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馬渕治好氏【新春特別編 2026年の株式市場はこうなる! 更なる高みを目指す日経平均に死角はあるか】 <相場観特集>

特集
2026年1月5日 18時30分

―日経平均は最高値圏を快走? それとも上昇トレンドの終局が近づいている?―

2026年相場がスタートした。今年は60年に1度の丙午(ひのえうま)である。烈火のごとく強い相場が続くのか、それとも「辰巳天井、午尻下がり」という格言が示唆するような軟調な展開が待っているのか。日経平均株価5万円台は通過点とばかりに上を目指せればそれに越したことはないが、一筋縄ではいかないのが株式市場だ。今回は年初恒例の相場観のスペシャル版として、ブーケ・ド・フルーレット代表を務める馬渕治好氏に、金利や為替動向、米国株市場の動きなど日本株市場を取り巻く環境に視点を置きながら、26年に想定される全体相場の流れと日経平均の展望をずばり予測してもらった。

◇馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)に聞く◇

●米国中心に高値から2割調整も長期展望は良好

日米など主要国の株式市況は、実態からカイ離して総じて割高な水準にある。そのため2026年の早い段階において、主要国の株価指数は直近の高値水準から2割程度下落すると見込む。そうした株価調整が本格的に始まるきっかけはいつ何が起こることかとよく尋ねられるが、それは調整が起こった後でなければ分からないだろう。なお、2割程度の株価調整は頻繁に起こることで、驚くにはあたらない。また、長期的には株価の上昇基調を予想する。したがって、投資家としては売りから入るのではなく、どこで買うかということを考えたい。

株価調整の主要因は、買われ過ぎた株価の適正水準への「正常化」である。つまり、投資環境にかかわらず、割高さが解消されるまで株価は下落するだろう。特にAI半導体関連銘柄は割高さが際立っており、株価下落の主軸になることを懸念する。

ただし実体経済面から株安の背景要因となるものを挙げれば、米経済の悪化(既に水面下で悪化基調にあったところにトランプ関税の悪影響が乗ることによる、景気悪化と物価上昇)ということになる。米景気はいずれ悪化を加速させて一気に冷え込み、市場にのしかかろう。一方で米企業の価格転嫁のスピードは、関税引き上げ前の駆け込み輸入の効果が剥落することなどにより、息は長いが緩慢なものとなりそうだ。したがって米株市場においては、景気悪化要因が物価上昇要因を上回る展開となるだろう。

この場合、景気悪化により米長短金利は低下傾向をたどると思われるが、物価上昇分だけ低下幅は限定的になろう。米国株式市場では「景気悪化による株価下落効果」が「金利低下による株価上昇効果」を凌駕し、下値を探ることになるだろう。米ドルは米実体経済の悪化、米株市場の下落、米金利の低下によって、ほとんどの通貨に対して全面的なドル安方向に陥ることも想定される。

●日本株は相対的に他国株より優位なポジションに

日本株については、こうした米国経済の悪化、それが引き起こす米株安や米ドル安・円高が、株価を押し下げていくと懸念する。その一方で、日本発の悪材料は見込みにくい。また予想PERでみて日米ともに株価は割高だが、米国に比べれば日本株のPERが低位で日本株の相対的な割安さが示されている。海外投資家は日本企業の緩やかだが着実な経営の変化を、過剰な期待を持たず好感している。このため、26年前半の世界的な株価調整では、日本株の下落率は他国に比べれば小さくなるだろう。

このように26年前半は、世界的に株価は軟調展開が予想されるが下落率は限られており、かつそれ以降は長期上昇相場に復しよう。その理由としては、後述のように米国経済が悪化はしてもその度合いは限定的なものにとどまると見込むこと、株価下落の主因はこれまでの株価の割高さであって十分に下落してしまえば割高さは解消されることなどによる。また極めて長期的には、世界経済は回復軌道をたどることが挙げられる。

米国経済は、リーマン・ショックの再来とでも言えるような金融システムの崩壊危機などは想定されない。また、予想外に米経済が深刻化したとしても、米連銀は追加緩和を加速させるなどのカードが手の内にある。更にトランプ政権には、中間選挙の前に追加の本格減税(例えば法人税率引き下げなど)という選択肢も残されている。

●主要市場の予想数値と長期的な懸念要因について

具体的な市況の予想値としては、日経平均については、年央までにいったん4万円割れまで下押す可能性が警戒される。しかし米景気の悪化を織り込み、内外株価の割高さが解消されることで、そこから株価は上昇基調に復するだろう。

他方、金利面では日銀が緩やかな利上げを継続すると見込まれ、国内債券市場では長期金利(10年債利回り)が漸次切り上がる動きとなろう。これは26年末にかけての景気持ち直しを反映した自然な長短金利の上昇に過ぎず、金利上昇を株式市場全体の悪材料とするにはあたらないだろう。長期金利は年末で2.5%程度の水準と、現状からは限定的な上昇幅にとどまろう。また、ドル・円相場は米国経済の悪化や米国株の下落などから一時は1ドル=140円割れとなり得るが、年後半は150円台への持ち直しを見込む。

米株についてはS&P500指数でみれば、年央までに6000ポイントを割り込む可能性があるが、年末に向けて7000への浮上を目指すと想定する。年前半は厳しい相場環境が予想されるものの、年末に向けて徐々にバランスを立て直しそうだ。

長期展望で懸念要因を挙げるとすれば、証券投資における米国一極集中の巻き戻しが急加速することだ。これまで、AI半導体関連を中心に米株市場に世界の投資マネーが集中的になだれ込んだが、米国からの資金逃避が先鋭化し市場が混乱すれば、他国の株式市場にも影響は避けられない。それと相まって米中の通商対立で中国側の攻勢が激化するケースや、中国経済が今よりも重度に悪化するケースなども、可能性は低いとはいえ念頭に置いておく必要はある。もっとも、そうして米中の共倒れが鮮明になれば、むしろ日本株が相対的に浮上する可能性があると考えている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程修了。米国CFA(証券アナリスト)。日興証券グループを経て、2009年から独立して現職。

マスコミ出演は多数。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣の一人。個人投資家や金融のプロなどに向けてセミナー講演を活発に行っている。自主開催の有料セミナーは、背景要因を具体的なデータ数値で示す、独自の内外情報網で得た論拠を提示するなど、参加者からの評価が高い。セミナーのスケジュールは「ブーケ・ド・フルーレット」のホームページを参照。

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