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【特集】億り人たちとの交流で築いた飛躍の柱

第25-2回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(ケーススタディ編)

登場する銘柄
三菱鉛筆<7976>、ペッパーフードサービス<3053>

取材/高山英聖、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

「@nob_Osa」さん(ハンドルネーム・50代・男性・専業投資家)
【タイトル】 日本株運用資産 3億円
累積投資元本 5000万円
累積リターン 2億5000万円
投資スタイル 割安成長株×中長期分散
主な保有期間 1カ月~3年以上
保有銘柄数 260銘柄
投資開始年 2009年に本格スタート
他の投資対象 米国株、タイ株、フィリピン株
自身の性格分析 集中力、粘り強さがある
好きな言葉 尺蠖の屈するは伸びんがため
「@nob_Osa」さんとは:専業投資家。
親から相続した賃貸マンションを所有・運営しながら、普段は株式投資に専念している。
投資自体は1985年、24歳から。当時新卒で入社した大手都市銀行で持ち株会に加入し、
自行の株を保有していた。本腰スタートは2009年。
そのとき在籍していた大手機械メーカーで企業年金運用の責任者を務めており、
その経験を生かそうとした。まとまった投資資金ができたことも関係していた。その後、
転職した製薬会社を辞めて14年には投資に専念するようになった。
趣味は健康にかかわること。

前回記事「誰でも知っているメーカーの元・財務部長が、謙虚に学び掴んだ勝つ極意」を見る

日本株の運用資産が3億円ほどになる「@nob_Osa」さん(ハンドルネーム、以下「ノブ」さん)の2回目。前回は、元手5000万円を6倍の3億円に増やした銘柄選別手順の目安と成功事例を紹介した。

簡単におさらいすると、主に割安成長株を中長期で保有してリターンを積み重ねるやり方だ。

成長性は「中期経営計画」「売上高推移」などから見極め、
割安さは「過去10年間のチャート」「保守的に選定した理論株価」を軸に購入タイミングを図る。

資産を膨らました成功のポイントは、売買について自分の軸を築いたことだ。その軸とは、自分なりに立てたシナリオを基に「利益確定」「損切り」の判断基準をしっかり持ち、余程のことがない限りそれを守り通すことだ。

そうすると「銘柄を握りしめる力が強くなる」(ノブさん)とメリットが効いてくる。

マーケットが崩れても冷静でいられれば、リターンの取り損ねや損失を減らすことができそうだ。前回の記事で紹介した日東電工<6988>やスクロール<8005>はわかりやすい例だろう。

損切りルールを曖昧にして失敗したケースも

反対に、軸を曖昧にすると思わぬタイミングで失敗することもある。

苦い経験が三菱鉛筆<7976>とペッパーフードサービス<3053>での損失だ。いずれも損切りルールが曖昧なまま買い進めて失敗したケースだ。

三菱鉛筆は、2017年後半、高値3400円から2600円付近まで下がったところを拾ったのが始まりだ。

株価はその後もずるずる下がり続けたが、強気スタンスを変えずにナンピン買いを継続。しかし株価は下げ止まらず、20年末に1400円前後で損切りした。損失は440万円に上った。

■三菱鉛筆の週足チャート(2016年9月~21年7月)
【タイトル】
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

ノブさんによると反省点は2つあり、1つが信用取り組み状況を把握していなかったことだ。

同銘柄では、常に信用売り残高が買い残高を上回っていたことから「おそらく投機筋が売り玉を常時つくっていて、下がれば儲かるような特別な銘柄だった」(ノブさん)と推測していた。

2つ目が、損切りルールの不徹底だ。曖昧なまま買い進めてしまったことも、損失が拡大した要因と指摘する。

次のペッパーフードサービスでは、買ったのは2018年初め。前年の17年末に高値8000円台をつけた後、年明けに4000円台までドローダウン。ノブさんはそこに目をつけて5000円台で同社株を仕込んだ。

成長性への期待は高かった。「破竹の勢いで出店しているし、ステーキの本場の米ニューヨークでの参入も果たした」(ノブさん)とし、これはイケると踏んだという。

5000円台で買った株価はまもなく7000円台を回復したものの、高値更新を待っているうちに、気づけば下降トレンドに突入。そのままずるずると下がってしまった。

■ペッパーフードサービスの週足チャート(2016年9月~21年7月)
【タイトル】

結局、ノブさんは2019年末に1000円台で売却した。損失は130万円。当時について「今思えば完全な成長願望の思い込み。もっと精査するべきだった」と振り返った。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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