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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~目先調整は想定内だがイベント見極め

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は10日ぶり小幅反落、目先調整は想定内だがイベント見極め
・ドル・円は上げ渋り、欧米株安観測で
・値下がり寄与トップはソフトバンクグループ<9984>、同2位はバンナムHD<7832>

■日経平均は10日ぶり小幅反落、目先調整は想定内だがイベント見極め

日経平均は10日ぶり小幅反落。23.55円安の21964.74円(出来高概算6億4000万株)で前場の取引を終えている。

16日の米株式市場でNYダウは9日ぶりに反落し、142ドル安となった。14日にサウジアラビアの石油施設が攻撃を受け、イランの関与が疑われるなど中東情勢を巡る地政学リスクの高まりから売りが先行。原油価格が急騰し、世界経済への先行き不透明感が広がった。連休明けの日経平均もこうした流れを引き継いで40円安からスタートすると、寄り付き直後には21878.63円(109.66円安)まで下落する場面があった。ただ、円相場の下落を支えにプラス圏へ浮上し、前場中ごろには一時22041.08円(52.79円高)まで上昇するなど方向感に乏しい展開だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の3割強、対して値上がり銘柄は5割強となっている。

個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで3%近い下落。出資先の米シェアオフィス大手が上場を延期する見通しと伝わっている。SMC<6273>は3%超の下落。中国の8月工業生産高の伸びが鈍化し、利益確定売りがかさんだようだ。その他売買代金上位ではリクルートHD<6098>などが軟調で、ファーストリテ<9983>は小安い。エーザイ<4523>はアルツハイマー病治療薬の治験中止を受けて3%の下落。また、決算が嫌気されたヤーマン<6630>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、メガバンク株やトヨタ自<7203>、任天堂<7974>などはしっかり。スマートフォン向けゲームの好調を受けてスクエニHD<9684>が活況となり、コロプラ<3668>はストップ高。また、原油価格の急騰で国際帝石<1605>などの関連銘柄が大きく買われ、コロプラとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、海運業、空運業、化学などが下落率上位。反面、鉱業、石油・石炭製品、その他金融業などが上昇率上位だった。

サウジアラビアの石油施設への攻撃を受け、連休明けの東京市場も売りが先行して始まった。米国はイランの関与を指摘しており、中東情勢が一段と緊迫化する恐れがある。しかし、トランプ米大統領が対イラン強硬派のボルトン大統領補佐官を解任し対話姿勢に舵を切っていたこと、石油供給についてはトランプ氏が備蓄放出の構えを見せたことから、市場は比較的冷静に受け止めているようだ。日経平均は先週末までの9連騰でおよそ1368円上昇し、節目の22000円に乗せる場面もあった。短期的な達成感と過熱感から目先の調整は想定内だろう。一方、ここまで一本調子の上昇が続いただけに、こうした調整局面では上昇に乗り遅れた投資家の押し目買いが入りやすい。

ただ、今週は17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18~19日に日銀金融政策決定会合が開かれる予定となっている。日米の金融政策を見極めたいとの思惑から、売りにも買いにも傾きづらい状況とも言える。連休の合間であることも個人投資家の様子見ムードにつながるだろう。後場の日経平均も先週末終値を挟み一進一退の展開が続くとみておきたい。


■ドル・円は上げ渋り、欧米株安観測で

17日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。米中摩擦解消への期待感が広がったものの、欧米株安観測で円売りは縮小しドルは朝方の安値付近まで失速した。

ドル・円は、108円前半を中心とした値動き。米中貿易交渉の次官級協議が近く開かれる見通しとなり、両国の摩擦解消への期待感から日経平均株価はプラスに浮上。リスク選好の円売りでドルは
108円30銭台に値を上げた。

ただ、中国株や欧米株式先物の軟調地合いが続き、今晩の株安への警戒から円売りは縮小。ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏で推移しており、目先の日本株安継続への思惑から円売りは後退しているようだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円02銭から108円37銭、ユーロ・円は118円87銭から119円24銭、ユーロ・ドルは1.0998ドルから1.1012ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・コロプラ<3668>、アイビー化粧品<4918>など、7銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはソフトバンクグループ<9984>、同2位はバンナムHD<7832>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・豪準備銀(議事要旨)
「必要であれば追加緩和」
「世界経済の見通しにダウンサイズリスク」
「賃金の伸びの上向きトレンドは勢いを失ったもよう」


<国内>
特になし

<海外>
・米連邦公開市場委員会(FOMC、18日まで)
・第74回国連総会(30日まで。24日から一般討論演説)

《HH》

 提供:フィスコ

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