来週の株式相場に向けて=「NYダウ」と「エヌビディア」は最高値に舞い上がるか
株式市場では、米国のビッグイベントに対する関心が高まっている。その一つが、22~24日に開かれている「ジャクソンホール会議」で、今晩パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が行う講演だ。「パウエル議長が9月以降の金融政策にどんな姿勢を示すか」(市場関係者)に関心は向かっており、特に米国はソフトランディングに向かうかが問われるなか、同議長の米国経済に対する現状認識が注目されている。
米株式市場ではソフトランディングに向けた期待が高まっており、足もとでNYダウは7月につけた最高値まであと400ドル強の水準に迫っている。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げは0.25%にとどまり、その後も利下げを続けるという観測が強まるなか、パウエル発言を機にNYダウは最高値を更新するかが関心を集めている。
そして、パウエル議長の講演と並び市場の関心を集めるのが、28日に予定されているエヌビディア<NVDA>の決算発表だ。生成AIに絡む半導体需要は強く、同社の株価も6月につけた最高値140ドルに接近している。同社株の場合「市場の予想をどれだけ上回ることができるか」(アナリスト)が焦点となるが、予想を上回る好決算となれば、最高値更新も期待できる。その場合、半導体株全体への見直し機運が高まる展開も予想される。
ただ、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など日本の 半導体関連株に関しては「今春のエヌビディア祭りの頃とは、為替の水準や方向性が異なっている」(同)点は見逃せない。このため、円高懸念との両にらみとなることも予想されるが、エヌビディアが好決算を発表すれば、半導体関連株の強い追い風となることは間違いない。「ジャクソンホール会議」と「エヌビディア」が好結果となれば、日経平均株価も一段の上値が期待される。
上記以外のイベントでは、海外では26日に米7月耐久財受注、27日に米消費者信頼感指数が発表される。また30日の米7月個人所得・支出(PCEデフレーター)も高い関心を集めそうだ。
国内では30日に8月東京都区部消費者物価指数(CPI)、7月失業率・有効求人倍率、7月鉱工業生産が発表される。27日にダイドーグループホールディングス<2590>、28日にイズミ<8273>、29日に東和フードサービス<3329>、30日にピープル<7865>、ACCESS<4813>、トリケミカル研究所<4369>が決算発表を行う。来週の日経平均株の予想レンジは、3万7900~3万8900円前後。(岡里英幸)