トランプ大統領、ガソリン税の一時停止を支持する考え 効果は未知数との声も
トランプ大統領は、イランとの戦闘長期化で原油価格が急騰する中、ガソリン価格上昇を抑えるため、ガソリン税の一時停止を支持する考えを示した。
CBSニュースとの電話インタビューで「連邦ガソリン税、1ガロン18.4セントを一定期間停止したい」と述べた。ただし、減税分のどの程度が実際に消費者価格へ反映されるかは不透明。
米国とイスラエルが2月にイランを攻撃して以降、全米の平均レギュラーガソリン価格は上昇を続け、日曜日時点で1ガロン4.52ドルに達した。
今回の紛争により、世界の原油・LNG輸送量の約5分の1が通過していたホルムズ海峡の海上輸送が混乱。共和党のホーリー上院議員(ミズーリ州)は月曜日、ガソリン税停止法案を提出する考えを示している。
ただし、仮に実現しても、ガソリン税減税が価格を大幅に押し下げるかは不透明。米道路・交通建設業者協会(ARTBA)の調査によると、2013-2021年に実施された州ガソリン税変更177件超のうち、消費者価格に反映されたのは平均18%に留まった。
専門家は「紛争開始以降の平均ガソリン価格の上昇幅が1ガロン当たり1.54ドルであることを踏まえると、税停止の効果は大幅な改善には繋がらまい」と指摘。また、供給がひっ迫する中で消費者の需要抑制を妨げる可能性もあると述べた。「これは豚に口紅を塗るようなものだ。本当の問題は解決していない」と語った。
また、議会が財源を講じなければ、ガソリン税停止は州間高速道路や道路、橋梁の建設・補修を支える高速道路信託基金に深刻な影響を与える可能性がある。同基金の財源の80%超はガソリン税と、軽油1ガロン当たり24.4セントの税収に依存している。
ジョージア州、インディアナ州、ユタ州では、価格上昇を受け州ガソリン税を一時停止または引き下げている。アラバマ州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、サウスカロライナ州でも同様の措置を求める声が出ている。インディアナ州のブラウン知事は先週、州内のガソリン税減税措置の拡大を発表。
民主党のケリー上院議員(アリゾナ州)とブレンダン・ボイル下院議員(ペンシルベニア州)も、一時的なガソリン税停止を求めている。ケリー議員は10月1日まで税を停止する法案を提出。下院予算委員会の民主党筆頭委員であるボイル議員は、平均ガソリン価格が1ガロン4ドルを超えた場合に税を停止する案を提案。石油・ガス会社向けの既存連邦補助金300億ドルを信託基金へ振り向け、道路・橋梁整備向け補助金の財源を補填する考えを示している。
近年のガソリン税停止案は、議会でほとんど支持を得られていない。2022年には、ロシアのウクライナ侵攻後の原油高を受け、当時のバイデン大統領が3カ月間のガソリン税停止を提案した。ニューヨーク州やコネティカット州を含む5州が当時、州ガソリン税を停止。
しかし。当時の民主・共和両党の議会指導部は、消費者価格押し下げ効果に疑問を呈し、バイデン前大統領の提案を迅速に退けた。上下両院を支配していた民主党指導部も否定的で、当時の上院共和党トップだったマコネル上院議員は「ばかげた提案だ」と批判していた。
株探ニュース