富田隆弥の【CHART CLUB】 「陰転信号、相場も夏休みへ」

市況
2024年7月20日 10時00分

陰転信号、相場も夏休みへ

◆13日に米国で起きたトランプ前大統領の銃撃事件には驚かされたが、その後、トランプ氏の「ドル高・円安」に対する苦言や、バイデン政権による「半導体の対中規制強化の検討」などが伝わり、マーケットは慌ただしく動いた。

◆為替市場は、11日の政府・日銀の介入とみられるドル売り・円買いで、ドル・円が一時1ドル=157円台に振れたが、トランプ氏の苦言が伝わると18日に一時155円台まで円高方向に振れた。ドル・円の日足チャートは161円台でダブルトップを形成し、25日移動平均線や13週線を割り込んでおり、「円高」方向への基調転換を示唆する。

◆そして、日経平均株価は12日の1033円安に続き、18日は971円安の4万0126円と急落した。3連休明けの16日は「トランプ・ラリー」で防衛関連建機、金融株などが買われたが、18日は指数寄与度の高い半導体関連やハイテク株を中心に主力銘柄が下げ、相場全体に売り圧力がかかってしまった。

◆11日に4万2426円まで史上最高値を伸ばしていた日経平均株価だが、テクニカル指標には過熱信号が多く灯り、週足の変化日(一目均衡表など)も重なり、チャートは注意信号を発していた。そして、今回18日時点で4万円近くまで急落し、「調整入り」の様相を強めている。

◆週足の13週線と26週線が3万9000円前後に位置し、同水準が当面の下値メドとして意識されるが、過熱していたテクニカル指標(RCI、RSIなど)が調整を進めるにはもう少し時間を要する。

◆夏休みシーズンを迎え、パリ五輪(7月26日-8月11日)も始まる。ならば、今回もアノマリー(経験則)通りに、「8月のお盆」あたりまで調整基調が続くことが想定される。過熱した相場が調整するのは決して悪いことではない。ただ、2020年から過剰流動性相場を4年以上も続けているだけに、ここは少し慎重に様子を見たいところでもある。

(7月18日 記、次回更新は7月27日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.