【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 本格回復に備えて狙うべき有力セクターとは?
「本格回復に備えて狙うべき有力セクターとは?」
●日本は2022年の英国とは違う
高市早苗首相が衆院解散を表明した。それなのに、拍子抜けするほど東京市場の反応は実におとなしい。現与党の勝利が有力視されているのだから、日経平均株価はもっと素直に上がってよさそうなものだ。しかし、現実はそうなっていない。上がらないわけではないが、力強さに欠ける。市場は明らかに様子見姿勢に入っている。
なぜか。理由ははっきりしている。選挙後に打ち出される可能性のある「食料品の消費税2年間ゼロ政策」。これが足を引っ張っていると見てよい。この政策、聞こえはいい。狙いも理解できる。しかし、財源が見えなければ、市場は警戒する。国債が売られ、金利が上がり、株式市場に冷や水が浴びせられる。相場の世界は「善意」より「数字」が優先されるのだ。
市場関係者の頭に浮かぶのは、2022年に英国で起きたトラス・ショックである。覚えておられるだろうか。当時、同国の首相だったトラス氏は、大胆な減税を掲げた。だが、財源の説明が甘かった。それを理由に、市場は背を向けた。ポンドは暴落し、国債は売られ、株も下げた。トリプル安だ。政治は一瞬で市場に裁かれたのである。
もっとも、日本は英国とは違う。ここが重要だ。日本国債の多くは国内で保有されている。日銀という巨大な買い手も存在する。さらに日本政府は、これまで何度も財政危機論を乗り越えてきた経験がある。簡単に市場の信認を失う国ではない。
それでも株価が上がり切らないのは、主に海外機関投資家たちが「万が一」を恐れているからだ。財源の説明が不十分ならば、どうなるのか。海外投資家が一斉に動いたら、どうなるのか。そうした不安が、ブレーキとして働いている。
しかし私は、過度に悲観する必要はないと見ている。日本には270兆円を超える年金積立金がある。いざとなれば使える“切り札”だ。政府が本気で説明すれば、市場は必ず納得する。問題は、食料品の消費税2年間ゼロ政策をやるか、やらないか――それだけである。
●投資ブーム享受の証券株は見逃せない
では、個人投資家はどう対応すべきか。減税が実行される、あるいは見送られる。結果が分かるまで投資は控えるべきなのか。私に言わせれば「そんなバカな……」だ。日本は2022年の英国ではないのだ。自国の安定性と安全性に自信を持ち、淡々と投資に取り組みたい。いま大事なのは、市場テーマを見ること。AI(人工知能)、半導体、防衛、エネルギー。これらは簡単には崩れない。むしろ、下げたら買い場になる。
しかし、今回はやや視点を変え、選挙終了後の本格回復に備えて 証券株に投資しておきたい。いまはちょっとした投資ブームだ。証券各社は儲かっているのだから、その株は見逃せない。
そこで、まずは業界首位の野村ホールディングス <8604> [東証P]、それに次ぐ大和証券グループ本社 <8601> [東証P]になる。準大手では証券ジャパンと経営統合した岡三証券グループ <8609> [東証P]、ネット証券の草分けである松井証券 <8628> [東証P]、中小型成長株に強いいちよし証券 <8624> [東証P]、水戸を中心に地域密着で圧倒的に信頼されている水戸証券 <8622> [東証P]、広島を拠点に中国株に強い証券会社として拡大を続けてきた東洋証券 <8614> [東証P]などに投資しておきたい。
NISA(少額投資非課税制度)ブームは落ち着いたものの、投資者数は増加を続けている。証券株は現在高値圏で調整中であるだけに魅力的だ。
2026年1月23日 記
株探ニュース