話題株ピックアップ【夕刊】(2):DIC、ジェイテクト、ソニーG
■DIC <4631> 3,121円 +85 円 (+2.8%) 本日終値
DIC<4631>は堅調推移。27日の取引終了後、同社が所有する千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館に関し、取締役会での協議内容と今後の対応についての中間報告を公表した。運営の効率化に向けて「ダウンサイズ&リロケーション」を具体的な選択肢として検討するとともに、美術館運営の中止の可能性も排除することなく、年内に今後の美術館運営について決定する。決定内容を実行するため来年1月下旬から同美術館について休館する予定という。同美術館はクロード・モネの「睡蓮」などを所蔵し、保有する全作品の資産価値は今年6月末時点で、簿価ベースで総額112億円に上る。株式市場においては、保有資産の有効活用にともなう収益面でのポジティブな効果に対する期待が膨らむ形となり、買いを誘う格好となったようだ。
■ジェイテクト <6473> 1,112.5円 +29.5 円 (+2.7%) 本日終値
ジェイテクト<6473>が大幅続伸。27日の取引時間中に発表された中期経営計画が引き続き好感されたようだ。27年3月期に売上収益を2兆円(25年3月期予想は1兆9300億円)に伸ばし、事業利益率を5~6%(24年3月期実績は3.9%)に高める目標を掲げた。既存事業の成長とともに、新規事業の育成に注力するほか、欧米での構造改革による効果も引き出し利益率改善につなげる。
■千代田化工建設 <6366> 307円 +7 円 (+2.3%) 本日終値
千代田化工建設<6366>が3日続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「衣料や自動車部品になる樹脂原料の製造工程で、二酸化炭素(CO2)を利用する方法を実用化する」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると、同社が富山大などと研究を進めてきたCO2を原料としたパラキシレン製造に関する技術を用いたもので、26年にも大規模実証設備の建設を始め、30年代に商用プラントの運用につなげるという。パラキシレンはテレフタル酸を経由してポリエステル繊維やペットボトル用樹脂などさまざまな樹脂原料となることから、ファッションや自動車業界の上流を含めた供給網全体でのCO2削減につながると期待されている。
■ソニーグループ <6758> 14,095円 +315 円 (+2.3%) 本日終値
ソニーグループ<6758>が続伸。27日、ゲーム子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメントが日本国内において「プレイステーション(PS)5」の価格を引き上げると発表した。9月2日から希望小売価格を7万9980円とする。値上げ幅は1万3000円。同社株には収益面でのポジティブな影響を見込んだ買いが集まったようだ。周辺機器も値上げの対象となる。部材価格などが上昇するなかで、コスト負担の増加分を製品価格に転嫁する。
■松井証券 <8628> 808円 +14 円 (+1.8%) 本日終値
松井証券<8628>がしっかり。27日の取引終了後、未定としていた25年3月期中間配当予想を前年同期比2円増の22円にすると発表しており、好材料視された。なお、期末配当予想は引き続き未定としている。
■神奈川中央交通 <9081> 3,365円 +55 円 (+1.7%) 本日終値
神奈川中央交通<9081>が反発。27日の取引終了後に、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、売上高を562億円から583億円(前年同期比2.5%増)へ、営業利益を29億9000万円から42億3000万円(同10.3%増)へ、純利益を26億9000万円から40億5000万円(同58.0%増)へ上方修正したことが好感された。旅客自動車事業の旅客需要や自動車販売事業における大型トラック・バスなどの新車販売台数が想定を上回ったことが牽引した。また、予定していた設備投資や修繕工事などの実施時期を見直したことも寄与した。
■ミズノ <8022> 9,810円 +50 円 (+0.5%) 本日終値
ミズノ<8022>が続伸。SMBC日興証券が27日、ミズノの目標株価を1万1000円から1万1500円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」から変更しない。25年3月期第1四半期(4~6月)は在庫の縮減や値引きの抑制が奏功し、想定以上に粗利率が改善したと指摘。在庫健全化による収益性改善は今後も期待できるとしたうえで、中期的に円高もポジティブ材料となるとの見方を示す。同証券はミズノの26年3月期の営業利益予想を従来の213億2700万円から222億9600万円に修正している。
■ASB機械 <6284> 4,980円 +15 円 (+0.3%) 本日終値
日精エー・エス・ビー機械<6284>が反発。27日の取引終了後、24年9月期の配当予想を期末一括120円から140円へ増額修正したことが好感された。配当方針を連結配当性向40%をメドとする方針に変更したことが理由としている。
■セブン&アイ <3382> 2,100円 -22 円 (-1.0%) 本日終値
セブン&アイ・ホールディングス<3382>が反落。米ブルームバーグ通信が27日夜、セブン&アイが政府に対し、外国為替及び外国貿易法(外為法)において最も規制が厳しい「コア業種」分類への格上げを申請したことが、関係者への取材で分かったと報じた。同社を巡ってはカナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたことが明らかとなっており、株価に上乗せされるプレミアムへの期待が膨らんだ状態にあった。政府への申請が認められれば買収のハードルが上がる可能性があると伝えており、報道をネガティブ視した売りが出たようだ。
株探ニュース