
■ヤマハ <7951> 3,450円 +25 円 (+0.7%) 本日終値
ヤマハ<7951>が続伸。28日の取引終了後、自社株630万株(発行済み株数の3.36%)を6月3日付で消却すると発表しており、好材料視された。消却後の発行済み株数は1億8100万株となる。
■パイオラックス <5988> 2,211円 +12 円 (+0.6%) 本日終値
パイオラックス<5988>がしっかり。同社は29日午後1時、配当政策の変更について発表した。これまで26年3月期まで連結配当性向100%を目標に配当を実施する方針を示していたが、期間を1年延長し27年3月期までとする。株主還元姿勢を好感した買いが入ったようだ。目標としていたROE(自己資本利益率)と現状のROEの水準にいまだ乖離があると判断した。
■三菱UFJ <8306> 1,637円 +9 円 (+0.6%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が年初来高値を更新。ここ、国内でも長期金利の上昇傾向が強まっており、運用環境改善に向けた思惑が再燃している。外国為替市場では円の独歩安が続いており、足もと対ドルでは1ドル=157円台前半と4週間ぶりの円安水準にある。日銀の金融政策正常化が急がれるなか、今後は国内の10年債利回りも日銀の追加利上げの動きを先取りする形で強含みに推移することが見込まれる。きょうは午後取引時間中に日銀の安達審議委員の熊本県金融経済懇談会での記者会見が予定されており、これも長期金利の動向や金融株の値動きに影響を与える可能性があり、同社の株価動向にも注目度が高まっている。
■帝人 <3401> 1,519円 -89 円 (-5.5%) 本日終値
帝人<3401>が大幅反落。SMBC日興証券が28日付で投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を1850円から1600円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では従来、同社の構造改革やアラミドの成長に期待をして、投資評価を「1」としていたが、前者については想定より時間を要しており、仮に実行されたとしても、経営陣への評価が大きく変わる可能性は低下したと指摘。アラミドについては、価格下落により、同証券の従来想定に対して25年3月期の利益率が大幅に悪化する見通しとしている。
■三菱電機 <6503> 2,698.5円 -128.5 円 (-4.6%) 本日終値
三菱電機<6503>が大幅安。午前11時ごろに発表した経営戦略に関する開示資料で、2025年度(26年3月期)に向けた中期経営計画の財務目標を下方修正した。営業利益率を10%から8%超(23年度実績は6.2%)へ、ROEを10%から9%(同8.2%)へ見直しており、これが売り材料視されたようだ。FAや空調の事業環境が足もとで大幅に悪化しており、24年度以降は回復基調も短期的には中期計画の想定水準には及ばないという。売上高目標については5兆円超とする従来想定を据え置いた。
■小林製薬 <4967> 5,401円 -232 円 (-4.1%) 本日終値
小林製薬<4967>が冴えない。同社の機能性表示食品による健康被害問題に関し、厚生労働省が28日、原因究明調査の途中経過を公表し、プベルル酸が動物実験で腎臓組織に毒性があることが確認されたほか、紅麹配合サプリメントからプベルル酸以外の2種の化合物が検出されたことを明らかにしたと伝わっている。同日に小林製薬は「のどぬ~るスプレー」やカイロ製品の値上げの実施を発表しているが、紅麹問題の動向を懸念した売りが優勢となったようだ。
■三菱重工業 <7011> 1,308円 -49 円 (-3.6%) 本日終値
三菱重工業<7011>が続落、1300円台で収れんする5日・25日移動平均線を下抜ける格好となった。同社は28日、27年3月期を最終年度とする新たな3カ年の中期経営計画を発表した。27年3月期に本業のもうけを示す事業利益で4500億円以上を目標に掲げ、これは前期実績比で6割以上の伸びとなる。高効率の発電プラント(GTCC)のほか、原子力、防衛の3事業に力を注ぎ成長を目指す方針。ただ、中期計画の最終年度まで今期を含め3期あり、利益成長率としてはサプライズ感が乏しいという見方もある。同社は防衛省との取引額で群を抜いており、防衛関連の中核銘柄として株式市場の期待も強いだけにハードルも高く、目先持ち高調整の売りが優勢となったようだ。
株探ニュース