話題株ピックアップ【昼刊】:トプコン、Fスターズ、東建コーポ
■トプコン <7732> 2,656.5円 +500 円 (+23.2%) ストップ高 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
トプコン<7732>が前営業日比500円高の2656円50銭に買われ、連日でストップ高をつけた。前日午前に米ブルームバーグ通信が「医療機器などを手がけるトプコンが非公開化に向けて入札プロセスに入っていることが分かった」と報道。買い手候補には米KKR<KKR>や欧州投資ファンドのEQT、産業革新投資機構(JIC)が挙がっていると伝えた。取引終了後にトプコンは報道に対し、現時点で決定した事実はないとしたうえで、企業価値の向上に向けてさまざまな施策を検討するなかで、報道のような施策案に限らず、それ以外の経営施策も幅広く検討している、などとコメントした。株価に上乗せされるプレミアムを巡る思惑が広がるなか、同社株は大量の買い注文を抱えた状況となっており、この日は午前9時40分過ぎにストップ高の水準で値が付いた。その後、戻り売りに押される場面もあったが、買い物は多く再び同水準に張りつく格好となっている。
■フィックスターズ <3687> 1,886円 +154 円 (+8.9%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
フィックスターズ<3687>が急騰している。高速ソフトウェアの開発を展開する同社は量子コンピューティングの社会実装促進に注力しており、関連銘柄の筆頭格と位置付けられる。9日に米アルファベット<GOOG>傘下のグーグルが、量子コンピューターの活用により、従来のスーパーコンピューターで「10の25乗」年の時間が掛かっていた計算を5分程度で完了できるようになったと公表。これを受けて10日のアルファベットの株価は急伸した。東京市場においては量子コンピューター関連銘柄への注目度を高める方向に作用し、Fスターズに短期資金が向かったようだ。台湾のアドバンテックと資本・業務提携をし、量子コンピューター関連銘柄とみなされている日本ラッド<4736>や、子会社で量子コンピューターの関連機器を扱うYKT<2693>なども高い。
■東建コーポレーション <1766> 11,570円 +570 円 (+5.2%) 11:30現在 東証プライム 上昇率7位
東建コーポレーション<1766>は5連騰し年初来高値を更新している。10日の取引終了後、25年4月期の連結業績予想について、売上高を3604億7800万円から3640億5200万円(前期比6.8%増)へ、営業利益を141億7000万円から192億3900万円(同47.6%増)へ、純利益を97億600万円から131億6100万円(同47.2%増)へ上方修正したことが好感されている。上期の受注額の増大やキャンセル率の改善が売上高を押し上げることに加えて、建設事業におけるコストダウンに努めていることが寄与する。
■M&Aキャピ <6080> 2,751円 +56 円 (+2.1%) 11:30現在
M&Aキャピタルパートナーズ<6080>が反発している。10日の取引終了後、全国の新聞各社と「事業承継・事業成長の選択肢」を広める「地域共創プロジェクト」の第8弾として、北日本新聞社(富山県富山市)と業務提携契約を締結し、富山県内における「地域共創プロジェクト」を始動したと発表しており、好材料視されている。両社は富山県、北陸地域の経済を牽引する地元企業の経営者に、M&Aをはじめとした事業承継・事業成長の選択肢の認知を広めることが、更なる経済活性化のために重要と判断。M&Aキャピの豊富なM&A助言実績と北日本新聞社の発信力・信用力を掛け合わせ、両社の長所を最大限生かすために業務提携を締結したという。
■MonotaRO <3064> 2,720.5円 +46.5 円 (+1.7%) 11:30現在
MonotaRO<3064>が3営業日ぶりに反発している。同社は10日取引終了後、11月度の月次業績(速報値)を公表。売上高は前年同月比13.2%増の239億5200万円となり、増収基調を維持していることが買い安心につながっているようだ。なお、同月の新規顧客獲得数は8万8600アカウントとなった。
■パンパシHD <7532> 4,031円 +43 円 (+1.1%) 11:30現在
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>がしっかり。10日の取引終了後に発表した11月度の販売高(速報)で、国内リテール事業の既存店売上高は前年同月比8.0%増と30カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。秋冬へと季節が進んだことで、立ち上がりが鈍かった季節商材の需要が高まったことが寄与し客数、客単価ともに前年を上回った。商品別では衣料や寝具などを筆頭に、季節の食材や鍋などの台所用品、更には温熱用品やケア用品などの消耗品など幅広いカテゴリーで伸長した。なお、全店売上高は同9.9%増だった。
■花王 <4452> 6,622円 +51 円 (+0.8%) 11:30現在
花王<4452>は堅調。香港を拠点とする投資ファンドのオアシス・マネジメントが10日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、花王株の保有割合が5.23%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて思惑的な買いが入っている。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」とし、「株主価値を守るため、重要提案行為を行うことがある」。報告義務発生日は12月5日。
■トライアル <141A> 2,946円 +19 円 (+0.7%) 11:30現在
トライアルホールディングス<141A>は6日ぶり反発。10日取引終了後、11月度の「月次売上高速報(小売)」を発表。既存店売上高は前年同月比5.0%増とプラス基調を継続した。生鮮食品の強さが際立ち、即食ニーズを先読みした商品提案が奏功した。月末に開催したポイントアップイベントも売上高の成長に貢献した。これが買い手掛かりとなっている。
■コーセー <4922> 7,093円 +22 円 (+0.3%) 11:30現在
コーセー<4922>が4日続伸している。10日の取引終了後、コスメブランド「PANPURI(パンピューリ)」を展開するタイのピューリ社の株式を12月30日の予定で取得し子会社化すると発表しており、好材料視されている。取得価額は非開示で、ピューリ社の発行済み株数の79.89%を取得する。今回の株式取得により、ピューリ社の更なる成長に寄与するとともに、事業ポートフォリオの拡充、及びグローバルサウス(ASEAN/インド)市場におけるコーセーグループの存在感を高め、企業価値向上につなげるとしている。なお、24年12月期業績への影響は軽微としている。
■アドバンテスト <6857> 8,255円 -223 円 (-2.6%) 11:30現在
アドバンテスト<6857>やディスコ<6146>が軟調推移。レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>などが冴えない展開となっている。前日の米国市場では量子コンピューター向け新型チップによる超高速計算の発表を行ったアルファベット<GOOG>が上昇した一方、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体関連株の下げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%を超す下落となった。台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が10日に発表した11月の売上高速報は前年同月比34%増と同月として過去最高を記録したものの、前月比で12%減となったことをネガティブ視する向きもある。米中対立の状況下での半導体株の先行きに対し慎重な見方がくすぶるなか、東京市場において半導体株に対しては買い手控えムードが広がっているようだ。
■サンリオ <8136> 4,568円 -113 円 (-2.4%) 11:30現在
サンリオ<8136>が6日続落している。10日の取引終了後、17日を受渡期日とする2587万1800株の売り出しと上限を388万700株とするオーバーアロットメントによる売り出しに関して、売出価格が4540円に決定したと発表しており、これにサヤ寄せする格好となっている。
■テモナ <3985> 225円 +36 円 (+19.1%) 11:30現在
テモナ<3985>が大幅高となっている。同社は10日取引終了後、自社の不正注文検知サービス「ECield(イーシールド)」を、日本サブスクリプションビジネス振興会の共創型不正情報プラットフォーム「SubsCield(サブスクシールド)」にOEM提供したことを明らかにしており、これが材料視されているようだ。ECieldは、いたずら注文や転売屋注文、アフィリエイト報酬目的の注文など高い広告費をかけても費用回収できない注文を未然に検知するサービス。今回の協業では、テモナのD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー:店舗を持たずにネットで直接消費者に販売するネット通販のスタイル)ビジネスに特化したEC事業者1000社以上へのカート導入実績に裏付けされるノウハウと、サブスク振興会の「SubsCield」を利用するサブスク事業者の不正データを融合させることで、両社の強みを生かし、不正注文対策の強化を実現しているという。
■萩原工業 <7856> 1,551円 +124 円 (+8.7%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
萩原工業<7856>が大幅高で5連騰。同社は10日の取引終了後、24年10月期の連結決算発表にあわせ、25年10月期の業績・配当予想を開示した。今期の売上高は前期比2.7%増の340億円、最終利益は同46.9%増の22億3000万円を見込む。また、前期の期末配当を従来の予想から10円増額したうえで、今期の年間配当予想は前期比5円増配の65円とした。増益・増配予想をポジティブ視した買いが入ったようだ。合成樹脂加工製品事業では、国内外において生産品目の再編と新規設備の導入により、原糸の高付加価値化を進める方針。海外売り上げの拡大なども目指す。機械製品事業では金属箔スリッター事業での受注拡大やプラスチックリサイクル需要の掘り起こしなどを図る。24年10月期の連結決算は、売上高が前の期比6.0%増の331億1800万円、最終利益は同51.3%減の15億1800万円だった。
■ネオジャパン <3921> 1,993円 +64 円 (+3.3%) 11:30現在
ネオジャパン<3921>が急反発し年初来高値を更新している。10日の取引終了後、25年1月期の連結業績予想について、売上高を70億3700万円から72億5300万円(前期比9.6%増)へ、営業利益を16億500万円から18億8400万円(同45.3%増)へ、純利益を10億9800万円から13億2300万円(同38.4%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を14円から17円(年31円)へ引き上げたことが好感されている。ソフトウエア事業において、今年9月にクラウドサービスの価格改定を実施したことに加えて、プロダクトの売り上げが堅調に推移していることが要因。また、各種費用を精査したことも寄与する。なお、同時に発表した第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高52億8600万円(前年同期比6.6%増)、営業利益13億7800万円(同27.3%増)、純利益9億8300万円(同19.0%増)だった。
●ストップ高銘柄
デルタフライ <4598> 676円 +100 円 (+17.4%) ストップ高買い気配 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
ジィ・シィ企画 <4073> 772円 -150 円 (-16.3%) ストップ安売り気配 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース