5日の米国市場ダイジェスト:NYダウは1033ドル安、景気後退懸念や世界株安で投資家心理が悪化
■NY株式:NYダウは1033ドル安、景気後退懸念や世界株安で投資家心理が悪化
米国株式市場は大幅続落。ダウ平均は1033.99ドル安の38,703.27ドル、ナスダックは576.08ポイント安の16,200.08で取引を終了した。
弱い7月雇用統計を受けた景気後退入り懸念に伴う売りが継続し、寄り付き後、下落。加えて世界株安で投資家心理が急速に悪化し、手仕舞い売りも加速したと見られ、終日、売りが先行した。ハイテクも売られ、戻り鈍く終盤にかけ再び売りが加速し、終了。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や半導体・同製造装置の売りが目立った。
シリアルなどの食品メーカー、ケラノバ(K)はチョコレートメーカーのマースによる同社買収観測に買われた。肉食品メーカーのタイソン・フーズ(TSN)は四半期決算で調整後の1株当たり利益が予想を上回ったほか、3四半期連続での鶏肉売り上げ見通し引き上げが好感され。上昇。半導体のエヌビディア(NVDA)は新人工知能(AI)チップの発表が遅れる可能性が報じられ、売られた。
また、携帯端末のアップル(AAPL)は著名投資家のバフェット氏が運営するバークシャー・ハサウェイ(BRK)が保有する同社株を一部売却したことが当局への報告で明らかになり、下落。検索のグーグルを運営するアルファベット(GOOG)はワシントン連邦地裁がグーグル検索や関連広告の市場において独占禁止法に違反したと判断したことが嫌気され、下落した。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数はパンデミック以来の高水準となる65.73まで上昇した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米景気後退入り懸念もISM非製造業景況指数は回復、リスクオフのドル売りは一段落
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は141円79銭まで下落後、144円90銭まで上昇し、144円07銭で引けた。世界株安を嫌気したリスク回避の円買いに拍車がかかったほか、米国の景気後退入り懸念を受けた緊急利下げ観測に伴いドル売りに拍車がかかった。その後、米7月ISM非製造業景況指数が予想以上に改善したため景気後退懸念が緩和、ドルが買い戻された。
ユーロ・ドルは1.1008ドルへ上昇後、1.0952ドルまで下落し、1.0956ドルで引けた。ユーロ・円は、155円69銭から158円76銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2796ドルから1.2744ドルまで下落した。ドル・スイスは0.8433フランまで下落後、0.8554フランまで上昇した。
■NY原油:弱含み、時間外取引で値を戻す
NYMEX原油9月限終値:72.94 ↓0.58
5日のNY原油先物9月限は続落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比-0.58ドルの72.94ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは71.67ドル-74.46ドル。アジア市場の序盤で74.46ドルまで買われたが、世界的な株安を受けて需要減少の思惑が強まり、ロンドン市場の序盤にかけて71.67ドルまで下落。ただ、中東情勢の悪化を警戒した買いも観測されており、米国市場で反転。通常取引終了後の時間外取引で73.81ドルまで戻している。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 36.65ドル -0.93ドル(-2.47%)
モルガン・スタンレー(MS) 92.07ドル -3.78ドル(-3.94%)
ゴールドマン・サックス(GS)459.02ドル -11.62ドル(-2.46%)
インテル(INTC) 20.11ドル -1.37ドル(-6.37%)
アップル(AAPL) 209.27ドル -10.59ドル(-4.81%)
アルファベット(GOOG) 160.64ドル -7.76ドル(-4.60%)
メタ(META) 475.73ドル -12.41ドル(-2.54%)
キャタピラー(CAT) 316.80ドル -4.07ドル(-1.26%)
アルコア(AA) 28.44ドル -1.03ドル(-3.49%)
ウォルマート(WMT) 67.59ドル -0.87ドル(-1.27%)
《ST》