話題株ピックアップ【夕刊】(1):BASE、大阪チタ、カバー
■内外トランスライン <9384> 3,005円 +501 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
内外トランスライン<9384>はストップ高。前週末7日取引終了後、投資会社のIAパートナーズから完全子会社化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格の1株4065円にサヤ寄せする格好となった。公開買い付け者はIAパートナーズが投資助言・サービス提供などを行うファンドの傘下に、今回のTOBを通じた株式取得を主な目的として設立されたIAPF2。買い付け予定数は770万6871株(下限443万600株、上限設定なし)、買い付け期間は3月10日から4月21日まで。TOB成立後に内外トランス株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は7日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。
■BASE <4477> 454円 +70 円 (+18.2%) 本日終値
BASE<4477>が切り返し急。個人や小規模事業者を対象としたECプラットフォーム運営を行うが、足もとの業績は好調で25年12月期は営業3割増益を見込む。そうしたなか、メルコホールディングス<6676>の牧寛之社長が7日付で提出した大量保有報告書によると、牧氏のBASE株式保有比率は5.40%となったことが判明した。支配権プレミアムの獲得を目標に、安定株主として保有する意向を表明しているが、目標に対して経営陣から賛同を得られない場合は売却することもあるとしている。足もとでは株式価値向上に対する期待感が短期筋の買いを誘う形となった。
■日本駐車場開発 <2353> 246円 +29 円 (+13.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
日本駐車場開発<2353>が急反発。前週末7日の取引終了後、25年7月期の連結業績予想について、売上高を364億円から366億5000万円(前期比12.1%増)へ、営業利益を70億円から72億円(同11.4%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を7円から8円(前期5円50銭)へ引き上げたことが好感された。子会社日本スキー場開発<6040>の運営施設でウィンターシーズンの来場者数が想定よりも好調だったことが要因としている。なお、純利益は韓国法人清算に伴う特別損失の計上などで47億円(同7.9%減)の従来見通しを据え置いている。同時に発表した1月中間期決算は、売上高184億1300万円(前年同期比15.4%増)、営業利益41億6700万円(同27.2%増)、純利益25億7100万円(同11.4%増)だった。国内駐車場事業で42物件が純増(前年同期35物件の純増)した駐車場事業をはじめ、スキー場事業、テーマパーク事業で売上高、営業利益ともに過去最高となった。
■大阪チタ <5726> 2,035円 +203 円 (+11.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>が急騰で2月19日以来となる2000円台を回復したほか、東邦チタニウム<5727>もマドを開けての大幅高となった。世界的な国防費拡大の流れを背景に各国の株式市場で防衛関連株への買いが顕著となっている。東京市場でもトランプ米政権からの防衛コスト負担増幅への圧力が顕在化するなか、関連銘柄の物色の裾野が広がっている。大阪チタや邦チタはチタン精錬分野では双璧の存在で、今後グローバル規模で防衛用航空機の需要が高まることが予想され、商機拡大の可能性が意識されている。また、株式需給面では両銘柄とも、外資系証券による貸株調達に伴う空売りが高水準で、「3月期末を前に空売りポジションの解消を急ぐ動きが株価上昇を後押ししている」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。
■カバー <5253> 2,961円 +287 円 (+10.7%) 本日終値
カバー<5253>が急反発。同社が運営するVチューバー事務所「ホロライブプロダクション」が9日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されたイベントで、ホロライブ初の公式スマートフォンゲーム「DREAMS」を開発中であることを発表しており、これを好感する買いが流入した。ホロライブの音楽が楽しめるゲームで、全世界同時配信を予定しているという。なお、リリース日など詳細は今後発表されるもよう。
■牧野フライス製作所 <6135> 12,050円 +770 円 (+6.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
牧野フライス製作所<6135>は後場に上げ幅を急拡大し、上場来高値を更新した。日本経済新聞電子版が10日、「牧野フライス製作所に対して、投資ファンドなど複数社が買収を提案していることが10日、わかった」と報じた。同社に対してはニデック<6594>が1株1万1000円でのTOB(株式公開買い付け)を通じた買収提案を行っている。買い手が複数現れて争奪戦となることにより、TOB価格が引き上げられるとの思惑から買いが入ったようだ。報道によると、複数の投資ファンドが牧野フに対し完全子会社化を目的とした買収意向表明書を提出した。提案は初期段階で、ニデックに対する事実上のホワイトナイト(友好的買収者)となる可能性がある、などとしている。
■メドレー <4480> 3,130円 +144 円 (+4.8%) 本日終値
メドレー<4480>が後場上げ幅を拡大。午後0時30分ごろ、上限を35万株(発行済み株数の1.07%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は3月11日から9月30日までで、株価の変化に対応した機動的な対応及び株主還元を目的としている。
■SUMCO <3436> 1,171.5円 +44 円 (+3.9%) 本日終値
SUMCO<3436>が上伸。SMBC日興証券が前週末7日、SUMCOの投資評価を「2」から最上位の「1」に引き上げた。目標株価は1500円(従来は1450円)とする。中国の同業の台頭やウエハー需要の伸び悩み、減価償却費の増加などを背景に下落した同社株について、中国向けでの大幅減収は24年12月期の下期に一巡し、営業増減益率は今年の7~9月期を底に改善すると予想。投資妙味が生じてきたとし、一時的に4000億円を下回った時価総額について、こうした状況は長続きしない可能性があるとの見解を示した。
■日本ヒューム <5262> 1,921円 +44 円 (+2.3%) 本日終値
日本ヒューム<5262>が大幅続伸。9日朝のTBS系生活情報バラエティ番組「がっちりマンデー!!」で紹介されたことが好感されたようだ。「100周年なのに知らない会社!」のテーマで日本冶金工業<5480>、中山福<7442>などと取り上げられ、ヒューム管の内部の仕上げを職人が行っていることなどが紹介された。
■ヤマハ <7951> 1,165円 +22 円 (+1.9%) 本日終値
ヤマハ<7951>が4日続伸。午後1時ごろ、同社の車載スピーカーシステムがトヨタ自動車<7203>の中国向け新型BEV(バッテリー式電気自動車)「bZ3X」に採用されたと発表しており、好材料視された。「bZ3X」は、トヨタと広州汽車集団、広汽トヨタ自動車、IEM by TOYOTAによって共同開発され、広汽トヨタから3月6日に発売されたファミリー向けSUVタイプの新型BEV。スピーカーシステムは、楽器の音の再現性にこだわった11個のスピーカーとサウンドマイスターによるチューニングで構成されているという。
株探ニュース