前週末6日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
■ユニポス <6550> 178円 (+50円、+39.1%) ストップ高
Unipos <6550> [東証G]がストップ高。同社は5日、事業承継前後の組織に特化したカルチャー変革サービス「カルチャー変革for跡継ぎ」の提供を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。このサービスでは、カルチャー変革を実現した企業との対話・見学の機会、カルチャー変革実行フェーズにおけるアプローチ、ITシステム、カルチャー変革を魅せるコンテンツ制作などを提供するとしている。
■パスコ <9232> 2,057円 (+400円、+24.1%) ストップ高
パスコ <9232> [東証S]がストップ高。5日の取引終了後、セコム <9735> [東証P]と伊藤忠商事 <8001> [東証P]から非公開化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格が1株2140円であることから、これにサヤ寄せする格好となった。TOB成立後の持ち株比率は、現在の親会社であるセコムが75%、パスコ株の取得・所有を目的に伊藤忠が設立したISフロンティアパートナーズが25%となる見通し。買い付け予定数は407万9186株(上限・下限設定なし)、買い付け期間は9月6日から10月22日まで。これを受け、東京証券取引所は5日付でパスコ株を監理銘柄(確認中)に指定した。
■坪田ラボ <4890> 502円 (+80円、+19.0%) ストップ高
坪田ラボ <4890> [東証G]がストップ高。同社は慶応大学発のバイオベンチャーで主に近視領域の医薬品や医療機器を研究開発している。5日取引終了後、中国眼科用医薬品メーカー大手のShenyang Xingqi Pharmaceuticalと特定地域における特定の特許の独占実施権を付与する特許ライセンス契約を締結することを決議したと発表、これを材料視する形で投資資金が集中した。契約金総額は26億800万円(8月30日時点の1ドル=144円89銭で換算)で、これは期初計画に織り込んでおり25年3月期の業績予想に与える影響については軽微としているが、今後の展開力も考慮した業容拡大効果に期待する買いを呼びこんだ。
■MRT <6034> 1,014円 (+150円、+17.4%) ストップ高
MRT <6034> [東証G]がストップ高。前日5日はドクイティ社(シンガポール)との資本・業務提携が評価されたのに続き、この日は5日取引終了後にグループ会社で医療スタートアップのメドリングが医療MaaS を活用したスマート在宅医療の実証実験をインドネシアで開始すると発表したことが好感されたようだ。MRT及びわかさクリニックグループなどの日系医療機関と連携し、トヨタ車体の海外関連会社PT.Sugity Creativesからインターネット通信を繋いで診療を行う移動診療車である医療MaaS車両の提供を受け、現地高齢者などをターゲットとした実証実験を実施する。なお、同事業は経済産業省「令和6年度ヘルスケア産業国際展開推進事業」に採択されているという。
■カラダノート <4014> 730円 (+97円、+15.3%) 一時ストップ高
カラダノート <4014> [東証G]が続急騰、一時ストップ高となった。同社は6日午前9時ごろ、メドレー <4480> [東証P]と潜在看護師・介護士の活躍促進に向けた協業を開始したと発表。この協業により、同社は自社のライフイベントデータの潜在有資格者に対し、就業機会を提案し再就職の働きかけといったマッチング支援を行うとしており、これが買い手掛かりとなったようだ。
■広済堂HD <7868> 492円 (+51円、+11.6%)
東証プライムの上昇率トップ。広済堂ホールディングス <7868> [東証P]が続急騰。5日取引終了後、24年3月期の有価証券報告書などの訂正報告書を提出する必要がある事項が識別されたと発表した。一部収益の計上処理を訂正するため。有価証券報告書の訂正報告書に対して監査証明を付すため、監査法人に監査を委嘱する。また、今回の訂正を受けて内部統制報告書の訂正報告書を提出し、内部統制の開示すべき重要な不備を識別する見込みのため、25年3月期第1四半期の決算短信に対するレビューも行うという。これら監査の完了に約1ヵ月前後かかる見通しで、完了次第、訂正報告書と今第1四半期決算短信を提出するとしている。同社は8月8日に予定していた第1四半期決算の発表を延期しており、今回見通しが示されたことで先行きへの過度な不安が和らいだようだ。
■ミライアル <4238> 1,380円 (+135円、+10.8%)
ミライアル <4238> [東証S]が3日ぶり急反騰。5日取引終了後、2-7月期連結業績予想について売上高を68億5000万円から70億6500万円(前年同期比7.2%減)へ、純利益を4億5000万円から6億円(同27.4%減)へ上方修正すると発表。これを好感した買いが集まった。半導体市場が緩やかに回復していくなかで、プラスチック成形事業の製品出荷が増加したことが寄与。関係会社の清算に伴う特別利益の計上も利益面で貢献した。
■ネットスタズ <5590> 1,442円 (+110円、+8.3%)
ネットスターズ <5590> [東証G]が続急伸。同社は6日、自社のマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」と、ジャックス <8584> [東証P]が提供する「ハウスPay」との連携を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。「ハウスPay」では、決済専用の加盟店向けアプリを提供しているが、今回の連携で加盟店はStarPayの店舗用アプリ・決済用端末を使った決済処理が可能になり、POSレジなどを利用している加盟店のシステム改修などの負担を低減することができるとしている。
■ラウンドワン <4680> 931円 (+51円、+5.8%)
東証プライムの上昇率5位。ラウンドワン <4680> [東証P]が続急伸。6日午前11時半に8月の月次売上高速報を開示した。国内の既存店売上高は前年同月比8.6%増となり、3ヵ月連続で前年同月を上回った。堅調な業況を好感した買いが入ったようだ。土日祝日数は前年同月と比較して1日多く、国内の既存店売上高は実質的に約6%増となったとしている。分野別ではボウリングやスポッチャ、カラオケなどの既存店売上高が伸びた。米国の既存店売上高は同9.6%増となり、2ヵ月ぶりに増収となった。
■エコム <6225> 1,051円 (+45円、+4.5%)
エコム <6225> [名証M]が3日ぶり大幅反発。同社は5日取引終了後、25年7月期通期の単独業績予想を公表。営業利益の見通しは前期比4.3%増の3億2500万円とし、期末一括配当計画を前期比2円増配の30円としていることが好感されたようだ。売上高は同7.4%増の26億5000万円を見込む。カーボンニュートラルに対応したオーダーメイド型製品や省エネ改造工事の提案強化、アライアンス効果を生かした販路拡大を継続し、業績の拡大に努めるとしている。また、25年7月期からはじまる5カ年の中期経営計画もあわせて発表。最終年度となる29年7月期の数値目標は売上高を35億2800万円、営業利益を5億3300万円に設定している。
■コックス <9876> 195円 (+8円、+4.3%)
コックス <9876> [東証S]が大幅続伸。5日の取引終了後に発表した8月度の既存店売上高は前年同月比12.4%増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好材料視された。連日の猛暑によって夏物商品の好調が継続したほか、お盆期間の曜日まわりが前年に比べて良かったこともプラスに働いた。なお、既存店の客数は同9.3%増、客単価は同2.8%増、全社売上高は同12.8%増だった。
■良品計画 <7453> 2,703.5円 (+85円、+3.3%)
良品計画 <7453> [東証P]が3日ぶり大幅反発。SMBC日興証券が5日付で同社の投資評価「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の3100円から3600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。レポートでは、国内月次は生活雑貨が極めて好調であるとしたうえで、婦人服や海外の弱さを相殺できると評価。また、同社の国内の平米あたり売り上げの低下と国内事業の営業利益率水準を踏まえると依然改善余地は大きいと考えている。
■エリアリンク <8914> 1,772円 (+55円、+3.2%)
エリアリンク <8914> [東証S]が大幅続伸。同社はトランクルーム「ハローストレージ」を運営する。5日の取引終了後に8月の月次実績を発表。ハローストレージの稼働状況において、既存稼働率は前月と横ばいの91.02%(前年同月は90.72%)となった。新規稼働率は前月の53.14%から上昇し、54.25%(前年同月は53.21%)となった。稼働状況は高水準を維持しているとの見方から、買い安心感が広がったようだ。
■大和自 <9082> 795円 (+23円、+3.0%) 一時ストップ高
大和自動車交通 <9082> [東証S]が大幅続伸、一時ストップ高となった。自民党の小泉進次郎元環境大臣が都内で記者会見を行い、党総裁選への出馬を表明したことがこの日複数のメディアで報じられた。同氏はライドシェア推進に前向きなことで知られており、今回の報道を受けて株式市場ではライドシェア関連に位置づけられる銘柄に思惑的な買いが広がった。大和自のほか、FIG <4392> [東証P]やアディッシュ <7093> [東証G]も一時急伸。ディー・エヌ・エー <2432> [東証P]も買いを集める場面があった。
■東電HD <9501> 678.9円 (+19円、+2.9%)
東京電力ホールディングス <9501> [東証P]が上伸。そのほか、北海道電力 <9509> [東証P]、九州電力 <9508> [東証P]など電力株の上げが目立ち、東証の業種別指数で「電気・ガス業」は上昇率トップとなった。日本経済新聞電子版が5日夜、「大手電力会社の2025年3月期の売上高設備投資比率が14年ぶりの高水準になる見通しだ」と報じた。原発の再稼働に向けた工事や再生可能エネルギー関連の投資が増えるという。報道を受けて、原発の再稼働に向けた収益押し上げ効果が意識され、買いを集める格好となったようだ。記事によると、大手電力7社の売上高設備投資比率の平均は16.6%となり、東日本大震災が発生した11年3月期以来の高水準となるという。
■シンメンテ <6086> 1,565円 (+39円、+2.6%)
シンメンテホールディングス <6086> [東証G]が3日ぶり反発。5日の取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の4.00%にあたる40万株または6億1040万円を上限に、6日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表しており、これを好感する買いが入ったようだ。なお、東証の自己株式立会外買付取引情報によると、6日付で38万株の取得を完了している。
■セリア <2782> 3,495円 (+75円、+2.2%)
セリア <2782> [東証S]が反発。6日の取引終了後、8月度の月次売上高を開示した。既存店売上高は前年同月比8.3%増と増収基調を継続した。業況を評価した買いが入ったようだ。既存店の客数は同5.9%増、客単価は同2.3%増となった。全社ベースの売上高は同11.3%増となった。
■エブレン <6599> 2,155円 (+46円、+2.2%)
エブレン <6599> [東証S]が5日ぶり反発。光通信 <9435> [東証P]のグループ会社が5日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、共同保有分を含むエブレン株の保有割合が5.03%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入った。保有目的は「純投資」としている。報告義務発生日は8月29日。
■ビックカメラ <3048> 1,693円 (+35円、+2.1%)
ビックカメラ <3048> [東証P]が3日ぶりに反発。そのほか、イオン <8267> [東証P]、DCMホールディングス <3050> [東証P]など小売株が総じて堅調に推移した。総務省が6日発表した7月の家計調査によると、消費支出(2人以上の世帯)は物価の変動を除く実質ベースで前年同月比0.1%増となった。前年同月を上回るのは3ヵ月ぶりとなる。消費活動の底堅さが意識され、小売関連株を物色する動きが広がったようだ。7月は住居の設備修繕・維持に関する消費や、テレビやパソコン、国内パック旅行などの消費で支出が伸びた。
■カドカワ <9468> 3,020円 (+57.5円、+1.9%)
KADOKAWA <9468> [東証P]が続伸。SBI証券が5日、カドカワの目標株価を3970円から4370円に増額修正した。投資判断は「買い」を継続する。サイバー攻撃の影響による損失で25年3月期の利益予想を下方修正したカドカワについて、フレッシュなIP(知的財産)ポートフォリオによるメディアミックスを通じた収益貢献を背景に、本業の収益は成長フェーズにあるとの見方は不変だとし、損失額が第1四半期時点で概ね確定したことは前向きに捉えることができるとの見解を示す。同証券はカドカワの26年3月期営業利益予想を237億円から244億8900万円に引き上げている。
■ABCマート <2670> 3,050円 (+51円、+1.7%)
エービーシー・マート <2670> [東証P]が4日続伸。SMBC日興証券は5日、ABCマートの目標株価を3200円から3300円に引き上げた。投資評価は「2」を継続する。客単価の上昇が継続し、月次売上高は好調に推移していると指摘。一方で、2022年秋から月次売上高の回復が始まったことを踏まえ、業績面で下期のハードルの高さが懸念されるとの見方も示す。株価についてはボックスレンジ内での推移を想定しつつ、プライベートブランド(PB)比率の再浮上と円高によるPBの粗利率の改善、海外での成長期待の醸成などが株価の上昇に求められるとみる。同証券は26年2月期のABCマートの営業利益予想について、これまでの613億円から635億円に見直した。
■JINSHD <3046> 5,180円 (+80円、+1.6%)
ジンズホールディングス <3046> [東証P]が3日ぶり反発。5日取引終了後、8月度の月次売上状況(速報)を発表。既存店売上高が前年同月比20.5%増と大幅に増加した。7月に続き全国的に気温の高い日が続いたため、紫外線や光によって色が変わる可視光調光レンズなどのオプションレンズやサングラスといった季節商品への需要が増えた。全店ベースでは同23.6%増だった。これが好感された。
※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース