富田隆弥の【CHART CLUB】 「陰転信号、相場も夏休みへ」
陰転信号、相場も夏休みへ
◆13日に米国で起きたトランプ前大統領の銃撃事件には驚かされたが、その後、トランプ氏の「ドル高・円安」に対する苦言や、バイデン政権による「半導体の対中規制強化の検討」などが伝わり、マーケットは慌ただしく動いた。
◆為替市場は、11日の政府・日銀の介入とみられるドル売り・円買いで、ドル・円が一時1ドル=157円台に振れたが、トランプ氏の苦言が伝わると18日に一時155円台まで円高方向に振れた。ドル・円の日足チャートは161円台でダブルトップを形成し、25日移動平均線や13週線を割り込んでおり、「円高」方向への基調転換を示唆する。
◆そして、日経平均株価は12日の1033円安に続き、18日は971円安の4万0126円と急落した。3連休明けの16日は「トランプ・ラリー」で防衛関連や建機、金融株などが買われたが、18日は指数寄与度の高い半導体関連やハイテク株を中心に主力銘柄が下げ、相場全体に売り圧力がかかってしまった。
◆11日に4万2426円まで史上最高値を伸ばしていた日経平均株価だが、テクニカル指標には過熱信号が多く灯り、週足の変化日(一目均衡表など)も重なり、チャートは注意信号を発していた。そして、今回18日時点で4万円近くまで急落し、「調整入り」の様相を強めている。
◆週足の13週線と26週線が3万9000円前後に位置し、同水準が当面の下値メドとして意識されるが、過熱していたテクニカル指標(RCI、RSIなど)が調整を進めるにはもう少し時間を要する。
◆夏休みシーズンを迎え、パリ五輪(7月26日-8月11日)も始まる。ならば、今回もアノマリー(経験則)通りに、「8月のお盆」あたりまで調整基調が続くことが想定される。過熱した相場が調整するのは決して悪いことではない。ただ、2020年から過剰流動性相場を4年以上も続けているだけに、ここは少し慎重に様子を見たいところでもある。
(7月18日 記、次回更新は7月27日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース