話題株ピックアップ【夕刊】(1):ERIHD、山一電機、住友鉱
■ERIホールディングス <6083> 4,585円 +700 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
ERIホールディングス<6083>がストップ高。16日の取引終了後に26年5月期の連結業績予想について、売上高を227億円から240億円(前期比21.4%増)へ、営業利益を28億円から45億円(同2.2倍)へ、純利益を17億円から28億円(同2.2倍)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各35円の年70円から中間・期末各55円の年110円(前期実績60円)へ引き上げたことが好感された。脱炭素社会の実現に向けた法制度の改正が25年4月に施行されたことに伴う省エネ・構造関連の審査業務の拡大に加えて、M&Aによる事業領域の拡大が順調に進捗していることが要因としている。
■山一電機 <6941> 5,750円 +290 円 (+5.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
山一電機<6941>が切り返し急。11月11日に6520円の上場来高値を上ヒゲで形成した後、高値圏で売り物をこなしていたが、今週に入って米ハイテク株安の流れに飲まれ25日移動平均線からの下放れが警戒されていた。しかし、足もとで押し目買いの動きと貸株市場を経由した空売り筋のショートカバーが共鳴して動きを一変させている。ICソケットやコネクターなどの電子機器向けデバイスの専業メーカーで世界トップシェア企業として注目されている。最近はAIデータセンター向けの需要が収益に大きく貢献しているほか、フィジカルAIブームのなかロボット向けコネクターで特需を捉える可能性がある。25年4~9月期は営業利益が前年同期比6%減の64億1800万円だったが、これは計画ラインを4億円弱上回っての着地となっている。通期の営業利益見通しについても従来予想から8億円上乗せした93億円(前期比13%増)に上方修正したが保守的で、一段の上振れも視野に入る。株主還元にも前向きな姿勢を明示、配当性向30%を標榜するなか、今期は前期実績に16円上乗せの105円を計画している点も注目される。
■マクセル <6810> 2,491円 +122 円 (+5.2%) 本日終値
マクセル<6810>が切り返し急、3日ぶり大きく買われ年初来高値を更新した。同社は前日に、従来製品に比べ約4倍の容量を有する全固体電池を開発したことを発表、株価を強く刺激する格好となった。これはIoTデバイスの主電源用途に使用可能なコイン形全固体電池で、今月下旬からサンプル提供を開始するもよう。リチウムイオン電池は発火リスクが警戒されているが、全固体電池はリチウムイオン電池の電解液部分を固体化させた二次電池で発火する懸念が乏しく、電池寿命も長いというメリットを持っている。高温環境を強いられる生産現場などでの需要獲得が進む可能性が指摘されている。
■住友金属鉱山 <5713> 5,882円 +268 円 (+4.8%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>が3日ぶりに急反発。大和証券は16日、同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げた。目標株価は3400円から6500円に見直した。同社株を金鉱株として期待しており、銅価格上昇も追い風とみている。同証券では、銅・金価格上昇を勘案して利益予想を上方修正した。AI関連株の高いバリュエーションへの警戒感が強い局面では、金鉱株である同社を安全資産かつバリュー株として注目する流れが強まる可能性が高い、とみている。
■ホシザキ <6465> 5,322円 +175 円 (+3.4%) 本日終値
ホシザキ<6465>は反発。16日の取引終了後に、25年12月期の期末配当予想を55円から65円へ増額修正したことが好感された。年間配当予想は115円となり、前期実績(105円)に対しては10円の増配となる。
■三陽商会 <8011> 3,770円 +120 円 (+3.3%) 本日終値
三陽商会<8011>が4日続伸。英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が16日の取引終了後に関東財務局へ提出した変更報告書のなかで、株式保有比率は5.36%から6.38%に上昇したことが明らかとなり、思惑視した買いが入った。報告義務発生日は12月8日。保有目的は「純投資及び重要提案行為等を行うこと」としている。
■東京精密 <7729> 10,500円 +295 円 (+2.9%) 本日終値
東京精密<7729>が5日ぶりに反発。同社とアドバンテスト<6857>は16日の取引終了後、半導体製造工程においてウエハー上の個々のチップ(ダイ)を検査するダイ・レベル・プローバを共同開発すると発表しており、好材料視された。それぞれの専門性を生かすことで、AI及びハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)デバイスのテストに不可欠な高度なプロービング能力を提供するのが狙いという。
■ダイヘン <6622> 9,610円 +220 円 (+2.3%) 本日終値
ダイヘン<6622>は3日ぶりに反発した。同社は16日、半導体製造の先進後工程で世界最大の可搬質量を実現するパネル搬送ロボットを市場投入すると発表。株価の支援材料となったようだ。パネルレベルで配線を行った際にダイシングしチップ化する先進後工程への移行への対応が求められるなか、開発した搬送ロボットは低振動性を実現し可搬質量は世界最大の20キログラムを実現。半導体の生産性の向上に貢献する。同日には大形変圧器の生産能力の増強に向け、三重事業所内に新工場を建設するとも発表。総投資額100億円規模で生産能力を2029年度に現状の2倍に引き上げるという。
■スクリン <7735> 13,100円 +280 円 (+2.2%) 本日終値
SCREENホールディングス<7735>が5日ぶりに反発した。同社は16日に「IR Day 2025」を開催。成長戦略や半導体製造工程での洗浄技術の動向などに関する説明資料をホームページで公開し、長期の成長に向けて経営基盤の強化に臨む方針を示している。また、デバイスアーキテクチャーの変化に伴い「微細化と貼合」が今後の主流になると想定。DRAMやNANDへのロジック技術の展開や3次元集積化により、洗浄機会が増大すると予測している。モルガン・スタンレーMUFG証券は洗浄装置の適用プロセスが大幅に増加するという見通しが示され好印象だと指摘。目標株価を従来の1万5500円から1万6200円に増額修正した。投資判断は「オーバーウェート」を継続している。
■前澤化成工業 <7925> 2,155円 +45 円 (+2.1%) 本日終値
前澤化成工業<7925>が反発。16日の取引終了後、前澤工業<6489>と2026年6月1日に共同株式移転により経営統合することで合意したと発表した。共同持ち株会社の前澤ホールディングスを設立し、共同持ち株会社の株式を前沢工業株1株に対し1株、前沢化成株1株に対し1.11株割り当てるとしており、両社の前日終値と割当比率を意識した動きが出ている。前沢工業は大幅続落している。上下水道施設の老朽化に伴う更新需要の拡大を見据え、体制を強化する。
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