【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 盛夏に勢い増す観光需要、熱気帯びる"夏休み関連"を狙う!

市況
2024年7月21日 9時30分

「盛夏に勢い増す観光需要、熱気帯びる“夏休み関連”を狙う!」

●トランプ・カム・バックよりも優先したいテーマ

トランプ前大統領とは一体何者なのか。大統領時代もよく分からなかったが、大統領へのカムバックを目指しているいまも正直よく分からない。

分かること。豪腕の政治家であり、有能な事業家であること。それにもう一つ付け加えるなら、類い希なるパフォーマーということになる。この3拍子が揃った人物は滅多に現れないため、トランプ氏の大統領時代には、彼に関して書かれた書籍を買い集めては読みふけったものだ。結局、「こんな人物」という答えは得られぬまま、書籍のすべてを売り払ってしまった。だが、再登板となると、また買い直さねばならないかもしれない。

しかし、すでに世界の株式市場は、「もしトラ」から「ほぼトラ」に変わり、いまはもう「確トラ」へと進化している。そのため、投資対象もトランプ再選=トランプ・カム・バック銘柄を選びたい気持ちはあるものの、いまはそれよりも優先したいテーマがある。

7月20日から多くの学校が夏休み入りした。私事で恐縮ながら、当日は私の誕生日でもあった。いまは特に誕生日を迎えても嬉しくないが、子供時代は20日から夏休みに入るし、「海の記念日」も20日だったので、この日は気持ちが浮き立ったもので、いまでもなにかいいことがありそうな気になる。(ただ、その後、祝日として制定された「海の日」は、現行の制度では7月の第3月曜日となってしまい、ガッカリだ。)

そこで、何が言いたいかというと、夏休み関連株に投資しよう。こういうことになる。暑すぎて夏休みを楽しむどころではない。こんな声もあろうが、列島は遊びに出かける人や旅行者であふれることになる。今年の夏のボーナスは日本経済新聞の調査では、「全産業の平均支給額は前年比3.72%増の97万2319円と、3年連続で過去最高を更新した。なかでも人手不足に悩む中小企業の伸びは7.84%と大手含む平均の2倍超となった」(7月17日付日本経済新聞)という。それらの幾分かは遊びや旅行、それに伴う飲食、宿泊などに使われることになる。

しかも、19日に日本政府観光局(JNTO)が発表した1-6月の訪日外客数は過去最多の約1778万人だった。6月単月も過去最高の約314万人で、韓国、中国からの観光客が増加し、なかでも台湾や米国からの観光客は単月として過去最高となっている。海外からの旅行者増によるオーバーツーリズム問題は少々気になるものの、投資の観点からは観光客の増加は見逃すべきではない。幸い、東京市場はこれまでインバウンド関連株にほとんど興味を示さなかった。ごく一部の百貨店株を買った程度で、ホテル関連株などは無視が続いたし、オリエンタルランド <4661> [東証P]に至ってはまだ低迷を脱していない。

●逆行高を演じたエイチ・アイ・エスなどに期待

では、どんな銘柄が魅力的か。まずは寿スピリッツ <2222> [東証P]だ。これまで折りをみて取り上げてきた銘柄だが、4月半ばまで芳しい動きではなかった。しかし、この会社の収益力は素晴らしい。全国の主要観光地や百貨店、ターミナル駅などに店舗を持ち、地域限定のお菓子を販売している。海外観光客だけでなく、国内観光客も競うようにしてこの会社のお菓子を購入しており、当面勢いが続くと見てよい。株価は4月19日安値の1585円から緩やかに浮上中であり、急騰していないことも好ましい。

観光客たちは観光地だけでなく、都内主要ターミナル駅近くにある家電量販店にも集まり、ビックカメラ <3048> [東証P]はその恩恵をフルに受けている。家電やカメラばかりでなく、酒類の販売も好調。収益増が続くことから、株価も続伸が見込める。東京を訪れる観光客たちの多くが入国と帰国の際に利用する羽田空港に免税店を構え、同時に空港の家主でもある日本空港ビルデング <9706> [東証P]も、家賃、施設使用料に加え、物品販売料などが好調。当然、株価の押し上げ要因となるだろう。

鉄道では箱根に向かう際に使われる小田急電鉄 <9007> [東証P]が好みなのだが、やや値動きが重いので、手軽な山登りが魅力の高尾山に出かけるのに便利な京王電鉄 <9008> [東証P]にしたい。私が日常利用している東急 <9005> [東証P]は都内から横浜みなとみらいや中華街に行くのに便利で、最近は利用者が急増しており、株価も緩やかな浮上ならあり得る。

最後にエイチ・アイ・エス <9603> [東証P]を。コロナ禍により大打撃を受け、一時は経営危機説まで流れたものの、今期はなんとか赤字から抜け出せそうだ。ハウステンボスまで売却したほどなので、まだ正常運転にはほど遠いが、次第にかつての勢いを取り戻すのではないか。株価は7月9日に付けた直近安値の1503円から浮上に転じ、18日には1672円まで上昇した。決して華々しい上がり方ではないものの、東京市場が波乱状態に陥り、日経平均株価が971円安と急落した中での上昇は評価でき、今後の株高を予感させる。

2024年7月19日 記

株探ニュース

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