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狙うは「これから増配」、でも重視するのは「配当」より「跳ねる」

特集
2025年7月2日 10時15分

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技
トランプ波乱を勝ち抜く技

ノリノリさんの場合-第1回

登場する銘柄
ステラケミファ<4109>、東洋テック<9686>、グッドコムA<3475>

取材・文/真弓重孝、高山英聖、イラスト/福島由恵

【タイトル】イラスト:福島由恵
■ノリノリさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
足元で8000万円を運用する専業投資家。2018年に投資をスタートし、23年に勤め先が廃業したことをきっかけに専業へ転向した。株式の投資歴は長くはないが、"勝負"の経験は豊富。1990年から2021年までの約30年間パチスロと向き合い、後半戦の15年間には5000万円を稼いだ。株式投資はコロナ禍でパチスロができなくなったことを機に本腰を入れ、21年頃に現在の投資スタイルを確立している。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

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この記事を読んで分かること
1. 「これから増配銘柄」の見極め方
2. 増配でサプライズを生む銘柄の特徴
3. 持続的な増配に期待している銘柄事例

これから増配銘柄で、着実に株価が上がるのはどれだ――。

今回登場するノリノリさん(ハンドルネーム)は、約7年の投資歴で、累積元本3700万円から7000万円のトータルリターンを稼いできた専業投資家だ。専業で投資収益の一部は生活費に回していることもあり、現在の運用額は8000万円ほどになる。

1億円近いトータルリターンを稼いできた原動力が、「増配」が株価上昇に結びつきやすい割安成長株にターゲットを絞っていることだ。

ただ、増配は有力なカタリスト(株価変動のきっかけ)ではあるものの、すべての増配株が思惑通りにキャピタルゲインをもたらすわけではない。そうした状況の中で、本人が順調に成果を上げて来られたキーワードが期待値だ。

株式投資に着手する前、ノリノリさんはサラリーマンをしながらパチスロに30年ほどのめり込んでいた。パチスロ愛好家にとって勝ちを呼ぶための鉄板が、期待値の高い台の見極めと確保だ。

このパチスロで磨き上げた期待値ベースの勝負姿勢を、株式投資に生かしてきた。そんなノリノリさんの勝ち技を、2回にわけて紹介する。

1回目は、半導体関連のニッチトップ企業をはじめとする最近の成功事例を見ていく。

■割安成長&収益バリュー狙いでのノリノリさんの位置づけ(左上)

【タイトル】

通期計画が減収減益、年間配当未定でも期待値アップへ

ノリノリさんが投資対象にするのは、中小型の割安成長株だ。「大型株に比べて注目度が低い分、増配が明らかになったときに跳ねやすい」(本人)。

近年、最も成功した取引がフッ素化合物の世界大手、ステラケミファ<4109>での取引だ。同社株の足元の時価総額は500億円ほどで、ノリノリさんが買い出動した時点では400億円台だった。

ノリノリさんは2024年1月に株価3300円程度から仕込み始め、1年近くたった同年12月に手仕舞った。取得価格から30%増の4300円前後で売却できたことで、400万円以上のリターンを獲得した。

■『株探プレミアム』で確認できるステラケミファの長期日足チャートとヒストリカルPER

【タイトル】

注:期間は2023年4月~25年3月

同社株に注目することになったのは、23年5月。買い出動する8カ月前のことだった。

きっかけは23年3月期決算の発表と、同時に行った総還元性向100%宣言だった。その宣言とは、「2024年3月期および25年3月期の総還元性向の目標を100%とする」もの。一連のIR(投資家向け広報)を見て、ノリノリさんは同社株をこれから増配銘柄に認定した。

理由の1つ目は、中間配当の計画額。ステラケミファは24年3月期の中間配当額の計画を60円とした。これは23年の年間配当額と同額だった。

理由の2つ目は、23年3月期時点で、同社の総還元性向は約91%の水準となっていたこと。先の総還元性向100%宣言を踏まえれば、24年3月期の同社は前期から10%ポイント近く総還元性向が上昇する見通し。いきおい増配の期待値は高まることになる。

ただし、同社の24年3月期の期初の利益計画を見ると、すぐには「増配確実→株価が跳ねる」との期待を高めることはできなかった。期初時点で、24年3月期は当期純利益は▲28%となり、EPS(1株当たり当期純利益)は前の期から50円ほど減少した137.33円となったからだ(下の図)。

■ステラケミファの24年3月期の期初計画

【タイトル】

この予想EPSの水準で総還元性向100%を配当のみで達成しても、単純計算で前の期の配当金60円を優に上回ることになる。ただし、減収減益予想の企業が増配見込みとなっても、株価の反応が鈍くなり、十分なキャピタルゲインを得られない可能性が残る。

実際、23年5月に24年3月期の期初計画が明らかになった後の同社株は、上昇基調となるもモメンタム(騰勢)は力強さに欠ける状況だった。

そうした要素はあっても、ノリノリさんがこれから増配銘柄の監視対象としたのは、期待値の高低を判断するうえで活用している「3つのポイント」のうち、1つはすでに満たしていたことがある。

ノリノリさんは、残りの2つのポイントを確認するために「待ち」の態勢を取った。この拙速に動かず、勝機を見極める姿勢が吉と出て、同社株が24年2月に吹く2週間ほど前に仕込むことに成功した。

では、ノリノリさんがリターンの期待値を高めるために注視している3つのポイントとは、どのようなものか。次のページから見ていこう。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 期待値を判断する3つのポイントとは

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