GPIF、23年度末の国内株式運用資産は61兆円に拡大、新規に「52社」取得(全2253社保有)
世界最大級の年金基金とされる、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月5日に2023年度の資産運用状況を発表した。運用収益は45兆4153億円のプラスと前年度の2兆9536億円のプラスから大きく膨らみ過去最大となった。プラスは4年連続。世界的な株高と円安進行による外貨建て資産の円ベースの評価額上昇が奏功し、運用資産全体の収益率は22.67%となり、運用資産は245兆9815億円と前年の200兆1328億円から大きく伸びた。その資産構成(オルタナティブ資産を含むベース)は国内株式が61兆5532億円、国内債券が68兆1714億円、外国株式が62兆8989億円、外国債券が60兆3721億円となっている。
資産別の運用収益では国内株式が19兆3928億円のプラス、外国株式が19兆2952億円のプラス、外国債券が7兆8694億円のプラスだった。一方で国内金利が上昇(債券価格は下落)したことが響いた国内債券の収益は1兆1421億円のマイナスだった。
国内株式では、上場企業の株式を直接保有する運用資産が61兆0690億円(24年3月末時点)に達し、日本全体の株式時価総額1007兆円(同)に対して約6.1%を占める、日本市場における最大の株主でもある。また、保有銘柄も2253社にのぼる。保有時価総額ベースではトップは昨年に続きトヨタ自動車 <7203> [東証P]、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]と昨年4位から順位を上げ、3位には昨年2位のソニーグループ <6758> [東証P]に入った。持株比率ベースではトップがすかいらーくホールディングス <3197> [東証P]、2位はテクノプロ・ホールディングス <6028> [東証P]、3位は東洋紡 <3101> [東証P]となっている。
前年度からの変化を見ると、保有銘柄数は2312から2253に59銘柄減っている。新規に霞ヶ関キャピタル <3498> [東証P]、リケンNPR <6209> [東証P]、フルヤ金属 <7826> [東証P]など52銘柄を取得した一方、111銘柄を売却しポートフォリオから外している。また、持株比率が3%以上増えた銘柄はケアネット <2150> [東証P]、ANYCOLOR <5032> [東証P]の2銘柄だった一方、3%以上減った銘柄はイー・ガーディアン <6050> [東証P]、イリソ電子工業 <6908> [東証P]、アトラエ <6194> [東証P]など40銘柄だった。
なお、GPIFは保有株を信託銀行などに信託しているため、有価証券報告書の「大株主の状況」には登場しない。
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