前場に注目すべき3つのポイント~先物主導で下へのバイアスが強まる可能性を警戒~

市況
2025年1月14日 8時52分

14日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■先物主導で下へのバイアスが強まる可能性を警戒

■イオン、3Q営業利益 17.7%減 1175億円

■前場の注目材料:京セラ、有機基板の国内投資見送り、DC向け需要低迷

■先物主導で下へのバイアスが強まる可能性を警戒

14日の日本株市場は、不安定な相場展開になりそうだ。13日の米国市場は、NYダウが358ドル高、ナスダックは73ポイント安だった。利下げ期待の後退で売り優勢の流れのなか、ヘルスケアセクターの上昇が相場を支える形となり、NYダウは上昇に転じた。米長期金利の上昇が重荷となり、エヌビディアなどハイテク株は軟調。シカゴ日経225先物は大阪比545円安の38705円。円相場は1ドル157円40銭台で推移している。

日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。10日のNYダウは700ドル近く下げ、昨年11月以来の水準まで下げたこともあり、13日は自律反発といったところだろう。

米国では14日に12月の卸売物価指数(PPI)、15日に12月の消費者物価指数(CPI)が控えていることもあり、FRBの利下げ減速を後押しする可能性もあるため、積極的な売買は手控えられそうだ。また、アドバンテスト<6857>など直近で強い動きをみせてきたハイテク株だが、エヌビディアの下げが重荷になりそうだ。また、バイデン米政権はAI向け半導体輸出で新規制を発表しており、手掛けづらくさせそうだ。

そのほか、シカゴ先物は38705円で終えたが、一時38135円まで急落する場面もみられた。売り一巡後の戻りの鈍さが意識されてくるようだと、先物主導で下へのバイアスが強まる可能性を警戒しておきたいところであろう。そのため、物色はやや内需系にシフトしやすいほか、インデックスに絡んだ商いの影響を避ける狙いから、個人投資家の資金はグロース市場などの中小型株に向かいやすい。また、決算を手掛かりとした個別に材料の出た銘柄に向かわせよう。

なお、10日の取引終了後に決算を発表したところでは、オプトエレクト<6664>、タキヒヨー<9982>、イオン<8267>、インターアク<7725>、NPC<6255>、農業総合研究所<3541>、フィルカンパニー<3267>、アイドマHD<7373>、インテリックス<8940>、アスタリスク<6522>、良品計画<7453>、バイク王<3377>などが注目されそうだ。

■イオン、3Q営業利益 17.7%減 1175億円

イオン<8267>が発表した2025年2月期第3四半期業績は、営業収益が前年同期比6.3%増の7兆4705億7500万円、営業利益は同17.7%減の1175億6900万円だった。高利回りな営業債権残高の増加により、資本収益性が向上した総合金融事業、増床やリニューアル効果で、賃料収入が増加したディベロッパー事業、すべての上場子会社の損益が改善したサービス・専門店事業が増益。一方で、GMS(総合スーパー)事業、SM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業、ヘルス&ウエルネス事業、国際事業が減益となった。

■前場の注目材料

・NYダウは上昇(42297.12、+358.67)

・米原油先物上昇(78.82、+2.25)

・VIX指数は低下(19.19、-0.35)

・活発な自社株買い

・東証による企業価値向上の要請

・京セラ<6971>有機基板の国内投資見送り、DC向け需要低迷

・ヤマハ発<7272>27年ぶり企業ロゴ刷新、「70周年記念」も制定

・IHI<7013>小型CO2回収装置を受注、積水化から実証用に

・ルネサス<6723>半導体にスプリットゲート採用、オン抵抗30%低減

・サンケン電気<6707>車載用パワーモジュール量産開始

・UBE<4208>米で高機能品拡充、電池・半導体需要狙う

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:50 11月経常収支(予想:+2兆6525億円)

<海外>

・特になし

《ST》

提供:フィスコ

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