後場に注目すべき3つのポイント~マイナス圏での軟調推移続く
18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、マイナス圏での軟調推移続く
・ドル・円は伸び悩み、上値の重さを意識
・値下がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は反落、マイナス圏での軟調推移続く
日経平均は反落。299.52円安の38343.39円(出来高概算8億9799万株)で前場の取引を終えている。
先週末の米国市場のダウ平均は305.87ドル安の43444.99ドル、ナスダックは427.53pt安の18680.12ptで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のタカ派発言を受けた売りが継続し、寄り付き後、下落。トランプ次期政権の規制緩和など企業の業績を支援する政策を期待した買いが一段落したほか、FRB高官発言を受けて12月の追加利下げ観測が後退したため続落した。
下落した米株市場と同様、本日の日経平均は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から売りが先行。その後もマイナス圏での軟調もみ合い推移で、前週からの上値の重い展開が続いている。トランプ次期政権の動向による米中関係の緊張を警戒するなかでハイテク株が手掛けづらくなっており、東京市場でもこれらの銘柄が重しとなっている。
個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの半導体関連株、三菱重工業<7011>、IHI<7013>、川崎重<7012>などが軟調に推移した。また、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>、日立<6501>、信越化<4063>、リクルートHD<6098>、キーエンス<6861>、三井住友<8316>なども下落。株式売出による目先の需給悪化を警戒で売りが広がったジョイフル本田<3191>や7-9月期減益決算が売り材料につながったあおぞら銀行<8304>が急落。ほか、ペプチドリーム<4587>、中外製薬<4519>、電通グループ<4324>などが値下がり率上位となった。
一方、川崎船<9107>や日本郵船<9101>、商船三井<9104>などの海運株が堅調に推移。また、アドバンテ<6857>、良品計画<7453>、メルカリ<4385>、ソニーG<6758>などが上昇となった。ほか、第3四半期大幅増益決算を好感されたミルボン<4919>が急騰、日本コンクリート工業<5269>、ギフティ<4449>、EMシステムズ<4820>などが値上がり率上位となった。
業種別では、医薬品、機械、電気機器などが下落した一方で、鉄鋼、海運業、パルプ・紙などが上昇した。
後場の日経平均株価は、マイナス圏での軟調推移が続きそうだ。トランプ次期政権による政策期待を背景にした「トランプトレード」が一巡するなか、関税引き上げなどの政策をめぐる懸念が重荷となっている。また、円安が進行したものの追い風とはなっておらず、国内の決算発表が一巡し、中国経済の減速などの要因で国内企業業績の減速感も意識されている。さらに、今週は米半導体大手エヌビディアの決算や経済統計の発表を控えており、足下の上値の重さを見る限り腰が据わった長期投資資金の流入は期待しにくい。日経平均の方向性は引き続き定まりにくく、短期資金の流出入中心となりそうだ。
■ドル・円は伸び悩み、上値の重さを意識
18日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み、153円85銭から一時155円13銭まで値を切り上げた。米10年債利回りの上昇でドル買いが先行し、前週末の下落で値ごろ感から買戻しが強まった。ただ、155円台は売り優勢で、上値の重さが嫌気された。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は153円85銭から155円13銭、ユーロ・円は162円27銭から163円49銭、ユーロ・ドルは1.0531ドルから1.0550ドル。
■後場のチェック銘柄
・Hmcomm<265A>、エスポア<3260>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・9月機械受注(船舶・電力除く民需):前月比-0.7%(予想:+1.5%、8月:-1.9%)
【要人発言】
・グールズビー米シカゴ連銀総裁
「来年にかけて金利は低下が必要となる可能性が強い」
「中立金利に到達するまで12-18カ月を要する」
「現在のFRB政策は依然景気抑制的」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
《CS》