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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 1月19日版

市況
2025年1月19日 12時59分

日経平均は週明け後、一本調子の上昇の流れへ入り1月7日高値を超えられるかが焦点

1. 日経平均株価の1月の値動きのパターン

前回の本コラムでは、 日経平均株価が1月に月初から下げているときの値動きのパターンを参考にして、本年1月は「月足が陽線引けする場合、昨年12月19日の安値3万8355円を前に下値を支えられて、反発を開始する」、「月足が陰線引けする場合、1月中に昨年10月24日の安値3万7712円まで下げる」と紹介しました。

日経平均株価は、1月14日の下げで3万8355円を割れて、1月の月足が陰線引けする可能性のある展開へ入っていますが、気になる点もあります。

前週末のNYダウが上昇したことで、週明け後の日経平均株価が反発すると考えられることです。

チャートを見ると、14日に3万8305円まで下げて3万8355円を割っていますが、終値が3万8474円となり、かろうじて3万8355円を維持する格好となっています。

17日も3万8055円まで下げる動きを経過しましたが、終値が3万8451円をつけて、結果として下ヒゲの長い線となって3万8355円を維持しています。

週明け後、寄り付き値が上放れて始まると、3万8355円前後が強く市場参加者に意識される値位置となっていて、1月17日安値の3万8055円が押し目底になる可能性を考えておく必要が出てきます。

今回は月足が陰線引けするか、陽線引けするかにかかわらず、1月に月初から下げて、月中に押し目をつける展開になった場合、月末までどのような上げ方になっているのかを見ていきます。

結論から言えば、月初に下げている年は月中に押し目をつけて上昇を開始しても、月末の値位置が月初の高値付近に位置しています。

1月に月初から下げて、月初から4営業日以上経過して1月の最安値をつけた年は、1990年、1991年、1992年、1993年、1995年、1997年、2000年、2001年、2002年、2003年、2006年、2007年、2008年、2009年、2014年、2015年、2016年、2017年、2022年が挙げられます。

これらの年の中で、1月の月足が陽線引けした年は、1993年、2000年、2006年、2007年、2015年の5回です。その他の年は、1月の月足が陰線引けしています。

1993年は、1月26日に押し目をつけて急上昇を開始し、月末となる1月29日までの期間で一気に月初からの下げ分を戻しています。1月29日に1月の最高値1万7177円をつけていますが、この高値は1月7日高値の1万7058円を若干だけ超えた地点となっています。

2000年は、1月7日に押し目をつけた後、すぐに上昇を開始して一気に月初の高値を超える動きとなった後、すぐに上値を抑えられて、月初の高値付近でうろうろする動きを経過して、月末に一段高となっています。

2006年は、1月18日に押し目をつけた後、すぐに上昇を開始して1月30日に高値1万6754円をつけて、月初の高値1万6490円を超える動きとなっています。

2007年は、1月11日に押し目をつけた後、一本調子の上昇の流れを作り、1月18日に月初の高値1万7379円を超えています。その後、月末まで月初の高値よりも若干高い値位置でジグザグに横ばいに推移しています。

2015年は、1月16日に押し目をつけた後、一本調子の上昇の流れを作り、1月27日に月初の高値1万7540円を超えて、1月28日に1月の最高値1万7850円をつけています。

どの年も、押し目をつけた後、一気に上昇して月初の高値を超える動きとなりますが、1月中、月初の高値を大きく上回る動きとならずに上値を抑えられています。

1月の月足が陽線引けする展開になるなら、1月17日の安値3万8055円が押し目となって、目先、一本調子の上昇場面となって、月末頃までの期間で1月7日の高値4万0288円を若干だけ超える動きになると考えられます。

今週中、一気に4万0288円を超えるなら、来週は上値重く推移する可能性が出てきます。

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