ハイパースケーラーのバリュエーションが魅力的な水準に ケーブルや電力設備に期待も
欧州大手銀のストラテジストは、最近のAI関連株の調整を受け、ハイパースケーラーのバリュエーションが魅力的な水準になっているとの見方を示した。市場はAI投資の成長サイクルが実際よりも短期間で終わることを織り込んでいるという。
「ハイパースケーラーの売上高が年10-20%成長しているにもかかわらず、株価収益率(PER)が20倍を下回っているというのは、市場がかなり悲観的な見方をしていることを意味する。従って、これらの銘柄を買い戻そうとする意欲は相当強い」と述べた。
「ハイパースケーラーは巨額のAI投資が収益につながり始める転換点に近づいている可能性がある。2027年にはデータセンターの引き渡しが進み、積み上がった受注残が売上げに転換されることで、設備投資に収益が追いつき始める可能性がある」という。
また、市場から資金が消えたわけではなく、半導体メモリーなどの供給企業に資金が移動しただけだと指摘。こうした企業は現在、投資家への利益還元を始めているとも述べている。
同ストラテジストは「AI関連の投資テーマは依然としてかなり底堅い」としたうえで、半導体メモリー企業の株価には、われわれが想定するよりも遥かに短いAI投資サイクルが織り込まれている」と述べた。
先週、アルファベット<GOOG><GOOGL>は2四半期連続でフリーキャッシュフロー(FCF)が赤字となったことを明らかにした。これを受けて世界的にAI関連株への警戒感が強まり、ナスダック100は金曜日に3.5%下落。6月以来の大幅安となった。アルファベットの7-9月期のFCFは91億ドルの赤字となり、予想の33億ドルの赤字を大幅に上回った。AI関連の巨額投資によって、過去20年に渡り概ね黒字を維持してきたFCFが赤字に転じている。
同ストラテジストはまた、AI関連の投資テーマがデータセンター建設の初期段階で恩恵を受けた企業から、次の段階へと移行し始めていると見ている。ケーブルや電力設備などのインフラ関連企業の多くは、すでに2027年、場合によっては2028年まで受注が埋まっており、今後の業績予想がさらに上方修正される余地は限られているという。
株式市場は成長見通しの予想外の変化によって動くため、AI関連株の次の上昇局面をけん引するのは、これまでとは異なる企業になる必要があると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース