話題株ピックアップ【昼刊】:クオリプス、北越コーポ、シグマクシス

注目
2024年5月30日 11時37分

■クオリプス <4894>  5,800円  +580 円 (+11.1%)  11:30現在

クオリプス<4894>がカイ気配スタートで続騰、全般悪地合いの間隙を縫って強烈な上昇波動を形成している。iPS細胞由来の心筋細胞シートの開発を手掛ける大阪大学発のバイオベンチャーで、ここにわかに注目度を高めている。29日取引終了後、大阪大学が進めるヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを用いた拡張型心疾患の医師主導治験に心筋細胞シートを提供したことを発表、これを手掛かり材料に投資資金の攻勢が続いている。同社株は週明け27日と翌28日に連続ストップ高を演じ、前日も5700円台まで駆け上がった後に軟化したものの820円高と大幅に株価水準を切り上げていた。きょうも会社側のリリースを受けて朝方から大口の買い注文が流れ込む格好となっている。

■北越コーポレーション <3865>  1,232円  +115 円 (+10.3%)  11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

北越コーポレーション<3865>が急騰している。30日、定時株主総会の招集通知を開示した。会社側の提案による議題のほか、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメント側から社長の解任などを求める株主提案による議題が含まれている。同社は22日、オアシス・マネジメント側からの5件の株主提案に対し、反対する意見を表明しているが、今回の招集通知の開示を受けて、アクティビストからの圧力により企業価値が向上するとの思惑が改めて広がったようだ。北越コーポに対しては大王海運(愛媛県四国中央市)も2件の株主提案を実施しており、北越コーポは同様に反対すると公表している。

■シグマクシス <6088>  1,409円  +67 円 (+5.0%)  11:30現在  東証プライム 上昇率5位

シグマクシス・ホールディングス<6088>は売り物を吸収して切り返し鮮明、全般下落相場のなかで強さを際立たせている。同社は戦略立案から開発、実行まで一気通貫で対応するコンサルティングビジネスを展開。特に強みとする人工知能(AI)を活用した高付加価値案件で顧客ニーズに対応し、収益に反映させている。29日取引終了後、25年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の50億5000万円から52億5000万円(前期比24%増)に増額した。受注が順調に積み上がる一方、人事面の体制変更に伴う販管費減少などのコスト低減効果が反映される見通し。また、年間配当も従来計画の32円から34円に2円増額した。株価が底値圏にあったことで、増額修正を評価する買いを助長する格好となった。

■コクヨ <7984>  2,655円  +46.5 円 (+1.8%)  11:30現在

コクヨ<7984>は3日ぶりに反発した。日本経済新聞電子版が30日、「コクヨは2030年をめどに、中国を柱とする海外オフィス事業の売上高を現状の2倍以上となる600億円に増やす方針を明らかにした」と報じた。これを手掛かり視した買いが株価を支援したようだ。報道によると、22年に買収した香港子会社のオフィス家具などを組み合わせ顧客に紹介。中国オフィス事業を売り上げ増のけん引役とするとしている。

■北洋銀行 <8524>  551円  +4 円 (+0.7%)  11:30現在

北洋銀行<8524>や西日本フィナンシャルホールディングス<7189>など地銀株の一角が上昇している。前日の欧米市場では、ドイツのインフレ加速や米国で国債入札が低調な結果となったことを受けて、債券利回りに上昇圧力が掛かり、米長期金利は4.6%台まで上昇した。日本国内では日銀の早期利上げ観測がくすぶった状況にあり、長期金利は30日午前に1.1%台に突入した。金利上昇による事業環境の更なる好転を見込んだ買いが地銀株に流入しているようだ。京葉銀行<8544>や富山第一銀行<7184>が堅調に推移。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクは朝安後に下げ渋る動きとなっている。

■キリンホールディングス <2503>  2,152.5円  +10 円 (+0.5%)  11:30現在

キリンホールディングス<2503>が底堅い。29日の取引終了後、傘下のキリンビバレッジが一部商品で価格改定を実施すると発表した。10月1日納品分より、ペットボトル容器・ボトル缶の一部商品について値上げを行う。収益面での好影響を見込んだ買いが株価を下支えしたようだ。メーカー消費税抜き希望小売価格を6~25%引き上げる方針。原材料や容器包材価格、エネルギーや物流といった関連費用の高騰を受け、価格改定に踏み切る。

■タマホーム <1419>  3,955円  -565 円 (-12.5%)  11:30現在  東証プライム 下落率トップ

タマホーム<1419>など5月期決算銘柄に安いものが目立つ。きょう30日は5月期末の配当と株主優待の権利落ち日にあたることから、処分売りの動きが優勢となっているようだ。日本国土開発<1887>、ビーウィズ<9216>、Shinwa Wise Holdings<2437>、ファーストコーポレーション<1430>なども下落している。

■千代田化工建設 <6366>  285円  -11 円 (-3.7%)  11:30現在

千代田化工建設<6366>が続落し、年初来安値を更新した。29日の取引終了後、6月28日に開催する定時株主総会に向けて、連結計算書類や事業報告の提供ができないとして、継続会を後日開催する方針を決めたと発表した。液化天然ガス(LNG)プロジェクトを共同で遂行する米国企業が、米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請しており、この影響で決算関連手続きが完了していないためという。全体相場が軟調な地合いのなかで、今回の発表を嫌気した売りが加わり、千代建の株価に下押し圧力が強まったようだ。

■日経レバ <1570>  27,065円  -800 円 (-2.9%)  11:30現在

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>がマドを開けて急落、1300円を超える下げで25日移動平均線を下放れる格好となった。前日の欧米株市場が全面安となり、リスクオフの流れが東京市場にも及んでいる。前日は中国を除き、世界的な金利上昇局面となったことで、これを嫌気する動きが顕在化した。米国債券市場では10年債利回りが4.6%台に乗せたが、国内でも新発10年債利回りの上昇基調が止まらず、足もとで遂に1.10%台まで水準を切り上げてきた。株式の相対的割高感が意識されやすくなっており、リスク回避の売りを誘発している。また、きょうは北朝鮮が弾道ミサイル十数発を日本海に向け一斉に発射したとの報道で、地政学リスクも重荷となった。そうしたなか、日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで価格変動率が日経平均の2倍に設定されている日経レバは、短期筋の売買が活発化するなかフシ目の2万7000円台を大きく割り込んだ。株式需給面では、ここ信用買い残の整理が進んでいたが、信用倍率は2.8倍と依然として大幅に買い長の状態であり、含み損を抱えている個人投資家の見切り売りを誘っている。

■東京エレクトロン <8035>  34,600円  -780 円 (-2.2%)  11:30現在

東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連株が安い。前日の米国株市場では景気敏感株中心に広範囲に売りが広がり、NYダウが400ドル超の下げを強いられた。そのなか、エヌビディア<NVDA>は全体相場に抗して上昇したものの、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反落となった。日米ともに長期金利の上昇が警戒されており、半導体セクターには向かい風が強い。外国為替市場では1ドル=157円台後半まで円安が進んでいるが、足もとでこれを好感する動きは限定的となっている。

■日産自動車 <7201>  551.2円  -3.1 円 (-0.6%)  11:30現在

日産自動車<7201>が軟調。同社が29日に米国で発売したタカタ製エアバッグを搭載した乗用車約8万4000台の所有者に対し、運転を中止するよう呼びかけたことが足もと複数のメディアで報じられている。これを受け先行き不透明感が高まったようだ。

■阿波製紙 <3896>  564円  +80 円 (+16.5%) ストップ高   11:30現在

阿波製紙<3896>がカイ気配スタート。同社は29日の取引終了後、中期経営計画を公表した。26年3月期に売上高を213億円(25年3月期見通しは176億円)、営業利益を7億円(同2億7000万円)に伸ばす目標を掲げた。今期の見通しに比べて来期は収益が大きく拡大する見通しを示したとあって、好感されたようだ。自動車関連資材や一般産業用資材の売り上げの堅調な伸びを見込むほか、水処理関連資材の事業拡大も図る。

■サイジニア <6031>  1,052円  +34 円 (+3.3%)  11:30現在

サイジニア<6031>は3日続伸。29日取引終了後、8月31日を基準日として1対2の株式分割を実施すると発表。あわせて配当予想の増額修正を明らかにしており、これを好感した買いが入っている。24年6月期の年間配当額を4円50銭から5円(1月1日付株式分割考慮後で前期2円50銭)に引き上げた。

■第一屋製パン <2215>  600円  +17 円 (+2.9%)  11:30現在

第一屋製パン<2215>が反発している。29日の取引終了後、24年12月期の連結業績予想について、最終利益を2億7000万円から16億円(前期比3.4倍)へ上方修正したことが好感されている。千葉県松戸市の賃貸用不動産を譲渡するのに伴い、固定資産売却益約13億6500万円を特別利益として計上することなどが要因としている。なお、売上高277億9000万円(同5.1%増)、営業利益5億7000万円(同4.7%減)は従来見通しを据え置いている。

■デュアルタップ <3469>  1,291円  +34 円 (+2.7%)  11:30現在

デュアルタップ<3469>が反発している。29日の取引終了後、中古住宅のリノベーション再販事業を開始すると発表しており、好材料視されている。中古住宅をリノベーションし、品質・デザイン面において付加価値を高め販売する。まず東京都渋谷区の共同住宅(区分一部)を販売用不動産として購入を決定しており、25年6月期に売り上げ計上を見込むとした。なお、24年6月期業績への影響は軽微としている。

●ストップ高銘柄

阿波製紙 <3896>  564円  +80 円 (+16.5%) ストップ高   11:30現在

以上、1銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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