「給料だけでは無理」と始めた株で、稼いだ生活費は1億円超え
「すご腕投資家さんに聞く 『銘柄選び』の技」
トランプ波乱を勝ち抜く技
surf777さんの場合-第1回
イラスト:福島由恵兼業投資家。2004年に投資を開始し、約20年間で500万円の元本から累積で1億円以上のリターンを生み出した。現在の株式運用額は4400万円になる。初心者時代は小型株を対象にした"雰囲気売買"で失敗も多かったが、生活費を稼ぐため2015年に本腰を入れて投資に向き合う。この頃から適時開示情報をこまめに見て、「どの材料が出たら株価が伸びるか」を研究するようになる。次第に短期モメンタム投資のスタイルが確立する。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「グロース重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
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| この記事を読んで分かること |
| 1. 短期モメンタム投資での成功例 |
| 2. 株価モメンタムを生み出す3つの材料 |
| 3. 現在の投資スタイルを築いた経緯 |
「これはイケそうだ。よし夜間PTSで買い出動だ!」
今回登場のsurf777(ハンドルネーム)さんは、毎日、仕事が一段落した夕方から晩にかけて、企業から発信される「適時開示情報」そして「決算速報」を『株探』などを使ってチェックする。
・大幅増配
・優待の新設
・話題になりそうな新製品の投入
――等々といった株価が跳ねそうな材料を見つけると、過去に自分で調べた情報などを照らし合わせ合格ラインを超えていれば、PTS(私設取引システム)の夜間取引で買いを入れる。PTSで仕込めなければ、翌日に「寄り成り」で注文を入れる。
surf777さんは、株価を動かすイベント・カタリスト(株価変動のきっかけ)に注目してデイトレードや短期スイング投資で勝負に出るスタイルをメーンにする。この手法で、20年間で1億円ほどのトータルリターンを上げてきた。
デイトレや短期スイングというと、テクニカル指標に注目して売買するイメージを抱きがちだが、「テクニカル分析は使わない」と本人は話す。では、どこに注目して短期勝負に挑むのか。
これらを2回シリーズで見ていく。初回は、ここ最近、短期トレードで成果を出したケースなどに焦点を当てる。
■『株探』の会社開示情報ページ

注:5月15日の例
アウンコンサル、夜間PTSで5000株購入、2日後に利確
直近で成功した銘柄の1つが、ウェブマーケティング支援のアウンコンサルティング<2459>だ。
ウェブ広告の制作・運用やSEO(検索エンジンの最適化)のコンサルティングなどを通じ、法人顧客の販路拡大をサポートする。
surf777さんは注目材料が出た今年(25年)の3月17日に、夜間PTSで買い出動。238円で計5000株購入すると、2日後の19日に平均単価409円で売却し86万円の利益を上げた。
■アウンコンサルでの利確状況(3月19日)

注:本人提供
surf777さんが一度の取引で得る利益は、ほとんどのケースで数万~数十万円にとどまる。リスクを抑えるため投資額を控えめにする一方で、好材料が見つかれば、日々トレードを重ねてリターンをコツコツ積み上げていく。
いってみれば、細かく売買&小リターン狙い戦略だ。この戦略を駆使するのは、成功確率を何よりも重視しているからだ。
surf777さんにとって株式投資は、毎月の生活費を生み出す貴重な収益源。1回のリターンの大きさよりも、着実に利益を積み重ねることが至上命題となっている。
株のリターンを毎月の生活費に充当できるようにと、銘柄選びで意識しているポイントが次の2つだ。
■アウンコンサルの日足チャート(2025年2月~)

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。