伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 5月6日版
日経平均は週明け後、すぐに下降を開始する公算も
1. 5月の日経平均は上下どちらも一定の流れができやすい
図1は、 日経平均株価の5月の値動きを示しています。5月は月足が陽線引けする確率は54%となっており、あまり方向感のない月です。
ただ、月足が陽線引けしたとき、陰線引けしたときの値動きを見ていくと、5月は「上下どちらへ向かう場合でも、月初からはっきりとした流れを作る」という特徴が表れています。
図1の中央の「最安値」と「営業日」は、5月の月足が陽線引けしたときに5月の最安値をつけた日と、月初からの営業日です。
右側の「最高値」と「営業日」は、5月の月足が陰線引けしたときに5月の最高値をつけた日と、月初からの営業日です。
1990年から2024年までの期間で、月足が陽線引けした年は「19回」あります。その中で3営業日以内に5月の最安値をつけた年は「14回」ある一方、4営業日以降に5月の最安値をつけた年が「5回」しかありません。
月足が陰線引けした年は「16回」あります。その中で4営業日以内に5月の最高値をつけた年は「13回」、5営業日以降に5月の最高値をつけた年が「3回」しかありません。
図1 日経平均株価の5月の値動き

これまでの値動きを見ると、5月は月初に月間の最高値、最安値をつけて一定の方向へ推移していることが多くなっています。
5月は月初に大型連休のゴールデンウィークがあることを考慮すると、ゴールデンウィーク中の平日や、ゴールデンウィークが明けたあとにすぐに戻り高値、押し目をつけて、上昇、下降の流れへ入っていると推測できます。
4月は上げ傾向があり、4月以前に価格が下げていても、4月中に押し目をつけて下値堅い場所を示す動きになりやすい時期です。
4月が積極的な上昇場面となっていけるところまで上昇すると、5月は月初から調整入りしやすく、4月が中旬以降に下値堅い場所を示す展開になると、5月が月初から上げていることが多いのではないかと推測できます。