ロシア関連のタンカー拿捕 バルト海ケーブル切断か
フィンランドはきのう、バルト海海底の電力・通信ケーブルを切断した疑いでロシア産石油を積載したタンカー1隻を拿捕した。これを受けて、ロシア政府が糸を引いているとみられる重要インフラ破壊工作に対し、NATOが防衛に乗り出すべきだとの声が上がっている。
フィンランド当局によると、25日正午過ぎにロシアが制裁逃れに活用している「影の船団」の一部とされるタンカー「イーグルS号」がフィンランドとエストニアを結ぶケーブルの上を横切り、そのころにケーブルの機能が停止した。
そのためフィンランドの国境警備隊と警察がイーグルS号に乗り込んだ。船舶追跡サイト「マリン・トラフィック」によると、この船は電力ケーブル「エストリンク2」に近づきながら減速し、ケーブルの上にしばらくとどまってから航行を再開した。
フィンランド当局は、自国とエストニアを結ぶ3本の通信ケーブルと、ドイツとを結ぶ1本の通信ケーブルが同時に機能を停止したと述べた。そのうち1本は先月、中国の貨物船によって同様に切断されたものだ。ケーブルを所有するフィンランド企業は、数週間で2度目になる復旧作業にチームを派遣したことを明らかにした。
フィンランド政府と複数の民間通信事業者は、予備のケーブルを使用できるため、消費者への影響はほとんどないとしている。だが電力ケーブル運営会社のフィングリッドは、回線の修理には数カ月かかる可能性があり、気象条件が長期にわたり悪化すれば国の電力供給が脅かされないとの見方を示した。
株探ニュース