日銀会合通過後はアク抜けの動き強まる【クロージング】
14日の日経平均は3日ぶりに反発。94.09円高の38814.56円(出来高概算は21億5000万株)で取引を終えた。朝方は日銀の金融政策決定会合の結果判明を控えて買い見送りムードが強まり、日経平均は続落スタート。前場中盤にかけては38554.75円まで水準を切り下げた。その後は方向感の定まらない展開が続いた。午後0時20分過ぎに発表された日銀会合の結果を受け、円相場が1ドル=158円台へと円安が進んだほか、株式先物にも買い戻しの動きが強まり、日経平均は後場中盤に向けて39025.70円まで上昇した。ただ、その後は午後3時半から予定されている植田和男日銀総裁の記者会見の内容を見定めたいとの見方も多く、再び模様眺めムードが強まり上げ幅を縮めた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数1400を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、医薬品、銀行、保険、輸送用機器の4業種を除く29業種が上昇。海運、石油石炭、卸売、不動産、建設などの上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、TDK<6762>、ディスコ<6146>、ニデック<6594>、ネクソン<3659>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、第一三共<4568>、KDDI<9433>、信越化<4063>、レーザーテック<6920>が軟調だった。
日銀の金融政策決定会合では、政策金利を「0~0.1%」に据え置き、長期国債の買入れを減額していく方針を決めた。そのうえで、次回の会合で、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決めるという。ただ、国債の買入れ減額の規模が明確に示されなかったため、急速な金融引き締めへの警戒感も和らぐ格好となった、日経平均は後場に入り上げ幅を広げ、上昇幅は一時300円を超えた。一方、個別では日銀会合後に国内長期債利回りが低下したことなどから、メガバンクなど金融株に値を消す銘柄が目立った。
日経平均は3日ぶりに反発したが、日銀会合に大きなサプライズはなかったとはいえ、日銀会合の結果後に円相場が1ドル=158円台へと円安が進んでいるため、円相場の先安観の再燃を防ぐことも目的として、植田総裁がタカ派的な発言をして投資家をけん制するのではないかとの見方が広がっている。また、日米の中銀イベントを消化したことで、今後は景況感に着目した動きとなってくるだろうと考える向きが多く、来週も38500~39000円のレンジ内の動きとどまる可能性が高そうだ。
《CS》