話題株ピックアップ【夕刊】(2):アドテスト、日立、アサヒ

注目
2025年1月6日 15時51分

■ビルファンド <8951>  124,500円  +2,100 円 (+1.7%)  本日終値

日本ビルファンド投資法人<8951>や日本都市ファンド投資法人<8953>など、逆行高を演じるREIT(上場不動産投資信託)が相次ぎ、東証REIT指数は1%を超す上昇となっている。大発会を迎え名実ともに新年相場入りとなった。年末年始に外国為替市場においては大幅なドル高・円安が回避され、日銀の早期の追加利上げ観測も後退した状況にある。REITは総じて前年は低パフォーマンスとなり、割安感が強く意識されているようだ。日経平均株価が600円を超す下げとなるなかで、REITに対しては、反転攻勢を見込んだ投資家の資金が流入している。ジャパン・インフラファンド投資法人<9287>やエネクス・インフラ投資法人<9286>が高く、GLP投資法人<3281>や日本プロロジスリート投資法人<3283>など物流系REITも堅調に推移している。

■アドバンテスト <6857>  9,302円  +104 円 (+1.1%)  本日終値

アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連は強弱観対立のなかも根強い買いが入り上値指向にある。前週末の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>を筆頭に半導体セクターが切り返し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2.8%高と大幅続伸した。これを受けて東京市場でもエヌビディア関連に位置付けられる両銘柄をはじめ半導体主力株を買い戻す動きが優勢だ。ただ上値は重く、取引時間中は米株価指数先物の値動きなどを横にらみに不安定な値動きとなることも予想される。

■日立製作所 <6501>  3,971円  +34 円 (+0.9%)  本日終値

日立製作所<6501>が反発。日本経済新聞電子版が12月31日、「日立製作所は家電の販売価格を指定する『指定価格』制度の対象製品を現在の1割から2割に倍増させる」と報じた。値引きを防ぐ指定価格の対象拡大により、家電関連事業の収益性が高まるとの見方をもとにした買いが入ったようだ。報道によると、日立は25年度から冷蔵庫などを対象に加える方針。中位から上位機種の大幅な値引きを抑制するとともに、開発資金を確保しやすくするとしている。

■GMOインターネット <4784>  997円  -202 円 (-16.9%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

GMOインターネット<4784>が大幅安。同社は旧GMOアドパートナーズ。親会社のGMOインターネットグループ<9449>からインターネット関連事業を承継したことに伴い、1月1日付で現社名に商号変更し、あわせて東証スタンダードからプライムへ市場変更した。プライム昇格によって指数連動型ファンドなどからの買いが期待できるとして同社株は直近まで急上昇していたこともあり、目先その反動が出たようだ。

■アサヒ <2502>  1,609.5円  -47.5 円 (-2.9%)  本日終値

アサヒグループホールディングス<2502>やサッポロホールディングス<2501>が軟調推移。米保健福祉省は3日、ビベック・マーシー医務総監がアルコールとがんのリスクに関する新たな勧告を出したと発表。米国におけるアルコール飲料の販売に及ぼす悪影響を懸念した売りを促す要因となったようだ。勧告では、アルコールの摂取が米国においてタバコと肥満に次いで、予防が可能ながんの原因として第3位に位置し、アルコールの摂取に伴うがんの死者数は、飲酒運転による交通事故の死者数を上回っていると指摘。アルコール飲料に健康面でのリスクを警告表示することが、がんの死者数を減らすことに効果をもたらす、などの見解を示している。

■日本製鉄 <5401>  3,158円  -24 円 (-0.8%)  本日終値

日本製鉄<5401>はやや売り優勢の展開。昨年末まで5連騰と上げ足を強めていたが、年明けは利益確定の売りに押されている。バイデン米大統領は3日、同社による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を中止するように命じた。計画が頓挫した場合は、日本製鉄にとっては経営戦略の見直しが迫られることになるため、株価にはネガティブに作用している。ただ、一方でUSスチール買収が実行されないケースでは、財務負担の重みから解放されることで、足もと資金調達に絡む懸念要素は後退する。PERやPBR、配当利回りなど投資指標から判断して現状の株価はかなり割安圏にあることを示唆しており、下値では押し目買いが観測される。

■アイシン <7259>  1,772.5円  -5 円 (-0.3%)  本日終値

アイシン<7259>が下げ幅を縮小。午後2時ごろ、ごみ収集DXサービス「ReGoMe(リゴミー)」が、愛知県小牧市の粗大ごみ収集受付業務委託を受託し、運用を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが下値に入ったようだ。「ReGoMe」は、カーナビゲーション開発で培った位置情報プラットフォームを活用し、ごみ収集管理業務を効率化するクラウドシステム。従来、紙の地図で管理していたごみステーションをデジタルマップ上に移行し、正確な位置情報の把握や収集ルートの自動生成、ドライバーへの経路案内と収集結果のリアルタイムでのクラウド管理が可能となるという。なお、小牧市での運用は愛知県日進市、愛知県岡崎市に続く自治体での運用となる。

■ファンデリー <3137>  300円  +80 円 (+36.4%) ストップ高   本日終値

ファンデリー<3137>がストップ高。昨年12月30日の取引終了後、25年3月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年3月31日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて同社の国産ハイブランド冷食「旬をすぐに」で利用できる食事クーポン3000~1万5000円分を贈呈する。

■visumo <303A>  2,536円  +500 円 (+24.6%) ストップ高   本日終値

visumo<303A>がストップ高。昨年12月26日に新規上場し、公開価格770円を266円(34.5%)上回る1036円でスタートすると、当日も含め今日まで4日連続ストップ高となっている。同社は、ビジュアルマーケティングプラットフォームの開発及びサービス提供が主な事業。写真や動画などのデジタルアセットを一元管理して有効活用できる仕組みを提供するとともに、専門知識を持たない人でもオウンドメディアのコンテンツ作成に携わることを可能とすることで、ビジュアルを活用したマーケティングを推進している。業態のユニークさに加えて、上場時の資金吸収額が6億円弱と比較的少なかったことや、昨年12月30日終値時点の時価総額が33億3300万円にとどまっていることから、値動きの軽さを期待した買いが入っているようだ。

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