米、ウクライナ経由のロシア産ガス供給再開を支援 冬を前に「エネルギー停戦」模索
米国が、冬場のエネルギー施設への攻撃停止に向けた協議の一環として、ウクライナを経由するパイプラインを通じたロシア産天然ガスの欧州向け供給再開を後押ししていることが明らかになった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。11月中旬にアブダビで予定される米・ロ・ウ3カ国による和平協議を前に、停戦への強固な誘因としたい考え。
この構想は、9月に米特使らが提示したとされる。欧州の天然ガス備蓄が過去数年で低水準に落ち込む中、供給再開によって冬場の価格抑制を図る狙いがある。米投資家の収益機会創出や、ウクライナへの通過料収入も想定するほか、ロシアの戦費転用を防ぐため収入を第三国の口座に預ける仕組みも提案された。また、欧州ではイラン情勢に伴うエネルギー価格高騰やインフレ懸念が広がっており、欧州側の姿勢に変化が生じる可能性も指摘されている。
しかし、実現へのハードルは高い。EUは2027年末までのロシア産ガス全廃を定めており、主要国首脳やEU幹部は戦略的敵対国への依存復活に強く反発している。ロシアの報道官が「現在の状況下での即時再開は不可能」との認識を示した。さらに、ウクライナがロシアの製油所への空爆を再開したことで戦況が再び緊迫化しており、本格的な合意に至るかは不透明だ。
一方、ウクライナ側ではインフラ破壊による大規模停電や国民の流出を防ぐ観点から、エネルギー停戦への期待も根強い。米国の防空ミサイル供給能力が限られる中、今後の協議の行方が注目される。
株探ニュース