話題株ピックアップ【夕刊】(1):ティーガイア、東邦HD、エレメンツ
■ティーガイア <3738> 2,865円 +500 円 (+21.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
ティーガイア<3738>がストップ高。24日の取引終了後、荷物預かり場所のシェアリングサービスを展開するecbo(東京都渋谷区)との資本・業務提携を発表した。協業による事業への好影響を期待した買いが集まったようだ。スマートフォンにより駅構内やカフェなど、荷物を預けることが可能な施設を検索し、事前予約で確実に預けることができるecboのサービス「ecbo cloak」で協業する。携帯電話などの販売代理店を展開するティーガイアはecboのサービス向けにスペースを提供。インバウンド需要が拡大するなか、不足する手荷物預け先の増加につなげ、社会の課題解決につなげる。
■東邦ホールディングス <8129> 4,169円 +419 円 (+11.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
東邦ホールディングス<8129>が大幅高で続伸。シンガポールの投資会社3Dインベストメント・パートナーズが24日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、東邦HD株の保有割合が5.06%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入った。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。報告義務発生日は6月17日。
■ELEMENTS <5246> 1,350円 +122 円 (+9.9%) 本日終値
ELEMENTS<5246>が反発。この日、グループ会社Liquidが8月からオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」において、WebブラウザからマイナンバーカードのICチップで本人確認ができるようにすると発表した。iPhoneの機能である「App Clip」への対応により、iPhoneユーザーはアプリをインストールしなくても、Webブラウザ上でICチップの読み取りができるという。これが好感された。
■チェンジHD <3962> 1,228円 +84 円 (+7.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
チェンジホールディングス<3962>が大幅高。総務省がふるさと納税制度を巡り、利用者に対してポイントを付与する仲介サイトを通じて自治体が寄付を募ることを来年10月から禁止する方針だと、この日昼ごろ複数のメディアが報じた。ふるさと納税仲介サイト「ふるさとチョイス」を運営するチェンジHDは、ポイント還元合戦などの制度趣旨の逸脱を大きくする競争には極力加わらない立場を示している。今回の総務省のポイント禁止方針が大きな逆風にはならないとの見方から、同社株に思惑的な買いが入ったようだ。一方、競合サイトの「ふるなび」を手掛けるアイモバイル<6535>は下落している。
■あすか薬HD <4886> 2,656円 +149 円 (+5.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
あすか製薬ホールディングス<4886>が大幅高で5日続伸。24日の取引終了後、LF111(一般名「ドロスピレノン」)について、避妊を適応症とした製造販売承認の申請を行ったと発表しており、好材料視された。同剤は、避妊を希望する日本人女性を対象とした国内第3相臨床試験において、主要評価項目である全般パール指数(100人の女性がその避妊法を1年間(13周期)用いた時の妊娠数)を達成し、有効性を確認。この結果を踏まえて承認申請を行ったという。なお、同剤に関しては20年1月にスペインのインスッド・ファーマ社から日本及び韓国における独占的開発販売権の許諾を受けている。
■MS&AD <8725> 3,366円 +176 円 (+5.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>が大幅高で6連騰。SOMPOホールディングス<8630>と東京海上ホールディングス<8766>を含め損保株の上げが目立つ。損害保険料率算出機構が24日、自動車保険料の算出の目安となる参考純率について、平均5.7%引き上げる方針を決めたと国内メディア各社が報じている。損保各社は2026年以降の保険料に反映する見通しで、引き上げは3年連続となる。報道を受け、損保株には収益面での好影響を見込んだ買いが入ったようだ。
■トヨタ自動車 <7203> 3,296円 +146 円 (+4.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>の戻り足に弾みがついている。前日に続く上昇で上値抵抗ラインとして意識されていた25日移動平均線との下方カイ離を解消、ここから一段の戻りを実現できるかどうか正念場にある。認証不正問題などで海外機関投資家などのリスク回避目的の売りを浴びたが、貸株市場を通じた空売りも観測、その買い戻しが入っているもよう。配当金再投資の買いが時価総額の大きい銘柄を中心に流入しているとの観測があるほか、市場では「月末で米ハイテク株買い・日本株売りのロングショートのアンワインドが入っている」(ネット証券アナリスト)との指摘があり、きょうはTOPIX主導の戻りとなるなか、時価総額で国内断トツの同社株にもその影響が反映されているとみられる。
■ミダックHD <6564> 1,538円 +53 円 (+3.6%) 本日終値
ミダックホールディングス<6564>が反発。同社は24日取引終了後、管理型最終処分場(遠州クリーンセンター)の埋め立て容量の増量計画について、浜松市から産業廃棄物処理施設変更許可証を受領したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。同社グループにおける最終処分場の受託量は順調に拡大しており、埋め立て容量を増量することで今後見込まれる旺盛な埋め立て需要に対応するとともに、同事業の競争力及び中長期の収益基盤の更なる強化につなげるとしている。
■三井住友FG <8316> 10,350円 +320 円 (+3.2%) 本日終値
三井住友フィナンシャルグループ<8316>が続伸、25日移動平均線を巡る攻防が続いていたが、足もとで同移動平均線を足場に上放れる兆しを示している。FRBによる早期利下げ期待を背景に米10年債利回りは4%台前半で弱含みに推移し、ひと頃の金利上昇ムードは沈静化した。しかし、国内では日銀の金融政策正常化に向けた思惑から新発10年債利回りが再び水準を切り上げ、足もとで0.990%と1%台乗せが目前に迫っている。同社株のほか三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>やみずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンク各社にとっては、国内債券市場で運用環境の改善が見込めるとの見方が買いを誘導している。
■INPEX <1605> 2,388円 +72 円 (+3.1%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が高い。24日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前週末比0.90ドル高の1バレル=81.63ドルと上昇した。イスラエルがレバノンのイスラム教シーア派勢力ヒズボラとの本格交戦に向けて動き出したと伝わり、中東情勢に対する警戒感が高まった。イスラエルは、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの激しい戦闘は近く収束させ、ヒズボラとの戦闘に軍の部隊を振り向ける可能性が出ている。イスラエルを巡る新たな展開は、中東の地政学リスクを高めさせ原油価格の上昇要因となるとみられている。
株探ニュース