AI相場で出遅れていた銘柄が本日反発
これまでAI相場で出遅れていた銘柄が本日反発している。最近の企業決算から、AI関連需要が半導体からデータセンター、クラウドまで幅広く依然として強いことが確認され、現在のAI投資を制約しているのは需要不足ではなく、供給能力、電力、資金調達との見方が強まっている。
最高投資責任者(CIO)はインタビューで、7月のAI関連株の急落を2022年が1カ月に凝縮されたような相場と表現。多くのAI関連銘柄が40-60%下落したと指摘した。
しかし、株価の急落とは対照的に、同CIOが注視するAI関連の事業指標はほぼすべて加速したという。具体的には、AIモデルで処理されるトークン数の伸び、GPUの稼働率やレンタル価格、DRAM価格、未上場企業からのAIインフラ需要がいずれも改善した。
このため、7月のAI関連株の下落は必ずしも需要の悪化を反映したものではなく、足元の決算を通じてAI投資の基礎的な需要の強さが改めて確認されたことが、出遅れていたAI関連株への買い戻しにつながっている。
最近のAI関連企業の決算もAI需要が依然として強いとの見方を裏付けている。コアウィーブ<CRWV>の第2四半期売上高は前年比で2倍超となり、受注残は1040億ドルに達した。ネオクラウドのネビウス<NBIS>も売上高が前年比5倍超に急増。ルメンタム<LITE>もAI向け光通信需要の急拡大を背景に四半期売上高が2倍超となった。
より重要なのは、AIインフラの供給不足が続いている点。コアウィーブは今後数年間、需要が供給能力を上回ると予想している。ネビウスも2027年に計画している供給能力のすべてについて、現時点でも買い手が見つかる状況だとしている。ルメンタムでは生産能力を増強しているにもかかわらずポンプレーザーが事実上完売状態となっており、アプライド・オプトエレクトロニクス<AAOI>も2027年半ばまで光通信製品の需要が生産能力を上回るとみている。
供給不足は価格決定力にも繋がっている。コアウィーブは製品・サービス全般で価格を約25%引き上げたほか、ネビウスが実施した供給能力の入札では、エヌビディアの「ブラックウェル」向け価格が従来の最高値を15%上回った。現時点では、AI関連のサプライチェーン全体で供給過剰を示す兆候はほとんど見られていない。
一方、最大の課題は巨額の設備投資。コアウィーブは2026年に350-390億ドル、ネビウスは200-250億ドルの設備投資を計画しており、顧客からの前払い金や資産担保融資への依存も高まっている。スーパー・マイクロ<SMCI>では、顧客側で電力や冷却設備、ネットワークの準備が間に合わず、一部の売上計上が遅れるケースも発生している。
このため、AI投資を巡る市場の焦点は需要が続くかどうかから、企業が巨額のインフラ投資を資金調達し、十分な収益性を確保しながら実行できるかへ移りつつある。7月のAI関連株急落は需要サイクルの失速を織り込むような動きだったが、最近の決算や業界動向を見る限り、実際のボトルネックは需要ではなく、資金調達や電力、データセンターなどのインフラ整備にあることが示されている。
株探ニュース