鈴木英之氏【再び波乱含みの展開、どうなるFOMC後の風景】(2) <相場観特集>

特集
2024年9月17日 19時45分

―円高警戒ムード、0.5か0.25かFOMCに視線集中―

17日の東京株式市場は朝方こそ強弱観を対立させていたが、その後は為替市場での円高進行を警戒して主力株中心に売りが加速する地合いとなり、日経平均株価は下げ幅を広げる展開となった。一時3万6000円台を大きく割り込む水準まで売り込まれたが、大引け間際に急速に下げ渋った。今週は中銀ウィークであり、差し当たって18日(日本時間19日未明)の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に思惑が錯綜する状況となっている。ここからの東京市場の展望について、ベテラン市場関係者2人に意見を聞いた。

●「FOMC後に見直し機運も、電力設投株などに注目」

鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)

足もとの市場では、17~18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.25%なのか、あるいは0.5%となるのかに高い関心が集まっている。これまでは0.25%利下げ予想が多かったが、いまは0.5%が有力となっている様子だ。

この0.5%利下げ観測を背景に、為替相場は16日に一時1ドル=139円台まで円高が進んだ。3連休明け後の17日の日経平均株価は一時700円強の大幅な下落となったが、これにより株式市場も0.5%利下げを織り込みつつある様子だ。また19~20日には日銀金融政策決定会合が開催されるが、今回は現状維持だろう。市場では、植田和男日銀総裁の発言に注目している。

こうしたなか、今後、1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは3万5500~3万8000円前後を想定している。今後の相場は徐々に反発を見込んでいる。為替も1ドル=135~145円前後での値動きを予想している。

個別銘柄では、生成AIの普及に伴うデータセンター向けなどの電力需要の拡大を背景にSWCC <5805> [東証P]など電力設備投資関連株に妙味があるとみている。また、グロース市場の上場株など中小型株に対する見直し機運が出ており、中小型のAI関連株などにも再評価余地がありそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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