後場に注目すべき3つのポイント~米雇用統計への警戒強く一進一退
6日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は4日続落、米雇用統計への警戒強く一進一退
・ドル・円は下げ渋り、米金利を注視
・値下り寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位はダイキン<6367>
■日経平均は4日続落、米雇用統計への警戒強く一進一退
日経平均は4日続落。前日比89.04円安(-0.24%)の36568.05円(出来高概算8億2000万株)で前場の取引を終えている。
5日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は219.22ドル安(-0.54%)の40755.75ドル、ナスダックは43.36ポイント高(+0.25%)の17127.66、S&P500は16.66ポイント安(-0.30%)の5503.41で取引を終了した。民間の雇用統計となるADP雇用統計の8月分が想定外に弱く労働市場や景気の減速を懸念した売りに、寄り付き後、下落。その後、8月ISM非製造業景況指数が予想外に改善したため景気減速懸念が後退し、相場は下げ止まった。ただ、6日に発表予定の米雇用統計を警戒した手仕舞い売りにおされ、ダウは続落し、下げ幅を拡大。ナスダックは半導体メーカーのエヌビディアの反発が支え、小幅上昇し、まちまちで終了した。
米国株が高安まちまちだったものの、足元の下落に対する反発が先行し、東京株式市場は買い優勢で取引を開始した。年金と思われる買い観測は根強く、日経平均は36898.28円まで上昇したが、為替の円高進行などが重しとなり上げ幅を縮小。今晩の米雇用統計への警戒感も高いことから積極的な売買は手控えられて、前日終値水準でのもみ合いとなった。
日経平均採用銘柄では、証券会社のネガティブなレポートを受けてJFEホールディングス<5411>が売られたほか、三菱重<7011>、川崎重<7012>など防衛関連銘柄の一角も安い。このほか、日立<6501>、キーエンス<6861>、ダイキン<6367>、SMC<6273>、レーザーテック<6920>などが下落した。
一方、年初来安値を連日で更新していた資生堂<4911>がテクニカルリバウンドと見られる買いが入ったほか、明治ホールディングス<2269>、イオン<8267>、ニトリHD<9843>など円高メリット銘柄の一角が上昇。このほか、テルモ<4543>、清水建設<1803>、積水ハウス<1928>、花王<4452>、ファーストリテ<9983>などが買われた
業種別では、電気機器、機械、鉄鋼、非鉄金属、証券・商品先物取引業などが下落した一方、電気・ガス業、精密機器、倉庫・運輸関連業、建設業、小売業などが上昇。
後場の東京市場は、今晩の米雇用統計に対する警戒感が非常に強まっていることから様子見姿勢が強まり、日経平均は前日終値水準を挟んだもみ合いとなろう。為替が円高ドル安に振れやすくなっていることで、為替の円高進行に伴う日経平均一段安の可能性はあるが、比較的、東京時間の為替は小動き推移となるケースが続いているので、後場の日経平均一段安の可能性は低いと見る。
■ドル・円は下げ渋り、米金利を注視
6日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。早朝はドルの買戻しが先行し、一時143円48銭まで値を上げた。その後、日経平均株価は高寄り後に失速すると、円買いに下押しされ143円10銭まで下落。ただ、米10年債利回りは底堅く、ドル売りを弱めた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は143円10銭から143円48銭、ユーロ・円は159円01銭から159円40銭、ユーロ・ドルは1.1108ドルから1.1114ドル。
■後場のチェック銘柄
・カラダノート<4014>、マーキュリー<5025>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位はダイキン<6367>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・7月家計支出:前年比+0.1%(予想:+1.2%、6月:-1.4%)
【要人発言】
・クールズビー米シカゴ連銀総裁
「経済データは複数回の利下げを正当化」
「労働市場に関するさらなる警告サインがみられた」
・小泉進次郎元環境相
「(自民党総裁選への立候補にあたり)直ちに経済対策の検討を指示する」
「首相に選出されれば、できるだけ早期に衆院を解散」
<国内>
・14:00 7月景気動向指数・先行速報値(予想:109.4、6月:109.0)
<海外>
・15:00 独・7月鉱工業生産(前月比予想:-0.5%、6月:+1.4%)
・15:00 独・7月貿易収支(予想:+209億ユーロ、6月:+204億ユーロ)
《CS》