ピムコ、米仏の債務状況が厳しい 日本も脆弱だが現行の枠内であれば概ね持続可能
米資産運用大手ピムコは6日、今後半年から1年に渡る最新の市場見通しを公表。数十年ぶりの高水準にある債券利回りが投資家に魅力的な利息収入をもたらすとの見方を示し、世界的な財政リスクへの備えとして先進国および新興国市場への分散投資を強く推奨している。
同社のエコノミストとグローバル債券最高投資責任者(CIO)がレポートを公表。「投資時点の魅力的な利回りとそこから得られる利息収入は、インフレが大幅に上振れするリスクを大きく和らげる」と強調した。その上で、AI関連の設備投資に勢いが衰えたり、成長に想定外のショックが生じたりした場合には、債券が強力なヘッジ機能を発揮する可能性を維持していると指摘している。
また、各国固有の財政リスクをヘッジする有効な手段として、先進国と新興国にまたがるグローバル債券ポートフォリオへの資産配分が不可欠だと主張。特に国家別の財政状況については、米国とフランスが債務状況の厳しさにおいて際立っていると名指しした。また、英国、イタリア、日本についても脆弱性を指摘し、特に日本に関しては「財政赤字を拡大させる最近の政策を受けて脆弱性が一段と増している」と分析。ただし、現行の財政計画の枠内であれば、これらの国の債務状況は概ね持続可能であるとの見方を示した。
さらに同社は、追加的な財政刺激策が利回り上昇とイールドカーブのスティープ化を招く最大の潜在要因であると分析。「AIインフラの急速な整備に伴う巨額の社債発行の規模も、金利上昇の一因となる可能性がある」と警告している。
市場を巡る環境については「財政を巡る懸念は今後も世界の市場で一時的にボラティリティを高める要因になる」と警戒感を示す。しかし、「そうしたリスクを十分に補う形で、投資家が得られる国債利回りは1年前の水準を大きく上回っている」と強調した。
具体的な投資判断として、米国債では5年から7年物を引き続き最も魅力的な投資先として挙げている。さらに、近年の利回り上昇傾向を好機と捉え、「長期債に対してもより前向きになりつつある」と姿勢を変化させた。
ピムコは足元の市場環境について「中期的な投資期間を想定し、腰を据えて臨む忍耐強い投資家にとって、現在の米国債市場には確かな投資妙味がある」と結論づけている。
株探ニュース