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ESG最前線レポート─新たなTOPIXとESG

市況
2026年10月31日 11時00分

第61回 「新たなTOPIXとESG」

●新たなTOPIXがスタート

10月から、TOPIX先物の構成銘柄が大きく変わります(初回定期入れ替えは10月30日実施)。この新しいTOPIXは、浮動株時価総額に対して実際にどれくらいの売買が行われたかを表す「年間売買代金回転率」と、市場で流通する株式で計算した「浮動株時価総額の累積比率」の2つの流動性基準により選定されます。

対象は、2022年4月に再編された3つの市場区分(プライム市場、スタンダード市場、グロース市場)のすべての銘柄で、2026年10月の初回入れ替えを経て、2028年10月以降、流動性基準による定期的な入れ替えが毎年行われるようになります。市場再編前に約2200だった構成銘柄数は初回定期入れ替えで1669銘柄になり、2028年7月には約1000銘柄に絞られる見込みです。

日本取引所グループによれば、初回の定期入れ替えで継続採用されない683銘柄(移行措置銘柄)は、四半期ごとに8段階でウエイトを低減していき、2027年10月に再評価を行い、継続基準を満たす銘柄の段階的ウエイト低減を停止するとしています。

●企業価値向上への努力を促す

日本取引所グループは、近年のパッシブ運用の隆盛などに伴い、TOPIXを投資対象とするETF(上場投資信託)と年金信託運用等の連動運用資産が約160兆円(2026年6月末時点)に達しているとしています。

これまでTOPIXの構成銘柄は、上場廃止といった特殊な事情がない限り、流動性や株価水準などを理由に定期的に除外される仕組みはありませんでしたが、これからは年次で見直しが行われます。プライム市場に上場していても、先述した2つの基準を満たさなければ除外されてしまいます。

逆にスタンダードやグロース市場であっても、基準を満たせば構成銘柄に採用されるチャンスが生まれます。また、採用されている企業にはTOPIX残留のために、時価総額や流動性の向上につながる企業価値向上への取り組みを促すことが期待されます。

●ESGへの取り組みを見極める

日本取引所グループは、今般の一連のTOPIXの見直しについて「市場区分の見直しを契機に、連続性を確保しつつ、市場代表性に加え、投資対象としての機能性を更に高めることを目的に行うもの」と位置づけています。

この新たなTOPIXの選定基準には、ESGに関する直接的な規定はありません。しかし、流動性の確保やさまざまな開示義務があるため、必然的にESGにも積極的に取り組むことが求められます。継続的に構成銘柄であり続けるためには、ESGの基盤が必須だということです。

株式市場では銘柄の入れ替えを見据えた売買も想定されますが、その際、各社のESGへの取り組みの質を見極めることも、企業の持続的な成長の要件を確認する上で有効な視点といえるのではないでしょうか。

情報提供:株式会社グッドバンカー

(2026年10月20日 記/次回は2026年11月28日配信予定)

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