「不動産」が16位、日米の長期金利上昇一服で買い戻し<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「不動産」が16位にランクインしている。
国内外で長期金利の上昇傾向が強まるなか、東京市場では銀行や生保など金融株が買われる一方で不動産株は逆風環境にあった。政府・日銀はコストプッシュインフレを助長する円安の流れを止めることに腐心しているが、為替介入のような小手先の動きでは限界があり、日銀の大規模金融政策の方向転換の動きが株式市場でも意識されている。マイナス金利解除に続いて継続的な追加利上げの動きが表面化すると景気全般を冷やす可能性があり、株式市場でも警戒されている。
とりわけ高水準の有利子負債を抱える不動産セクターは金利が上昇することで返済負担が増幅されるほか、資金調達コストの上昇もキャッシュフローに悪影響を与える。国内では新発10年債利回りが5月下旬に1%台に乗せ、5月30日には1.100%まで上昇しており、これが金利高でデメリットを被る不動産セクターに売り材料としてのしかかった。
このシナリオのもとで不動産株を空売りしていた向きもあるが、ただ直近はやや流れに変化が出ているようだ。国内の新発10年物国債は足もとで1.040%まで低下した。国内では、ここ24カ月連続で実質賃金の低下が続いている状況にあり、日銀が追加利上げに動いても緩和的な政策を急転換する可能性は低いというコンセンサスが生まれている。日銀の追加利上げは早くて7月の金融政策決定会合、その後も景気を冷やす拙速な利上げは行われないとの見方が強い。そうしたなか、長期金利が上昇一服となり、不動産株にも目先買い戻しなどで浮揚力が働いているもようだ。
きょうは全体相場が軟調ななか、三井不動産<8801>が底堅く、住友不動産<8830>も頑強な値動きをみせているほか、京阪神ビルディング<8818>、ゴールドクレスト<8871>、トーセイ<8923>などが上値を慕う展開となっている。