【杉村富生の短期相場観測】 ─地球規模の運用時代(新資本主義)が到来!

市況
2024年7月7日 9時15分

「地球規模の運用時代(新資本主義)が到来!」

●お金に働いてもらう、との感覚が必要!

世界的な株高である。[[stock/0000/chart|日経平均株価]、TOPIX(34年半ぶり)が史上最高値を更新、ナスダック指数S&P500指数が新値を追っている。欧州はフランス、イギリスなど政局不安を抱えているが、意外にしぶとい。やはり、地球規模での運用時代(お金に働いてもらう、との感覚)到来の流れがあろう。

日本の株式市場は3月中旬以降、3カ月間調整した。弱気の声が高まったのは確かである。しかし、筆者は「長期上昇トレンドは不変」と主張、「何らの懸念も無用」と唱えてきた。新東西冷戦構造、新産業革命、新資本主義の出現が日本を救うとともに、株式市場を活性化する。すでに、そうなっているではないか。

経営者の意識は変わった。増配、自社株買い、M&Aラッシュが好例だろう。日経平均株価の1株利益は予想ベースが2358円、実績ベースが2330円となっている。1.2%増益にとどまる。ただ、期初予想が慎重なのはいつものパターンだ。それに、想定為替レートの平均1ドル=144円にみられるように、大幅な円高を前提にしている。

実際は1ドル=161円台、1ユーロ=174円台の超円安だ。ちなみに、ソシオネクスト <6526> [東証P]、JUKI <6440> [東証P]、コーセー <4922> [東証P]の想定為替レートは130円、ファナック <6954> [東証P]、レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、明海グループ <9115> [東証S]は135円である。

現状では「あり得ない」為替水準だ。これらの企業は4-6月期の決算発表時に、前提条件の修正を余儀なくされるだろう。マーケットコンセンサスによると、今期の日経平均株価の1株利益は2516円(8%増益)となる。直近のPERが一定(17.35倍)だと、日経平均株価の短期的な上値のメドは4万3650円絡みに切り上がる。

●PBR1倍割れの主軸株を狙う!

“数字遊び”と非難されそうだが、PBR(現在は1.55倍)について、触れておこう。現状の日経平均株価のROE(実績ベース)は8.2%だ。PBRの妥当値は「ROE×PER」の計算式によって算出される。これだと、PBRの妥当値は1.42倍になってしまう。現在の水準は割高? いや、そうじゃない、と思う。

最近の月間1兆円ペースの自社株買い、2025年3月期の配当金総額18兆円(4割の企業が増配に進む)、海外M&A年間8兆~9兆円などを考えると、ROEは将来10%前後に高まるだろう。その場合、PBRの妥当値は1.73倍程度に高まる。これに1株純資産(2万6395円)を掛け合わせると、4万5660円になる。

まあ、いずれにせよ、ここは引き続いて強気で対処すべき、ということ。さて、物色面はどうか。まず、PBR1倍割れの日本郵船 <9101> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]、ローム <6963> [東証P]、野村ホールディングス <8604> [東証P]、東京ガス <9531> [東証P]は狙える。

元気な主軸株では川崎重工業 <7012> [東証P]、ステラ ケミファ <4109> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、INPEX <1605> [東証P]、TDK <6762> [東証P]、第一三共 <4568> [東証P]、ENEOSホールディングス <5020> [東証P]などに妙味があろう。

個別銘柄では大上放れの三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]、エヌビディア<NVDA>日本法人のパートナー企業のブレインパッド <3655> [東証P]、出直り態勢の巴川コーポレーション <3878> [東証S]、人員大量採用、M&Aなど積極経営を展開中のマテリアルグループ <156A> [東証G]に注目できる。

2024年7月5日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.