新興市場見通し:主力銘柄の決算が本格化、グロース市場250指数は25MA突破の攻防
■新興市場の上昇は限定的
今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+3.80%だったのに対して、グロース市場指数は+1.05%、グロース市場250指数は+1.12%と、新興市場の上値の重さが目立った。米大統領選挙におけるトランプ氏の勝利により、為替市場で円安ドル高が進行したことを材料に、大型株に関心が向かい、新興市場の上昇は限定的となった。徐々に新興市場の決算発表も増えているが、プライム市場の決算発表銘柄を中心とした物色が活発化。売買代金も1000億円前後にとどまるなど、取引時間延伸の効果は見られなかった。
時価総額上位銘柄では、富士急行<9010>との協業開始発表以降、買いが強まったGENDA<9166>が上場来高値を更新した。BASE<4477>は決算発表後に乱高下した結果、上昇。好決算にあわせ株主還元策を発表したクラウドワークス<3900>が大幅高となったほか、GMOメディア<6180>も好決算が材料視されて上昇した。一方、反発基調が強まっていたタイミー<215A>は再び売り圧力が強まり、上場来安値水準まで下落。決算関連では、GMO TECH<6026>、ソラコム<147A>が売られた。このほか、「アサイーボウル」が2024年流行語大賞にノミネートされたこともありフルッタフルッタ<2586>が急騰したが、信用取引規制の強化を嫌気して急落するなど乱高下した。
■Sapeet<269A>等は投資家の関心が非常に高い
来週の新興市場は、主力銘柄の決算発表が増加するため、個別物色が強まろう。11日に、スカイマーク<9204>、インテグラル<5842>、12日にispace<9348>、カバー<5253>、GMOフィナンシャルゲート<4051>、13日にトライアルHD<141A>、弁護士ドットコム<6027>、14日にトライト<9164>、BUYSELL TECH<7685>、JTOWER<4485>、ライフネット生命<7157>、ウェルスナビ<7342>、ジーエヌアイグループ<2160>、セーフィー<4375>、フリー<4478>と連日主力銘柄の決算発表が予定されていることから、グロース市場の売買代金増加も見込めそうだ。
グロース市場250指数は、25日移動平均線(25MA)突破の攻防を迎えている。主力銘柄の決算次第では、この上値抵抗線を上回る可能性はある。仮にこの水準をクリアした場合、次のターゲットとして200日移動平均線(200MA)が位置する660pt水準が意識されよう。この水準は9月に2回跳ね返されるなど強い上値抵抗線として意識されているが、200日移動平均線まで目立った上値抵抗線が見当たらないことからターゲットとして意識しやすいと考える。決算発表銘柄以外では、荒い値動きを見せているフルッタフルッタやSapeet<269A>、Birdman<7063>などに引き続き短期資金が向かおう。とりわけ直近IPOのSapeetは、6日ストップ高後のストップ安と値幅が大きいことから、投資家の関心は非常に高い。
《FA》