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金は再び上値を試す、トランプ関税違憲判断とイラン情勢が押し上げ <コモディティ特集>

特集
2026年2月25日 13時30分

の現物相場は、米政府機関の閉鎖回避で合意したことやトランプ米大統領が次期連邦準備理事会(FRB)議長にタカ派のウォーシュ元FRB理事を指名したことをきっかけに調整局面を迎えたが、ドル安見通しに変わりがないことやイラン情勢に対する懸念を受けて押し目を買われた。また、米最高裁がトランプ米大統領の導入した相互関税を違憲と判断し、先行き不透明感が広がったことを受けて再び上値を試し、1月30日以来の高値5247ドルをつけた。ロシアが1月に金準備9トンを売却したが、中国など各国の中央銀行の購入が続いており、ドル安が再開すれば内外で再び史上最高値を更新するとみられる。

米最高裁はトランプ米政権が相互関税の根拠とした1977年の国際緊急経済権限法について違憲と判断した。相互関税は停止され、企業への返金が見込まれている。ただ、相互関税を負担したのが輸入業者か小売企業かという問題もあり、返金手続きは複雑になるとみられている。

米上院民主党は違憲とされた関税の全額を180日以内に返還することを義務付ける法案を提出した。一方、米大統領は1974年の通商法122条に基づいた新たな関税を課す大統領令に署名した。当初は関税10%としたが、その後に15%に引き上げる可能性が示唆された。今回の関税は150日間の期限で延長するには米議会の承認が必要になる。また、米大統領は「駆け引きをしようとする国は高関税を課す」と警告した。日本は相互関税の交渉で米国への5500億ドルの投資を決定しているが、新たな関税が発表されたことから引き続きこれを進めるとみられている。各国の反応も確認したい。

関税が新たな形で継続されることはインフレ要因である。1月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇と前月の2.7%から伸びが鈍化し、事前予想の2.5%上昇を下回った。ただ、インフレは高止まりしており、米FRBは当面、金利据え置きを続けるとみられている。

●米国とイランの核開発協議を確認

米国とイランの3回目の核開発協議が26日に予定されている。米国はイランにウラン濃縮活動の停止を求めているが、イランは拒否し、次回の協議で詳細な提案を出す見通しである。イランは米国が平和目的のウラン濃縮を認めて経済制裁を解除するなら、新たな譲歩をする用意があるとしている。一方、米国は2つの空母打撃群を派遣し、米大統領はイラン攻撃の可能性については今後10~15日を期限とする考えを示した。核開発協議と軍事衝突が回避されるかどうかを確認したい。

米ロ、ウクライナの停戦協議も行われたが、領土問題で難航した。ロシアのプーチン大統領は23日、ウクライナの停戦協議には触れず軍の作戦を継続する姿勢を示した。また、ロシアの安全保障のため、核戦力の発展が最優先事項だと述べた。米ロの核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」は5日に失効しており、米国はロシアだけでなく、中国も参加する条約を要求している。ただ、中国は参加しないとしており、核軍縮の協議の行方も確認したい。

●ファンド筋の先物買いは1年ぶりの低水準

世界最大の金ETF(上場投信)であるSPDRゴールドの現物保有高は、2月23日に1086.47トン(1月末1087.10トン)となった。ドル高をきっかけに調整局面を迎えるなか、1075.61トンまで減少したが、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、ニューヨーク金先物市場でファンド筋の買い越しは2月17日時点で15万9915枚(前週16万0012枚)となり、1年ぶりの低水準となった。調整局面を迎えるなか、手じまい売り、新規売りが出た。

(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)

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