話題株ピックアップ【夕刊】(1):京急、レジル、BASE
■京浜急行電鉄 <9006> 1,354.5円 +135 円 (+11.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
京浜急行電鉄<9006>と京成電鉄<9009>が急伸。東洋経済オンラインが25日、京急と京成の関東私鉄大手2社の株式について、「アクティビスト(物言う株主)として知られる旧村上ファンド系の投資会社が保有した」と報じた。市場関係者が取材で明らかにしたという。報道に反応した買いが両社の株価を押し上げている。記事では市場関係者が保有割合について、京急は「あと少しで5%を超える水準」、京成については「1%未満」とコメントしており、旧村上ファンドの保有により過去に実現した阪急・阪神合併の再現を予測する見方もあると伝えている。
■レジル <176A> 2,078円 +133 円 (+6.8%) 本日終値
レジル<176A>が7連騰。2000円台に乗せて上場来高値を連日で更新した。今月14日発表の25年6月期第1四半期(7~9月)の連結決算で、利益の進捗率が高水準だったことを好感した買いが同社株を押し上げてきたが、25日午前10時にサンケイリアルエステート投資法人<2972>が運用する5つのオフィスビルに対し、トラッキング付きFIT非化石証書を活用して実質的にRE100の要件を満たした電力を供給すると発表。これを材料視した買いが入り上げ幅を拡大した。レジルの「再エネRE100メニュー」の供給開始を通じサンケイREはサプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量を削減し、価値向上を図る。
■BASE <4477> 323円 +15 円 (+4.9%) 本日終値
BASE<4477>は7連騰。同社はネットショップ作成サービス「BASE」を主力に、オンライン決済サービス「PAY.JP」などを展開する。今月6日に発表した1~9月期連結決算は売上高が112億9700万円(前年同期比35.5%増)、営業損益が7億9900万円の黒字(前年同期4億2000万円の赤字)に転換して着地。ネットショップ作成サービス、決済サービスともに流通総額が大きく伸びた。好決算を評価した買いが続き、足もと同社株は上値指向を鮮明としている。
■SBIホールディングス <8473> 3,705円 +143 円 (+4.0%) 本日終値
SBIホールディングス<8473>が続伸。午前10時ごろマイナビ(東京都千代田区)の既存株主から11月29日付で株式を追加で譲り受け、持ち分法適用会社とすると発表しており、好材料視された。今回の株式追加取得により、マイナビに対するSBIの議決権比率は既に保有している持ち分と合わせて20%になる。持ち分法適用会社化することで、SBIグループ及びマイナビグループの連携を一層強化し、事業上のシナジーを実現させることで両社グループの更なる企業価値の向上を図るとしており、引き続き両社のネットワーク活用による双方の収益機会の拡大、両社グループで共通する子会社相互間の連携や補完による成長の加速や新領域における協業による事業機会の創出などに取り組むとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,874円 +288 円 (+3.4%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸。ここ調整色が強く日経平均の上値が重い背景ともなっていたが、前週末に小幅ながら反発し下げ止まる動きを示していた。この日は引き続き買い戻しが優勢となった。また、日経平均先物主導の大幅な上昇に伴いインデックス買い(裁定買い)も株価上昇を後押ししている形だ。前週末の米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅上昇にとどまったものの、同社傘下の英半導体設計アームホールディングス<ARM>は高く引け、戻り足をみせていることはポジティブ材料だ。また、米半導体大手エヌビディア<NVDA>との連携に向けた思惑も浮上しており、直近では子会社ソフトバンク<9434>が全国の基地局でエヌビディアのGPUを使ったAI―RANによるネットワーク構築に向けた青写真を描いていることが伝えられ、これが株価を刺激する背景ともなっている。
■東京地下鉄 <9023> 1,795円 +58 円 (+3.3%) 本日終値
東京地下鉄<9023>は後場一段高。同社はきょう、教育事業に特化した「東京メトロエデュケーショナル」を12月2日付で設立すると発表しており、これが刺激となったようだ。同社はプログラボ教育事業運営委員会(大阪市福島区)とフランチャイズ契約を結んだのを機に、2018年から沿線を中心に子ども向けロボットプログラミング教室「東京メトロ×プログラボ」を展開しており、今年4月には15校舎目となる晴海校を開校。設立する新会社は「東京メトロ×プログラボ」の教室運営を行い、30年度までに30校へ拡大することを目指すとしている。
■NXHD <9147> 7,591円 +224 円 (+3.0%) 本日終値
NIPPON EXPRESS ホールディングス<9147>が3日続伸。同社はきょう、アスエネ(東京都港区)が提供する二酸化炭素(CO2)排出量の見える化クラウドサービス「アスエネ」とデータ連携し、顧客のサプライチェーン全体におけるCO2排出量削減をサポートすると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。同社は6月に傘下のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じてアスエネに出資し、共創をスタートさせており、今回の取り組みはその一環。同社グループはカーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けて、CO2排出削減につながる物流サービスを開発・提供するとしている。
■エニマインド <5027> 1,169円 +31 円 (+2.7%) 本日終値
AnyMind Group<5027>が4日ぶりに反発。この日、韓国コスメティックブランド「FORENCOS」のベトナム市場におけるEC販売支援を開始したと発表しており、好材料視された。「FORENCOS」は1988年に誕生した韓国のビューティーコスメティックブランド。エニマインドは、今年5月からグローバルECソリューションを提供し、日本国内におけるECモール内の販促やインフルエンサーマーケティングなどの包括的支援を行っているが、今回、ベトナム市場でのサポートも実施することになったという。
■三井化学 <4183> 3,677円 +95 円 (+2.7%) 本日終値
三井化学<4183>が上値追い加速。前週末に大陽線を示現し5%を超える急伸をみせたが、きょうも買いが続き上値抵抗ラインとして意識される75日移動平均線をブレークする動きとなった。前週末22日取引終了後、発行済み株式数の1.68%相当の320万株、金額ベースで最大100億円の自社株買いを実施することを発表、これによる一株利益などの株式価値向上と需給改善に対する期待が買いを誘導している。同社は政策保有株を原則ゼロとする方針で、その一方で自社株買いに前向きな姿勢を示している。配当利回りは前週末時点で4%超だが、PBRは依然として0.8倍近辺と解散価値を大きく下回っており、足もとで株主還元姿勢を強めていることは株価の先高期待につながっている。
■サンリオ <8136> 5,030円 +128 円 (+2.6%) 本日終値
サンリオ<8136>の上値指向が鮮明だ。きょうはフシ目の5000円大台を回復するとともに今月8日につけた高値5029円を上回り、上場来高値を更新した。キャラクタービジネスが好調で、これを背景に25年3月期の業績予想を上方修正しており、営業利益段階で従来計画の371億円から410億円(前期比52%増)に大幅増額した。訪日外国人観光客の急増で店舗の売上高やテーマパークにも追い風が強く、国内外機関投資家の実需買いの動きも観測されている。更にマーケットで話題となったKADOKAWA<9468>に対するソニーグループ<6758>の買収提案が、アニメなどの知的財産権に絡む思惑を呼び、同社株を含めIP関連銘柄の株価を刺激しているとの見方も出ている。
株探ニュース